性を越えていく弟を15年間撮りつづけたRona Yefmanの写真集 『LET IT BLEED』

1996年、イスラエルのアーティストRona Yefmanが撮影し始めたのは、ひさしぶりに再会した実の弟Gilと過ごす思春期の記録だった。

被写体としてのメキシコ──Alex Webbのスナップ写真に見る「猥雑さ」のテクニック

カメラを手にした時、メキシコという国の、被写体としての魅力に取り憑かれる写真家は内にも外にも数多く存在する。 今年世田谷美術館で回顧展が行われたばかりのマヌエル・アルバレス・ブラボもそうであるし、先日紹介した盲目の写真家Gerardo Nigendaもメキシコが生んだ特異な写真家だ。

眼に"触れる" ─── 盲目の写真家、Gerardo Nigendaが残したヌード・フォト

わたしたちはいつも写真画像を眺める時、多くの場合、ある一つの事実を当然のように前提している。それは、「このシャッターを押した人間は、眼が見えている」という前提だ。

17歳の白と黒────Jamel Van de Pasが写す世界の色

by Yuki Kobayashi 1997年、オランダで生まれたJamel Van de Pasは、昨年の6月、はじめてのカメラ、CanonのEOS 700Dを手にした。 そのとき若干17歳。それからたった数ヶ月で、彼は鮮烈なイメージの才能を開花させた。   ...

Christopher Andersonの写真 ── 写り込むまなざしの暴力

極度にクローズアップされ、ハイキーに現像されて並べられた人々の顔は、よく見ると名のしれた政治家たちの姿。オバマ、クリントン夫妻、ポール・ライアンなど、選挙キャンペーンで檄を飛ばす政治家たちの表情は、今にも殴りかかってくるような暴力的な相貌を示している。

西欧とアフリカを同時に見つめ返す"African-European"の視線——Namsa Leubaのポートレート写真

目に焼き付いてくるような原色で鋭角な模様と、既存のフレームを無視するポージングとコーディネート。Namsa Leubaのポートレートは、わたしたちが幾多の画像の中で見慣れてきた「アフリカ」の姿からの確信犯的なズレを見せつけてくる。

ネオ空撮時代のトップフォトグラファー Marcus Lyon

空撮写真は今、新しいフェーズに突入している。廉価なドローン機器を用いたカメラ撮影はすでに欧米を中心に「空撮の大衆化」とも言える事態をもたらし、ドローン写真のみで構成される展覧会や、ドローン画像のインスタグラムなど、空撮写真界は群雄割拠の時代。 by Yuki Kobayashi だがここ...

静物たちのひそやかな反乱 ー Jiaxi Yangの写真

見慣れているはずの生活用品が、よそよそしく見慣れない姿をあらわにしながらカラフルな画面に浮かぶようにおさまっている。89年生まれの上海出身の若手写真家、Jiaxi Yangの写真だ。

何かがおかしい - 眼を立ち止まらせるポートレート Torbjorn Rodland -

Torbjorn Rodlandは、90年代半ばから活躍してきたノルウェー出身の写真家。周到に準備されたイメージで、一見綺麗な、だが「よく見ると何かがおかしい」ポートレートや風景を撮影するアーティストだ。

鮮烈なビジュアルで世界的な人気を博すTOILET PAPER Magazineとは?

TOILET PAPER Magazineは、60年生まれの現代アーティストMaurizio Cattelanが、写真家のPierpaolo Ferrariとともに2010年に創刊したイタリアのZINE。一度見たら忘れられない鮮烈なビジュアルと、ブルジョアジーの丁寧な暮らしをコケにするアイロニカルなセンスですでに世界的な人気を博している。

『地獄に堕ちた野郎ども』ジャケットで知られるPeter Gravelleが新しい作品集を発表

The Damnedのあの名作ジャケを撮影したカメラマンによる新しい作品集をリリース

冤罪現場のポートレート - Taryn Simon "The Innocents" -

入念なリサーチを通じて社会の暗部を照らすコンセプチュアルな作品で知られる写真家、Taryn Simonによる冤罪の現場のポートレート

アフリカン・ファッションの10年後の未来

イギリスのファッションスタイリストIbrahim KamaraとカメラマンKristin Lee-Moolmanのデュオが発表した"2026"シリーズが話題。
もっと見る