【インタビュー】okadada | Slave to the Rhythm

全国各地のパーティーを揺らし続ける俊腕DJ、okadadaが東京では約7年ぶりとなるオープン・トゥ・ラストのDJ公演『MIDNIGHT EAST presents okadada - Open to Last』を12/20(土)に渋谷Spotify O-EASTにて開催する。2018年9月に代官山UNITで開催されたロングセット(約9時間!)を大成功に導いたokadadaは7年越しのロングセットでどんな光景を見せてくれるのだろうか。

ついに来週に控えた本公演にあたり、現在の彼の心境を捉えるべく話を訊く。筆者は2020年よりokadadaとともに雑談をメインとしたポッドキャスト『チャッターアイランド』を配信しているのだが、そのなかで語る多くの話題を通して、彼の“DJ哲学”に触れることがままある。ただ、ここでの“DJ哲学”とは、“DJにおいての哲学”というより、“DJを通して得た哲学”のようなもので、それは大げさに言うなら、DJで得たフィードバックをそのまま自身の考え方に還元する(そしてその逆も然り)という行為なのだと思っている。そういったDJは少なくとも自分の観測範囲においては稀少である。確認作業としてロングセットを前にokadadaがこの7年間でどんなことを考えてきたかを訊く必要がある。今週末のO-EASTに遊びに行こうと検討している方々におかれても、本稿でokadadaの現在の立脚点をキャッチしてもらいつつ、幾ばくかの期待感を持ってダンスフロアに向かってもらいたい。

取材・構成 : 高橋圭太

撮影 : 寺沢美遊

okadada - いやぁ……楽しかったなっていう。ハハハ。でも、気合入ってたなと思って。おもに客入りの面で怖いのは怖かったんですけど。とはいえ、それまで4回ぐらい大阪のSTOMPでひとりでやってみて、自分なりに“前と違うことをやろう”って考えてたことはちょっとぐらいできたかなと思います。終わってから(DJの)peechboyさんに会って“どうでしたか?”って訊かれたんで“めっちゃ楽しかったですね”って言ったら、“そうっすよね、ロングセットって楽しいだけですからね”って言ってて。それはすごくわかる。

okadada - オープン前の“はじまったなぁ、お客さん来るかなぁ”って思ってるとき。あと、終わってからの“わぁ、みんな残ってくれてありがとう!”ってとき。結局あの日は朝の8時ぐらいまでやったんですよね。ロングセットでは新しいことがあんまできないんで、結局楽しかったなって思い出しか残らないんですよねぇ。これは自分の性格かもしれないけど、ロングセットをやってもアートな感じにはならへんっていうか。

okadada - 結局それしかないんですよね。

okadada - いや、自分自身は“楽しかったな”って感じだったので、あんまないかも。ハハハ。だけど、来たお客さんにとってはなにかあったんじゃないかぐらいには思えたので、ややこしいけど、これは“あった”と強弁してもいいだろう、って感じですかね。

okadada - そんなこと思う余裕なかったかなぁ……。いや、わからん。録音聴き直したら“そういえばここはけっこう悩んだな”みたいなこともあったかもしれないけど、もう覚えてない。7年経ってるんでね。時が経ってしまえばすべていい思い出だったなっていう。

okadada - はい。(PCの画面を見ながら)これにレコードで持ってきた曲が加わる感じですね。レコードはなにを持ってったかあんまり覚えてないけど。あぁ、最初はGigi Masinからスタートしてますねぇ。こう見るとけっこう明確にブロック分けされてるっぽい。

okadada - ありますね。これ何時くらいなんやろ? たぶん3時ぐらいやと思いますね。それまでは4つ打ちでひととおりグワーッといってから、違う流れでCashmere Catかけてます。そのあとPara Oneかけて、G.RINAさんとtofu(beats)の“Did It Again”かけて、ここからブリープ・ダブみたいな時間があって、さらにオールドスクール・ジャングルにいってる。んで、また4つ打ちに戻って、ディスコになっていくみたいな。

okadada - たぶん考えてたと思う。でも“この時間になったらこうだな”みたいなことというより、手数として“こういうパターンがありえるな”みたいな。これはロングセットじゃなくても考えてるっちゃ考えてることですけど。

okadada - ありましたね。たとえばBPMをグンと落とすパターン。BPM90くらいまで、フォークや完全な生音で落とす。まぁ、こういったパターンの集積がいっぱいあるっすね。

okadada - そうですね。うわぁ、このあたりの時間帯はピークに持ってくまでに変なことやってるわ。このTonkaの曲から2ステップみたいなリズムに持っていって……音数を1曲ごとにどんどん減らしていく感じになってて。改めて見ると“やめとけ! 危ない!”って思う。

okadada - 自分的にも“ロングセットでこれぐらいできるな”っていうのはある程度わかってたと思うんですよ。べつに実験的なセットにもしたくなかったし、ひと晩通してじっくりミニマルにプレイする、みたいなこととかもたぶん思ってなかった。

okadada - わからんっすね。マジでその場でやってるから。それって“ここはあえてローを両方切った状態でもう8小節待とう”みたいなことでしょ? そこはもう考えてないです。場の空気が飽和し続けてる状態とかだったら考えるかもしれないけど、あんまり下手にちょこちょこ触らんほうが、聴いてるほうとしては楽やなとは思うんで。こうやって当日の選曲を振り返ると、このあたりはパーカッションを基調としてたり、そのあとに前ノリのアシッドでいこうみたいに、あくまでブロックごとの選曲の展開で起承転結を考えてるよね。だから細かいブロックの展開と大きなブロックの両方で見ながら波を作るようにチョイスしてたんかなと。単純に自分が踊る側だったらそのほうが楽しいってことなんですけど。

okadada - ないっすね。基本的にはこれまでかけてきた曲。STOMPでのロングセットで“この曲、かけづらいけどやってみよう”と思ってかけた曲がぜんぜんしっくりこなかったってことがあって、もうそういうのははやめようと思った。

okadada - そうそう。何度もプレイしてみてやっとかけ方がわかってくるってことはすごくあるんで、この日までにいろんな場所でプレイしてる曲ばっかりですよ、基本的には。新しいことしてもいいんやけど、結局あんまりうまくいかんやろうなという意識が毎回ありますね。

okadada - DJがはじまったら自分はもうケアできないんで、事前の音出しでしっかりチェックはして。はじまってしまったらもう徳さんにお任せみたいな感じでした。でも、だいぶ突っ込んでたという話を聞きましたけどね。徳さんがテンション上がって“もっといけるっしょ!”的な感じで。

okadada - 記録で見るとDeniece Williamsの“Free”になってますね。その前にCarios & DKXOの“year-end tax adjustment”かけてるっすわ。

okadada - そう。だからLord Echoの“Thinking of You”だったり、The Zombiesの“This Will Be Our Year”とかも終盤でかけてて。そのあと“帰れない二人”からPSGの“愛してます”。完全に自分が好きな曲かけてますね。そっからオノマトペ大臣の“S.U.B.urban”かけて、さっきの最後の2曲につなげてってる。お客さんに対してもやけど、自分自身に対してのサービスタイムって意識もあるから名曲のつるべ打ちっすね。あと、この日めっちゃ覚えてる瞬間があって。これも終盤だと思うんだけど、Moodymannの“Lyk U Used 2”の倍速のビートからUAの“スカートの砂”のイントロをハーフでつなげようと思って。で、そろそろ終わりの感じやったからループさせながらマイクでしゃべったんすよ。そしたら(DJの)DIYZさんの声が聞こえて“ナイヤビンギだ! ナイヤビンギだ!”って。“スカートの砂”のイントロをナイヤビンギやと思ったらしくて。

okadada - タイミング的にもうやってもいいかなって思って。ありがたい話で提案自体はだいぶ前からあったんですよ。ただ、そのあいだにコロナ禍もあって。会場の規模もO-EASTとなると大きいし、いろんな意味でも不安だったっすね。もともと自分でも“頻繁にロングセットやりたいっす!”っていうタイプでもない。それが最近になってやってもいいかなってマインドになってきて。こんなこと言ったら失礼かもしれないけど“ロングセットだからって特にすごいことしなくてもいいな”って思ってるのかもしれない。

okadada - そうそう。季節の挨拶ぐらいの感覚。でも、やる気はあります。“さぁ、みなさん!”みたいなんはないけど……でもこれはむずかしいね。“絶対来てください! すごいもん見せます!”とまでは言えないけど、前回の感じを踏まえたらけっこう楽しいんじゃないかなと思う。

okadada - そうっすね。でもここ何年かO-EASTでやってるイベントにぼちぼち行ったり自分でもDJするようになって、“これぐらいだったらこれぐらいできるな”っていう目算ができるようになった気もする。一昨年くらいにO-EASTで『Rainbow Disco Club』がやってたじゃないっすか。Danilo Plessow(Motor City Drum Ensemble)とかが出てて。あのときになんとなくイメージできたっすね。

okadada - 前回はパーティー全体の8割強の時間じわじわ引っ張ってできることを模索してた時期で。たとえばBPM120くらいの4つ打ちでかなり深い時間までじっくりグルーヴをキープする、みたいな。ロングセットの最適解ってやっぱりグルーヴキープだと思うんですよ。自分にとってもやりやすいし、意義が感じられやすいと思う。ただ、前回ほどそこにコンセプチュアルな意志を持って臨んでないですね。キープしている状態が基礎になるやろうなとは思ってますが。ずっとジャンル変えていくっていうのはロングセットでやる必要ないかなと。

okadada - それはそう思うっすね。歳とったのかな? もっと手放すためにやれることあるなって思ってます。

okadada - 自分のキャパシティを理解して“これぐらいしかできひんな”っていうのを自覚する、みたいな。もっとできるんだろうけど、“これはできひんなぁ”って線引きをもっとして、逆に“これしかできない”って形を突き詰める。

okadada - clubasiaのパーティーは自分にとって未知のDJってじつは呼んでなくて。かといってがっちり作りこんでしまうとだいたいおもしろくない結果になるんで、なんとなくレールだけ作っておいて行き先は不明、みたいな感じがいいんですよね。ただ、レギュラーのDJはどっちかっていうと、もっと成果を出そうって意識がある。もちろんフィードバックはあるんですけどね。

okadada - いやぁ、なんもない。ハハハハハ。

okadada - 他人から見たらあるかもしれんけど、自分ではなにも。なんか変わったかなぁ。

okadada - あぁ、それでいったらちょっと痩せたかも。コロナ禍のあとから食事が変わったから。野菜をめちゃめちゃ食べてる。昔の写真見たらぜんぜん違うなって思う。コロナのときはDJもほとんどやってなかったし、しんどかったっすね、いま考えたら。でも、さっきの話といっしょだけど、細かいブロックを重ねて大きいブロックの波になってるからさ、“おちこんだりもしたけれど、私はげんきです”みたいになるわけですよ。ハハハ。当時は普通に気分も落ちてたし、みんなもSNSでギスギスしてたし。その時期は外もあんま出れへんから、体重も増えて、起きんのがつらくって。それがイヤで痩せようと思ったのもある。まずは身体から元気にしていかないと、気分が落ち込む一方やなって。

okadada - そうそう。まずはフィジカルからって気持ちでしたね。でもいまはすごい元気。先月はトルコに旅行で行ってきて、1日平均18キロくらい歩いてましたし。DJの変化でいったら……自分でなかなかわからんっすよね。どこが変わったと思います?

okadada - そうなんかもしんないですね。でも、DJって上手くなったとかなかなかわからんくないっすか?

okadada - 外側からも“ダンスミュージックのDJ”ってイメージがある程度ついたなって思いますよ。ただ、いまだに見る場所によってぜんぜん見え方が違うんだろうなぁって思います。あと、これはほんと個人的な話だけど、音楽の趣味は当時とけっこう変わったんじゃないかな。

okadada - そうですね。ダブとかは特にそうですね。自分でもダブの作品集(CD-R『Practice Dub』)をリリースしてみたり。

okadada - どうなんでしょうね。あるんじゃないっすか、わからないぐらいの変化が。たぶん聴き方が昔と変わってるんすよ。サルサをいわゆる“エキゾ”と思わなくなったし、ハウスとおなじに思うようになった。これはめっちゃデカいと思う。ダブもいまはもっとシステマチックに見てるというか。AsparaくんとPharakamiといっしょに『トロピカル珍道中』ってパーティーを3人でやったときに、Asparaくんが“申し訳ないけど、テクノってダブなんで”って言ってて。いや、“申し訳ないけど”ってなんやねんって。

okadada - そういう感じで、ダブもサルサも構造として見るようになったなって。そうなってくると、ようやくディスコとかにつながっていくのがわかって。そこからいろんなジャンルに興味を持っていきましたね。自分はTSUTAYA DISCAS使ってて、CDをいっぱい借りてるんだけど、『AFRICA - 50 YEARS OF MUSIC』っていうコンピがあって。アフリカ大陸のここ50年の重要なヒット曲が入ったボックスセットで、18枚組。それを順番に聴いてるんですけど。南部と東部にはどういう違いがあるんだとか、ほかのジャンルとの共通点はなんだとかを網羅的に聴けるんで、それをゲームしながら聴いてたり。7年前よりそういう感じになってるかもしれない。でも、それによって選曲がガラッと変わるみたいな話ではなくって。

okadada - そうそう。だからDJへの影響っていうとわからんけど、少なくともフォーカスする部分が変わったなと思う。変わったっていうより、細かくなったんじゃないっすかね。そういう話でいうと、コロナ前かな? 新宿OPENにOG(Militant B)くんにDJで誘われたときがあって。いろいろ考えて90年代初期ハウスのサブベースが伸びてる曲をダブ的な感覚でプレイできるんじゃないかなと思っていっぱい持っていって。ステッパーズのダブって、ドンドンっていうキックの下に、ドゥドゥドゥドゥドゥってベースが鳴ってて、感覚的にはベースでリズムを取るけど、キックのほうに意識を向けたらハウスのリズムパターンに近いわけですよ。ってことは、OPENのベースに重点を置いたサウンドシステムでサブベースの伸びてるハウスをかけたらダブの感覚で聴こえるんじゃないかと。もちろんリズム自体はスイングしてるんやけど。

okadada - そうなんすよ。そういうことはいっぱい考えるようになったっすね。

okadada - ありますね。イーフー・トゥアンっていう70年代の人文主義地理学の中心人物が書いた『空間の経験』っていう本があって。それは『Space and Place』って原題なんですけど、つまり“空間と場所はどう違うのか”という話をしてて。モダン建築って空間主義じゃないですか。つまり装飾を減らしていって、完璧な空間こそがひとを作る、みたいな。でも、そういう考え方に対して“それは違うぞ”と。赤ん坊のころの経験とか、時間や言語の感覚が違う世界中の部族を分析して、“空間は経験されることで場所になり、時間はその経験によって作られる”って話をしてる。“クラブとか場所ってなんなんだろう”っていう自分の興味にかなり近いことを話してるな、みたいな感じで読んだっすね。

okadada - DJですからね。ハハハ。共通点を探すのが好きなんですよ。普通に楽しいじゃないっすか。

okadada - ここ数年、友人と集まって読書会をやってて。そこで読んでる(トマス)ピンチョンの作品に度々出てくる“パラノイア”って概念……むりやりすべての因果関係を作る、みたいな。“この文字とこの文字、似てるな”っていう思い込みからスタートさせて、最終的にうまいこと言おう、みたいな。“ベースは鳴ってないけど構造はダブなんですよ”みたいな話じゃないですか。言い切っちゃう。自分としてはそれが楽しいだけで、それでなにかを表現したいわけじゃなくって。逆に言ったら、映画や文学やったら、それをもって全体になにが表現されてるのかってとこまでいくのが評論だけど、自分にはぜんぜんその感覚がないなと思う。ただ“これとこれって似てない?”がやりたいだけ。

okadada - でも音楽ってそうじゃないですか。感覚でしかないから。音楽って、映画や文学よりも、ワインだったり香水だったりのほうが似てると思ってるんですよね。感覚のほうが強いから。

okadada - この7年間でめっちゃ変わったんじゃないですか。コロナのときに学生だったひとたちがこの3年くらいでバーっと音楽はじめたりしてるし、ダンスミュージックをやるひとの感覚も変わってきてますよね。それはいい部分、悪い部分の両方あると思うんすよ。でも最近はあんま熱心に見てないかな。普通に本とか読む時間が増えてしまったから。自分は“若いひとがやることは全肯定!”とも思ってないし全否定するわけでもない。“そりゃおもしろいひともいればおもしろくないひともいるっしょ”っていう単純なことで。とはいえ、現象として前と違うものが起きたときに、それを楽しむには自分が変わらなあかんとは思ってるんですよ。自分と似てるとこだけを探してるうちはダメやから。昔からよく言ってるけど、自分側の価値観をつねに更新するって意味で“眼鏡を拭く”ってことをしなきゃいけない。眼鏡がくもってるからキュッキュッと拭いて“これが違うのはもしかしてこういうことですか?”みたいに。

okadada - そうそう。“これってこれを無視してるからこうなんのか”みたいに思えたらいいっていうか。いつの時代もめっちゃくちゃおもしろいひとって限られてるじゃないですか。プレイヤーがめっちゃ増えても、結局はひとり増えるか増えないかぐらいやと思う。でも、そのためにプレイヤーは増えたほうがいいと思ってる。じゃあそれ以外の全部を無視できるのかっていったら、できないわけじゃないですか。そのなかからもおもしろいひとは絶対見つかるから。いい音楽も見つかる。絶対的に評価されるものだったり、自分がいまおもしろいと思うもの、それ以外をどう見るかって話なんですよ。“はい、しょうもない”って切り捨てずに、“このひとにはこういう距離感があるからこう見えてるんですね”って思ってないと、うんざりしちゃうんですよ。うんざりしたくないんで、最低限その見え方への理解はしようとは思ってます。

okadada - 前提として、自分はそれが音楽がおもんなくなった理由ではないと思う。オレがおもろいと思う状況が起きやすい場所になりづらいなって思ってるだけで。

okadada - ミラクルは起きますよ。あなたがそう思ってるなら起きます。ハハハ。でもそういうことやん。だって見出せるから。奇跡って意味のことだから、その意味を見出すのはいつもオレじゃないっていう。でも、あくまで自分がみんなに魔法をかけるわけじゃない。オレは見れると思ってないけど、そこは場所との付き合い方の問題やから。自分も一応その方向に向かってはいくけど、見出すのはみんな。ただ、オレが思うミラクルってのはDIYZさんの“ナイヤビンギだ! ナイヤビンギだ!”みたいなことで。ハハハハハ。でも、起こることってそういうのでいいやんって思う。その下にいい音楽がいっぱいあって“楽しかったよね”とか“流れもよかったよね”みたいな。自分のDJがきっかけでDJはじめましたってひともおるし、それって十分ミラクルじゃないですか。

okadada - そうじゃなくても、単純に“楽しかったなぁ”って思ってくれればそれでいい。そこはやる側とそこにいる人全員の共同作業じゃないですか。自分は流れを作れば、来てくれたひとたちが勝手に意味を見出してくれると思うから。それ以上はこっちには無理やん。あくまで自分は音楽的な部分しかケアできない。オレが映画を見せるようにプレイしたらさ、お客さんにそのとおりのものを見せることになるわけですよ。でも、ダンスミュージックって骨組みだけのものに、踊ったり聴いたりするひとの総体で意味をくっつけていくことなんで。だからこそDJ側でフロアコントロールしすぎないというか。あんまり他人の価値観をジャックしたくない。“Slave to the Rhythm”って言葉があるじゃないですか。リズムの奴隷であるのはいいけど、DJの奴隷であってほしくないみたいなことなんですよ。オレが統べたいわけじゃなくって。自分の思ったとおりにみんなを動かしたいとはぜんぜん思ってない。というか、“思ったとおり”を超えたくてやってるというか……改めて“Slave to the Rhythm”っていい言葉やな。属人性がないうえに、リズムには意味もないっすもんね。だからやっぱめっちゃいいと思う。

okadada - あぁ、集中力は減ってるかも。音楽あんま聴けなくなったもんなぁ。

okadada - そうっすね。だから適当になってる、選曲が。ハハハ。でも、集中できなくなったおかげでいい感じになってるなって思うときもありますよ。考えすぎてないから。

okadada - わかんないっすけど、よりルーズになっていくんじゃないっすか。でも素の状態って意味ではぜんぜんそれでもいいと思ってます。10年後なんてそもそもDJ続けてるかどうかも……楽しいからなるべく続けたいけど“絶対やってます!”とは言えませんね。でもDJやめないためにも飽きないように努力はしないといかんなって。楽しくないほうに向かわないようには最低限思ってるかな。

okadada - “またこれか”って思ってしまうのやったら、いちど考えたほうがいいなと思ってますね。パターン化したり、自分のなかで飽和してきちゃったなみたいなときは、立ち戻って考える。

okadada - あります、ぜんぜんあります。自分がぜんぜんおもしろいと思えなくなった、みたいなときはちょこちょこ来る。たとえば派手なブレイクがあって、ロールアップのダララララ、ダンッ! みたいなやつ、自分はぜんぜんかけてないと思う。そうしない形じゃないと自分自身がおもしろく感じれないなと。ブレイクがあって、盛り上がる大サビがあって、みたいなのって合図を出されて飛ぶっていうだけだと思うんすよ。それが楽しいっていうのはもちろんわかってるんやけど、自分はあんまやりたくないかな。もうそういう曲は意識してかけてない。あとはポップスをかけるのが減りましたね。それも意識して減らしてて。そういう曲がきらいになったわけではないけど、DJでやるにはあんまりおもしろくないから。UNITでのロングセットのころからそういうのは極力減らしてたと思う。最後のほうに“いけるぞ!”と思ってかけたりはしましたが。でも、いまは逆にまたいいなって感じがしてます。それはね、年代が変わってお馴染みの曲が変わったからやと思う。その意味ではまた違ったプレイの仕方があるなって。我々が“もういいっすわ”って思ってた曲も、若いひとがぜんぜん思ってもないところでかけたりするやん。そういうのを見て“うわっ! そういうこともありか!”って思ったりするんで。結局、自分はそういうの好きなんでしょうね。ただ、定型句みたいになってしまうと避けがちになる。

okadada - そうそう。でも、あんまりみんなが必殺と思ってない必殺曲、けっこう多いっすよ。オレのDJをめちゃくちゃ見てるひとは“毎回かけてるな”ってわかるけど、そうじゃないとわからへん毎回かけてる曲、けっこうあって。べつに盛り上がる曲ではないんやけど。

okadada - かけやすい曲、ありますよね。ブリッジ的に挟んだり、自分のなかでアベレージ出せる曲。言語化はむずかしいけど。……ここまでけっこうしゃべってきたけど、だいじょうぶっすか、今回のロングセットの意気込みとか話さなくて。

okadada - 2018年にやったときと現在ではクラブの客層が入れ替わってるんで、やる意義もあるかなと思ってるっすね。ここ2〜3年くらいでクラブに遊びに行きはじめたひともいっぱいいるやろうし、そういうひとたちにも改めて遊びに来てもらって、自分自身どうなるのか試してみたい。この3年くらいで20歳くらいからクラブ来てたひとたちが分散してきた感じがするっていうのも感じてて。みんないい意味で一辺倒じゃなくなってきたよなと思う。身内で固まってワイワイやっていこうみたいなとこから、音楽的にも広くなってきた感じというか。前ほど閉塞感が減ってきてる。あと、自分がどれくらいやれてるのかまったくわからないんで、そろそろ目に見える形で現状の自分を把握しておきたいっていうのもありますね。これでお客さん来んくてもしかたないなって思うし。自分は宣伝下手っていうのがありますけど、でもやっぱたくさんのひとに来てほしいし、いい感じにしたいから……しゃべってて思ってきたんですけど、去年ぐらいやとこういうふうには思ってなかったかも。層が固定されてて“どうせこのへん聴いてるひとは来ないっしょ”ってのを思ってたかもしれない。

okadada - 前より接続箇所があるような気がしなくもない。クラブに遊びに行っても、2年くらい前の若いひとたちって取り付く島もなかった印象があって。“もうこれしか興味ないんやな”っていう。

okadada - もちろんそれはどのジャンルもそうやし、それはそれでぜんぜんええんやけど、どこ行ってもそうやなっていう雰囲気があった。でもいまだったらもうちょい物見遊山で遊びに行ってみようかって思ってくれるんじゃいかな。いてくれたらいいなぁ。

okadada - いやいや、来てくれ! ほんまに頼むから! お願いします!

okadada - やっぱり怖いとこはありますけどね。でも、さっきも言ったけど、ちょっとだけの参加心を持ってきてくれればいいっすよ。“さて、音楽聴くかぁ”くらいの。待ってたらオレがなにか与えるわけじゃないよってことだけ理解して遊びに来てくれれば。

okadada - ハハハハハ! たしかに言ったかも! やっぱ変わってないんやな、オレは……。

okadada - じゃあ、今年はもう一歩前へ。“自分で動き出さなきゃなにも起こらない夜になにかを叫んで自分を壊せ”ってことですよ。

okadada - お金と時間に余裕があればぜひ来てください。自分も楽しみなんで。ひさびさにTシャツも作ったりするし、前にリリースしたCD-Rも増産するし、〈チャッターアイランド〉の物販とか、前回作ったポスターもアウトレット価格で売ろうと思ってるんで。……こんなもんでインタビューだいじょうぶっすかね?

Info

MIDNIGHT  EAST presents 

okadada - Open to Last -

2025.12.20 (SAT) at MIDNIGHT EAST

OPEN/START 23:30

CHARGE : 

ADV ¥3,500 (+1D)

U23 ¥3,000 (+1D)

DOOR ¥4,000 (+1D)

DJ :

okadada

SOUND DESIGN : 

Acoustic

LIGHTING :

MIURA

TICKET:

11/25(TUE) 20:00 〜 12/19(FRI) 23:59

・ZAIKO 

https://midnighteast.zaiko.io/e/okadada-open-to-last-2025

・RA 

https://ra.co/events/2311303

INFO:

MIDNIGHT EAST

https://www.instagram.com/midnight_east

※U23チケットは当日券のみの販売になります。(要顔写真付き身分証明書)

※20歳未満入場不可。(要顔写真付き身分証明書)

※客席を含む会場内の映像・写真が公開されることがあります。

※Under 23 tickets are only available at the DOOR. (Photo ID required)

※Must be 20 or over with Photo ID to enter.

※Please be aware that videos and photos during the event, including the audience , may be released.

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