culture
何かがおかしい - 眼を立ち止まらせるポートレート Torbjorn Rodland -
美女を入棺する老人、無数の毛がからまったカトラリー、カッターナイフと妊婦のお腹・・・Torbjorn Rodlandは、90年代半ばから活躍してきたノルウェー出身の写真家。周到に準備されたイメージで、一見綺麗な、だが「よく見ると何かがおかしい」ポートレートや風景を撮影するアーティストだ。
by Yuki Kobayashi
社会的な期待、人々の規範、わたしたちがあらゆるイメージを観る時に作用する、「これらはこういう(風に撮られる)もの」という予期。
Rodlandは露悪的に見えない絶妙な手さばきで、人々の「見る」ことへの予期のパースをずらし、脱臼させていく。
6月にMACKから待望の新作写真集『Confabulations』が発売。巷にあふれる「ただ眼を通り過ぎていく写真」とは少し異なるポートレートを楽しんで欲しい。