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【レビュー】KOHH 『worst』| 名前を置いていくアルバム

KOHHの軌跡 自分がKOHHという存在を初めて知ったのは、2012年にリリースされたデビューミックステープ『YELLOW T△PE』の冒頭を飾る"WE GOOD"のミュージックビデオだった。確か知ったきっかけはビートメイカーのLil'Yukichi氏(当時はCherry Brownとしても活動)...

【コラム】リバイバルを果たしたUKガラージ/2ステップの現在と歴史

ここ数年、UKガラージ/2ステップの何度目かのリバイバルが来ている。そしてUKイギリスではPrince Of UK Garageことブリストル出身で西ロンドンを拠点とする新鋭DJ/プロデューサーConductaがプロデュースしたAJ Traceyの”Ladbroke Grove”が新世代のUKガラージ/2ステップサウンドで2019年10月UKシングルチャートの3位を記録、いよいよUKガラージ/2ステップの復活は本物になってきたと言えそうだ。

【レビュー】Yaeji 『WHAT WE DREW 우리가 그려왔던』|DIYな共同体による、温かいセラピー

タイトル曲”WHAT WE DREW우리가 그려왔던”のMVは6分間でこのミックステープ『WHAT WE DREW 우리가 그려왔던』全体のムードを効果的に表現している。おまじないをしながら巨大な玉ねぎを成長させるミステリアスなストーリーは、Yaejiのアーティスト写真も担当する写真家のダソム・ハンと、彼女の所属するアート・コレクティブ、Dadaism Clubのメンバーである監督、ジョン・ダウンによるもの。制作スタッフに加え、yaejiの祖父やソウル在住時代の友人たちなど出演者までMVに関わった面々はほとんどがyaejiの普段から親しくする友人だ。さらに、MV中でyaejiや彼女の友人たちが着ているスウェットシャツとダボダボのパンツもyaejiのオリジナル・ブランド、YAEJI-MARTのものだし、全体的にDIY要素の強いビデオだ。

【レビュー】Childish Gambino『3.15.20』| 世界はまだまだChildish Gambinoが必要だ

2018年、“This is America ”でヒップホップアーティストとして初のグラミー最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞の主要2部門(最優秀ラップサングパフォーマンス賞と最優秀ミュージックビデオ賞を含むと4部門)を制して歴史を書き換えたChildish Gambinoが、3/20に自分のサイトにストリーミング形式で4作目『3.15.20』を発表した。

【レビュー】Rex Orange County 『PONY』|ノスタルジックであり新鮮な明るさ

Rex Orange Countyの3rdアルバム『PONY』がいよいよリリースされた。シンガーソングライターAlexander O'Connorによるソロ・プロジェクトであるRex Orange Countyは、ロンドンの次世代(ここではKing Krule以降と言い切ってしまいましょう)を代表するアーティストとして期待を集め、昨年はSUMMER SONICにも出演するなど日本でも注目を集めてきた。FNMNLでも初来日に先駆けてインタビューを掲載するなどフォローしてきましたが、今回は改めてそのキャリアを振り返り、期待の高まる新作『PONY』をレビューする。

【クロスレビュー】Tyler, The Creator『IGOR』|作品の構造、そしてテーマから読み解く最高傑作

今月半ばにリリースされ、今年リリースされたヒップホップアルバムの中で今の所最大の売り上げを達成するなど大きな話題をさらったTyler the Creatorの最新アルバム『IGOR』。

【クロスレビュー】Flying Lotus 『FLAMAGRA』|映像、そして音の変遷から読み解く待望の最新作

初の映画監督作品『Kuso』など音楽以外の活動も精力的に行ってきたFlying Lotusが、本日ニューアルバム『FLAMAGRA』をリリースした。

【レビュー】Lil Nas X "Old Town Road" | カントリーはラップではないが、ラップはカントリーだ

Billboardシングルチャート1位を記録し、アメリカをはじめ世界を席巻しつつあるLil Nas Xの“Old Town Road”。TikTokを中心とするダンスチャレンジで流行するといういかにも現代的なヒットの仕方も注目されたが、何より議論を呼んだのは全米カントリーチャートからの削除を巡る一件である。

【レビュー】Billie Eilish 『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』|感情を映し出すサブベース

先週末リリースされたBillie Eilishのアルバム『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』は、一貫して暗く重たい雰囲気を持ちながらもキャッチーさが存分に発揮された、まさに新世代ゴスクイーンBillie Eilishの持つ魅力を100パーセント感じることが出来る作品だった。

【レビュー】dodo『importance』| 困難な生の受容と肯定をめぐる、音楽の実践

川崎でひとり活動するラッパー、dodoが『importance』をリリースした。待望のアルバムだ。2019年の冒頭を飾る重要作品と言っていいだろう。7曲入りの小品と言っていいスケールだが、彼が自負を込めて送り出した本作の濃密さは聴く者を圧倒する。まずは再生してみることを勧めたい――本人のアップロード...

【レビュー】星野源が『POP VIRUS』で示した「“日本流”のアーバンミュージック」

星野源の最新作『POP VIRUS』にはMPCプレイヤーとしてSTUTSが参加していることなどから、ビートに対するアプローチが特に注目されているけど、個人的にはなぜか1stアルバム『ばかのうた』を思い出してしまった。 音的には全然違うのになんでだろうな、と考えながらアルバムのブックレットに収載...

【レビュー】Earl Sweatshirt 『Some Rap Songs』 | 自分だけのための言葉

Earl Sweatshirtが先月末にリリースしたアルバム『Some Rap Songs』は、内省的な作風で知られる彼のキャリアの中でも特に重苦しい作品だった。アブストラクトなビートやボソボソと低く呟くようなラップなどの要素は前2作とも共通するものだが、『Some Rap Songs』は異様とも言えるような雰囲気に満ちている。