【インタビュー】uku kasai 『Lula』 | 二つでも本当
プロデューサー/シンガー・uku kasaiの2年ぶりのニューアルバム『Lula』は、UKGやハウスの作法を身につけて、これまでのベッドルーム的なニュアンスから一挙にクラブに近づいた印象がある。25分の時間の進行のなかで、部屋からフロアへと導かれるような感覚になるのだ(事実、キックのボリュームが前後半で変わっているように聞こえる)。
それは、ベッドルーム音楽の一大潮流・ハイパーポップと近接した領域で評価を獲得して以降、『TOKIO SHAMAN』(東京)や『KOMA-oto』(ロンドン)、『Mana』(ベルリン)、Oli XLの来日公演、表参道WALL&WALLでの自主企画『hi』など、数々の現場に出向くようになったアーティストのキャリアと重なるようにも思われる。
ところが今作の絶妙なバランスは、私的な領域とクラブとの間で揺れ動く、不器用なステップによって形作られたのだという。話を聞いてみれば、運針の軌跡がそのまま残ったジャケット写真と似たような、曲がりくねった思考の道筋が『Lula』に刻み込まれている。ここでは、そんなアルバムの1年以上の制作過程で得た、ライブや制作への向き合い方、そしてアーティストとしての在り方など、現在のukuの暫定的な回答を語ってもらった。
取材・構成 : namahoge
撮影 : 盛島晃紀
部屋とフロアの狭間で
- 自分が最後にインタビューしたのが2022年1月、約3年前でした。それから今日までにYUKIやdj newtownのリミックスアルバムに参加し、1stアルバムを発表し、国内外での音楽イベントだけでなくアート方面でも活躍されています。まずはその3年間について振り返っていこうと思いますが、前回のアルバム『coldsmokestar』について、どのようなアルバムだったと今お考えですか?
uku kasai - あの頃、めちゃめちゃ狂ったように夜散歩をしていて。ずっと歩いていたんです。その時の風景を切り取るみたいな感じで、制作にかけた時間も今回と比べたらすごく短かったので、やっぱり一時的な感情で作ったという気持ちが大きくて。前作は特に、音楽的になにかやろうと意図したことはなかったような気がします。「これが今の自分ですよ」っていう感じで。
- 1st以降はリリースペースが落ちて、ライブ出演に注力していた印象があります。前回のインタビューでは「『TOKIO SHAMAN』で初めて、学校の合唱以外で人前で歌いました」と仰っていて、ライブの経験はukuさんにとって新鮮なものだったんじゃないかと。
uku kasai - 呼ばれたからとにかく出たっていうのはあって。自分の周りもわりとハイペースに出る人が多かったので、「みんなもっとやってるし」っていう気持ちで出ていました。私はライブの意義みたいなのがあんまりわからなくて、「デジタルの完成された音源が一番優れてるに決まってるじゃないですか」ってずっと思っていたんですけど、でも、みんなライブが好きだし、ライブに行きたいって言うから、そういう気持ちを知りたかったっていうのもあるかもしれないです。
- 実際に多数出演して、なにか変化はありましたか?
uku kasai - 最近はライブ感のあるライブをやりたいなって思ってきています。ちゃんと「技を磨く」みたいなことを、ずっと自分は怠ってきたな、みたいな。機材が苦手で、いままでUSBとマイク一本でライブすることもあったくらいなので。最近はOniというユニットを組んで、Cwondoさんの影響もあり少しずつ機材を買ってみたりしています。
- 今はライブに対して前向きなんですね。
uku kasai - そうですね。決して今まで後ろ向きだったわけではない、とは言っておきたいんですけど、音源と違うことをやってもいいなと思えるようになってきています。
- 2023年の夏にはPeterparker69やillequalと一緒に『KOMA-oto』でロンドンに、『Mana』でベルリンにてライブをしています。この時の体験が今作のフロアライクなテイストに繋がっていると聞きましたが、それはどのようなものだったのでしょうか?
uku kasai - 私はもともとクラブで育ってないし、クラブにあまり行かないけど、部屋でめっちゃクラブミュージックを聞いてるような人間で。今でも自分のライブがない限りあんまり行かないんですけど、ベルリンに滞在している間に一度クラブに連れていってもらったんです。その時が生まれてはじめて思いっきり、なんというか、「クラブで踊る」ということをした日だったのかもしれないと思います。周りの人も誰も知らないし、自分にとってものすごく安心できる状況だったのかなと。
- そこではどんな曲が流れていましたか?
uku kasai - なにも知らないんですけど、めっちゃドテクノみたいな感じでしたね。
- ukuさんがベルリンで「踊った」のは、いってみればガチのクラブだったわけですよね。その体験はどのようにご自身の作品に投影されたのでしょうか?
uku kasai - ヨーロッパに行く以前から、「ダンスやります」みたいな気持ちにはなっていました。だから「海外に行きたい」という話をして、実際に行くことになったという順番なんです。1stアルバムの時からわりとビートがあるっちゃあるとは思うんですけど、それをさらにやろうと。
- 「ダンスやります」というのは、どうしてですか?
uku kasai - もう直感な気がしますね。もともと好きなアーティストがそっち寄りだったのもあって。Jamie XXとか。
- 前のインタビューの時もXL RecordingsやWarp Records周辺のUKクラブミュージックの名門をよく聞いていたと仰っていました。やっぱり今作で変わったのは、4つ打ちや2ステップを導入したビートですよね。これまでのビートパターンはトラップやブレイクスが基調だったのに対して、今作はリニアに進んでいくビートが目立っています。
uku kasai - たしかにそうですね。やったことがないからやってみよう、というのもありますが、大きいのはベルリンで体験した「ドゥンドゥンドゥンドゥン」と持続するテンションだったので。
- その時のフィーリングを思い出しながらの制作だったのでしょうか?
uku kasai - そうですね。でも時間が経つと薄れていくので、シンプルなダンスミュージックじゃなくなって、今みたいな形でリリースすることになったんだろうと思います。
- 部屋の方に戻っていってしまった。
uku kasai - やっぱりクラブで育ってないことが滲み出るんだなって、作っていてわかったので。途中どこかのタイミングでtomadさんに音源を聞いてもらった時に、「あんまりよくない」みたいな話になって、だったら自分の要素をちゃんとグッと出してみようかなっていう気持ちになりました。
- その段階ではクラブミュージック然としたデモだったんですか?
uku kasai - 今考えると中途半端なものだったなと思います。中途半端っていうか……あんまり誠実じゃない感じ。
- 「誠実じゃない」?
uku kasai - 適当に作っても変わんないじゃん、みたいな。うーん、でも、あんまり音楽やる気じゃなかったのかもしれないですね。
唯一無二から〈二つでも本当〉
- 「自分の要素を入れる」工程があったということですが、これまでのukuさんの作品と比べると、今作はオーソドックスなクラブミュージックの楽器編成に近づいているように思いました。たとえばガラージだったらオルガンベースといったふうな、ある種のジャンルマナーみたいなものを獲得したのではないかと。
uku kasai - 「やってみたいと思っていたのなら、やればいいじゃん」って自分に思ったんです。たとえば“製図”でずっと鳴っているベースは、聞く人が聞けばtofubeatsさんが打ったのかなって思うかもしれないですけど、あれは自分が打っているんです。今までの自分だったらやらなかった雰囲気だと思うんですけど、でも、「似合わなくてもやりたいならやってみよう」という気持ちがありました。これまで「自分はこういう人間だからこうじゃなきゃ」って固定して生きてきた部分があるんですけど、世の中との向き合い方がすごく柔らかくなって、っていう自分自身の変化がわりと反映されているのかな。
- それは制作の途中から変わっていったんですか?
uku kasai - いや、制作をはじめた頃にはそういう意識があって。最初にできたのが“hibye”なんですけど、それはベルリンにいる頃には作り始めて、私が主催するイベントをやった時にはデモができていて……去年? 一昨年?
- ukuさんがWALL&WALLで開催したイベント『hi』は2023年9月なので、去年ですね。
uku kasai - はい。私、本当にライブでMCをしたことがなかったんですけど、そのイベントは主催したし今日は喋んなきゃみたいな意識があって。その時に出たのが、「似合わないってことはない」みたいな言葉でした。そもそもクラブに来ない人も来てほしい、という気持ちで開催したイベントでしたし、その日も「人生で初めてライブに来ました」という方がいて、感慨深くなっちゃって。
- 「似合わないってことはない」という『hi』の時の宣言が、ある意味で『Lula』制作の自己暗示になったと。
uku kasai - あの日来てくれた人たちに嘘をつきたくない、みたいな気持ちはずっとあったかもしれません。
- 『Lula』はその宣言から1年以上経ってからのリリースですが、その間には「あんまり音楽やる気じゃなかったのかも」という時期があったと仰っていました。その時期はどのように訪れたのでしょうか?
uku kasai - 親しい人で、あんまり音楽を聞かない人に、自分の曲だって言わずに聞いてもらったことがあったんですけど、想定していた以上にウケがよくなくて。その出来事があってから、音楽が今までと全く違うバランスで聞こえるようになったんです。
- 「違うバランス」というと?
uku kasai - うーん……自分の「変に尖ってやろう」みたいな気持ちとか、そういうものももう要らないなって思って。やっぱり親しい人から全然思ってもいなかったことを言われた時、さすがに普通に落ち込むっていうか、世界の見え方がガラッと変わって、「なにをやってきたんだ」みたいな時期になったんです。音楽聞いてもなにも感じないな、みたいになって、制作もなにも進まなくなりました。今考えれば、見える世界が広がって、それに戸惑っていたんだと思います。
- それからどう持ち直したんですか?
uku kasai - たまたまマルジェラの「Artisanal」というファッションショーを見たら、もう涙止まらん、みたいになって。自分は服に詳しいわけじゃないんですけど、そのファッションショーがすごく面白くて、「似合う/似合わない」と言っていたこととも繋がってきて。ジャケットの写真を服にしたのも、そういった経緯からなんですけど。
- 「Artisanal」のなにがそんなに響いたのでしょうか?
uku kasai - 響いた瞬間は「これが響いてるんだ」と思いながら響いてたわけではなく、直感的なものだったんですが、あとから思い返してみると、自分が感じたのは「誇り」でした。それがすごく美しいと感じて……すみません、曖昧な話で。
- それは先ほど仰っていた「誠実さ」みたいなことですか?
uku kasai - そうだと思います。自分がいいと思っているものを真面目に突き詰めて作っていけば、いいということが伝わるんじゃないか、っていう希望もそこにはありました。というのも、私が普段からファッションショーを見るような人間ではないのに面白さが伝わってきたし、それってきっと、「突き詰める」という点ですごく優れているからなんだろうって。
- それからの制作は、仰るような「突き詰める」という作業だったんですか?
uku kasai - そうですね。ここは要らない、ここは要らないと削ぎ落とす作業になりました。自分の中ではわりとスッキリとした感じになったなと思っています。
- ちなみに、削るという手法とは裏腹に、今作は1stに比べて2倍弱の長さになっていますね。
uku kasai - ええっ、意識してなかったです。もう完全に無意識ですね。デモ段階から長さ自体はそんなに変わらないですし、そもそも前のアルバムをそんなに短いと思って完成させていなくて。
- その変化には、歌の割合が減ったことも関係しているのではないかと。以前の作品はやはり歌が中心にあるような構成でしたが、今作はビートだけで聞かせるパートも少なくありません。
uku kasai - 前は歌詞を先に書くことが多かったんですけど、今はあんまり言葉で言いたいことがなくなったというか……「2番のために歌詞を書く」とか不毛だな、みたいな。それは1stの時からあって、だから尺が短いのかもしれないですけど、今はもっと、必要な言葉の数が少なくなっているように思います。
それと、意図して歌を減らしたい気持ちもありました。どこか「自分はインストじゃ戦えない」という気持ちがあって、どうにか声とトラックを組み合わせることでオリジナリティを作り出そう、みたいな意識があったと思います。
- それは生存戦略として?
uku kasai - その生存戦略が今はなくなった、という感じです。というか、それは優先されるべきではないな、と。
- それより優先されるべきことというのは?
uku kasai - オリジナリティを出さなきゃいけないという意識って不要だな、みたいな気がして。3曲目の“Silver”の歌詞で〈二つでも本当〉と言っているんですけど、ずっと今まで生きてきた中で、「唯一無二であるものが最も優れている」みたいな意識がずっとあったんです。それより「あるべき姿、純粋になりたい姿を目指すことの方が重要なんじゃないか」みたいな。
- 「変わったことしてやろう」という自意識が「なるべき姿」を阻害している、ということでしょうか。自分含め、音楽オタクの界隈では「変わったこと」を至上とする価値観があると思います。ukuさんもそのような文脈で受け入れられてきた経緯があると思いますが、『Lula』はジャンルマナー的なものを獲得して間口を大きく広げたような印象があります。
uku kasai - みんなに「いい」って言ってもらいたいわけではないんです。難しいんですけど、本当に邪念なく、今自分が「いい」と思うものを求めて、こういう形になりました。
「ピカーン」というより、「じゅわーん」みたいな
- 今作ではサンプルを多用したとのことですが、3年前のインタビューの時も、「ほとんどAbleton Live内蔵のサンプルをよく使っている」と仰っていました。
uku kasai - 今作については、自分の手癖じゃないフレーズを取り入れたいという意図がありました。実は同じような手法で作ったのが、1stアルバムの“ライズ”という曲のピアノの部分で、サンプルと自分の演奏を組み合わせて作っています。あの曲は「めちゃくちゃウケが悪いだろうな」と思ってたら、そんなこともなくて、好きだと言ってくれる人も多かったので、シンプルに好評だったことはやってみようという気持ちもあり。それをもっと拡張したら、もっと面白いことができるかもしれないっていう意識で、今回も全面にわたり取り入れています。
- アルバム中のほとんどでそのアプローチを採っているんですか?
uku kasai - ごちゃごちゃですね。サンプルをそのまま貼っつけているとこもあるし、切って組み合わせているものもあるし、サンプルに合わせて自分が弾いているものもあるし。
- 歌について、歌モノでありながらサンプルのボーカルが入ってくるような仕掛けは以前の作品でもありましたが、今作でもですよね。
uku kasai - 今回は特に、自分の歌もサンプルだったんじゃないか、みたいにしたくて。それから7曲目の“製図”については、tofubeatsさんにも「サンプルみたいな感じにしてください」とお願いしていて。
- “製図”のボーカルワークは自分も気になったのですが、まずはtofubeatsさんとコラボするに至った経緯を伺いたいです。
uku kasai - 「ダンス」を軸に作ると決めた時から、このアルバムでtofubeatsさんとご一緒したいという意識がものすごくあって。私にとっての「部屋で聞いてたダンスミュージック」って、そのはじまりがtofubeatsさんだったんです。だから、このタイミングじゃないとダメだって思って、HIHATTの周年イベントが終わったあとに声をかけたら「全然いいですよ」と言ってもらえて……その後、パソコン音楽クラブさんが「tofubeatsさんに何年越しにやっとお願いした」と言っているのを見て、「やっちまった」と思ったんですけど(笑)。
- 自分としては、tofubeatsさんのボーカルが一瞬しか出てこないのには「大胆な!」と驚きました。
uku kasai - 言われてみれば、という気持ちと、そうお願いしたからそうなったな、という気持ちが……
- 勝手な意見ですが、がっつり歌ってもらった方がtofubeatsさんのリスナーも聞きにくるのでは?
uku kasai - それはtomadさんにも言われました。
- “製図”にどういう思いを込めたのか、といったことも伺いたいです。
uku kasai - だんだん他のアーティストと関わったり、考えに触れたりするなかで、「自分はこうはなれないかも」と思うことが増えてきて。遠いところでも近いところでも、漫画の主人公みたいな雰囲気の人っているじゃないですか。それでなんというか、自分のなりたい姿というものを考えるようになったんです。“製図”でtofubeatsさんが歌っているのは〈いつでもそっと光る 足元のSta(rs)〉という言葉です。「ピカーン」というより「じゅわーん」みたいに光っている、ひとつひとつの欠片を拾っていく感じでもいいんじゃないかな、と。
- それもまた、「似合う/似合わない」といった話や〈二つでも本当〉という考え方に繋がってくるようで、ある種、ukuさんが自身を認めていくプロセスとして今作があったのかなと。
uku kasai - 音楽でも、自分自身のことでも、まだ認められていない部分が多いです。なので、ちゃんと誠実に作っていきたいと思っています。
- アルバムを通して聞くと、7~8曲目は(“製図”, “hibye”)、最初から3曲目まで(“Lula”, “Clouds”, “Silver”, “v<”)と比べると、キックの存在感が大きいですよね。音量にかなりの差があります。また、両者に挟まれた“ほつれて”や“ack”がビートレスな曲になっていることから、アルバムの構成として、部屋から精神世界に入り、そしてクラブへ……という印象を受けました。その転換にあたる4曲目“v<”は、かなりトリッキーな曲になっていますね。
uku kasai - “v<”を作った時はものすごい怒ってて、なんで怒っていたかはあまり言いたくないんですけど、気づいたらああなってたっていう。その怒りを反映させたわけじゃないんですけど、ほぼ1日ぐらいでデモができた曲で。あんまり時間かかってない気がします……記憶違いで嘘言ってたらすいません。
また、“ほつれて”と“ack”は、シンプルに自分が通して聞いた感覚で「もうビートお腹いっぱいだな」みたいな感覚になったのでああしていて。“ack”も最初のデモの時はビートがあったんですけど、消しました。
今作ではずっと一貫して、「これはこうだ」みたいな決めつけをなくそうという思いがありました。入れてやろうと躍起になるのも違うし。
- アルバムの輪郭が見えてきた頃には、すでに「ダンス」というテーマから離れて、心が部屋に戻っていたと。
uku kasai - そうですね。「それでいいや」みたいな気持ちもありつつ、部屋にたぐり寄せていくような……本当は最後の曲“hibye”を1曲目に持ってくる想定で始めたアルバムだったんです。“hibye”は9月に主催したイベントを体現したような曲だと自分では思っていて、そこからスタートして物語が進んでいくはずだったんですけど、あれを1曲目にすると、どうしても続きが作れなくて。今の自分にできる外界との向き合い方みたいなものは、あの時の開き方が限界なんだな、あれがマックスなんだなっていう感覚があって。マックスを最初に持ってきたら、そりゃ制作を進むわけもなくて……なので、もう“hibye”を最後にして、開けた雰囲気で締めようと。たぶん前作も1番最後はそんなに暗い感じじゃなかったと思うんですけど、するっと明るく終わるのがわりと好きなんです。
- フロアから部屋へ、という制作時の気持ちの推移を逆転して、閉じたところから開けたところへ向かうようにアルバムにパッケージしたのですね。最後に、今後について伺いたいです。歌モノが減った今作以降はライブのやり方も変わってきそうですね。
uku kasai - シンプルに機材を触ってみようという気持ちですね。Ableton Live用のコントローラーを買ったので、それを使っていこうかなと。それと今朝、ドラムマシーンみたいなやつが届いていて、それもあります。歌に関しては、生の自分の声と音源やサンプルを突き合わせるような作業をライブでやってみてもいいのかな、と最近考えていました。
- 制作に関してはいかがですか?
uku kasai - 真面目に制作を……あ、ふたつ、今頭の中で考えているやりたいことがあって。ひとつは自分の声をサンプルとして使うこと。わりと昔からやっていて、今回だと“ほつれて”で実践しているんですけど、それを全編にわたってやってみたい。もうひとつは、家にある実機のシンセサイザーを使ってみたいです。今年は体調が激悪なんですけど、一度救急に運ばれた時に、「あれまだ使ってない」みたいな気持ちになったので、使いたいなと。
- 体調にも気をつけて……。それから今回の制作で浮かんできた「突き詰めること」や「似合わないなんてことはない」といったキーワードも、今後にも活かされそうですか?
uku kasai - 気持ちとしては「まっすぐいたいな」と思うんですけど、でも、もうたぶん、ある種の少年漫画性みたいなものは、継続してできない気がしています。それでも、「突き詰める」ということはちゃんとやっていきたいなと思っています。
- 次回作はどうなるのでしょうか? よりダンサブルな方向に行っても面白そうだなと、勝手ながら。
uku kasai - 基本的にビートが好きなので、それが完全になくなるってことはないかなと……でも、わかんないです。いきなり全部アンビエントみたいなことになるかもしれない。
- ukuさんならどの方向に行っても勝手に納得してしまいそうなところはあります。
uku kasai - 全く同じことはやらないかなと思います。
Info
Album title:Lula
Artist:uku kasai
Release date:2024/11/13(水)
https://linkco.re/Fbam9EXd
Track list:
1.Lula
2.Clouds
3.Silver
4.v<
5.ほつれて
6.ack
7.製図 w/ tofubeats
8.hibye
Mixing:Kazuki Kimura, uku kasai
Mastering:Rei Taguchi (Saidera Mastering & Recording)
Art direction : eve lantana
Photographer : hyogakangori
Support:CANTEEN
2024/12/05 THU 21:30–23:30
uku kasai「Lula」release live @DOMMUNE
LIVE:uku kasai
DJ:illequal
イベント詳細は以下URLよりご確認ください
https://www.dommune.com/streamings/2024/120502/