Lil Nas Xが自身のカミングアウトについてのKevin Hartからの質問に対し答える

全米シングルチャートにて自身の楽曲“Old Town Road”が前人未踏の19週連続1位という大記録を達成し、一躍スターの仲間入りを果たしたLil Nas X。そんな彼が今年の7月、LGBT月間に合わせて自身がゲイであることをカミングアウトし大きな話題となったのは記憶に新しい。そして今回、彼はHBOの人気企画『The Shop』に登場。その予告映像が公開されている。

『The Shop』はスポーツ界や音楽業界、ビジネスシーンなど様々な業界の著名人が集まり、様々なテーマについて議論していくという企画で、今回はLil Nas Xの他に俳優/コメディアンのKevin Hart、NBA選手のKevin Loveなどが出演しているようだ。


公開された予告映像の中でLil Nas Xは、先述したカミングアウトについて、なぜカミングアウトすることが重要で必要なことなのかをKevin Hartから問われている。それに対し、「あれ(カミングアウト)は別に強制されたわけじゃないというか」と語り始めたLil Nas Xは続けて「俺は成長するにつれて、ただ知っていったんだ。それは憎むべきものだということを知りながら成長していたんだよ」と回答。

その答えを聞いたKevin Hartはさらにたたみかけ、子供の頃何を憎むように教えられたのかをLil Nas Xに問いかけた。「ホモセクシュアリティ、ゲイの人達だよ」と答えた彼はさらに「おいおい、君たちがフッドから出てきたならわかるだろ。俺にとって、トップに立つイケてるアーティストっていうのは、いつでもこういうこと(カミングアウト)を言える奴なんだ。トップにいるならそれがリアルだってことは分かるだろ」と全てをさらけ出せるようなアーティストが本物であると主張している。

Twitter上では、Lil Nas Xを質問攻めにしたKevin Hartへの批判や、この議論全体を批判するツイートが噴出。


「Lil Nas Xはギフトだ。彼は勇気と賢明さを持ち続けている。でも、同性愛嫌悪者達の中に彼を置いて、彼の選択について話させるというのはひどい」


「同性愛嫌悪により文字通り人生最大の仕事を失った彼が、このような場で啓発しているように見せようとしているのはたいしたジョークだ」

2個目のツイートは、昨年アカデミー賞授賞式のホストを務める予定だったKevinが過去の同性愛嫌悪発言に対する批判を受け、最終的に辞退するという一幕があり、それになぞらえたものだとみられる。

まだ全編が公開されていないため、予告映像とは全く違う流れでLil Nas Xのカミングアウトについて議論している可能性はある。Young ThugもLil Nas Xがゲイであることを明かした直後に言及していたが、いずれにせよ勇気を出してカミングアウトした人物に対してなぜそれをしたのか、その必要はあったのかと問うのは今の時代ではナンセンスだろう。このような議論が必要ない世界が早く到来するのを願うばかりだ。

RELATED

EminemをフリースタイルなどでディスするムーブメントがTikTokで流行|Lil Nas Xが苦言を呈する

セレブたちの問題行動や問題発言を取り上げ、その人物をボイコットする「キャンセルカルチャー」は、力を持つセレブや企業に対する抑止力として働くと同時に、小さな事柄がその人物の進退にまで影響を与えること、そして本質的かつ効果的でない方向に過激化していることが問題視されている。今回、Eminemが若いネットユーザーからキャンセルの標的とされていることが大きな話題を呼んでいる。

Lil Nas XがクィアアーティストとしてのTyler, The CreatorとFrank Oceanからの影響を語る

昨年のLGBTQプライド月間の終わりにカミングアウトを行い、ゲイであることを公言しながら活動を続けているLil Nas X。そんな彼が、新たに公開されたインタビューの中でカミングアウトの際にTyler, The CreatorとFrank Oceanの二人から受けた影響について語っている。

Lil Nas Xがアルファベットを学べる絵本『C Is for COUNTRY』を執筆

“Old Town Road”や『7』以来まとまった作品をリリースしておらず、新作を待たれているLil Nas X。そんな彼が、なんと児童書を執筆し出版する予定であることが明らかになった。

MOST POPULAR

音楽を聴いて鳥肌が立つのは特殊な脳の構造を持つ人だけが経験できるという研究結果

音楽を聴いて鳥肌が立つ、という体験をしたことがあるだろうか。もしあるならば、あなたはとてもラッキーな経験をしている。

大人になってからの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽で形成されている

私たちの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽によって形成されていると、研究により明らかになった。

Appleの重役がiTunesの音楽ダウンロードが終了することを認める

ついにその日が来てしまうのだろうか。先日発表されたアメリカレコード協会(RIAA)の2017年末の収入報告でもデジタルダウンロードの売り上げが2011年以来6年ぶりにCDやアナログレコードなどの売り上げよりも少なくなったと発表されたが、ちょうどそのタイミングでApple Musicの重役のJimmy Iovineが、iTunesストアの音楽ダウンロードが、終了する見込みであることをBBCの取材に対して認めている。