Wifisfuneralが「俺はSoundCloudラッパーじゃない」と主張

SoundCloudからキャリアをスタートしたラッパーは俗に「SoundCloudラッパー」と呼ばれるが、近頃はそこにカテゴライズされることを嫌うラッパーも多い。以前はJuice WRLDが自身をSoundCloudラッパーと呼ぶファンに対して苦言を呈していたが、フロリダ出身のラッパーWifisfuneralも「SoundCloudラッパー」と呼ばれることに嫌悪感を抱いているようだ。

Wifisfuneralは先日、Twitterにて「Wifisfuneralは昔のSoundCloudのスタイルに戻った方がいい」と語るユーザーのツイートに反応。「何も分かってないな。俺のスタイルが好きじゃないならそれでいいだろ。お前らは自分たちが何もかも分かってると思ってて、俺はお前らに自分のことを説明するのに疲れたから、もうそれでいいよ。俺は自分の音楽を愛してることを証明するだけだ」と語り、続けて「それと、俺はSoundCloudラッパーじゃないからな。あれはYouTubeやその他よりも発展していたから、俺にとって音楽をリリースする適切な場所だったというだけだ」とツイートした。

彼はSoundCloudを出自に持つ上にXXXTentacionを代表とするフロリダシーンの一員であり、またフェイスタトゥーの入ったルックス、鬱なリリックやドラッグ中毒の過去も含めて「SoundCloudラッパー」らしさは十分なアーティストだ。しかし彼にとってSoundCloudはあくまで楽曲を上げるためだけの場であり、そこにアーティストとしてのアイデンティティは感じていないらしい。

「SoundCloudラッパー」というカテゴリーに対する距離感は人それぞれであり、「SoundCloudは俺はいるから存在している」と発言したLil Pumpや「俺がSoundCloudラップの生みの親だ」と主張したSmokepurrpのように強い帰属意識を抱いている者や、Wifisfuneralらとは真逆に「もっとSoundCloudラッパーと呼んでほしい」と、そこにコミットしていくことに意欲を見せる$uicideboy$のようなアーティストも存在する。

いずれにせよ、Wifisfuneralのように「SoundCloudラッパー」という枠から抜け出そうとするアーティストが増えていることからも、かつて盛り上がりを見せたSoundCloudラップシーンが過去のものになろうとしていることがよく分かる。各々の個性を模索するアーティストを簡単に一つのカテゴリーにまとめることはやめた方がいいのかもしれない。

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