$uicideboy$が「自分たちをSoundCloudラッパーと呼んで欲しい」と主張

「SoundCloudラップ」という言葉がラッパーのカテゴリーとして用いられるようになって久しい。Smokepurppのようにその起源が自分であると主張する者もいれば、YBN Nahmirのようにそう呼ばれることを嫌悪する者など、そこにカテゴライズされるアーティストそれぞれがSoundCloudラップに対して様々な距離感を持っている。ただ中には自らをその枠に含めて欲しいと感じるアーティストもいるようだ。

“Paris”などの大ヒットで知られ、先日最新作『I Want to Die in New Orleans』をリリースしたニューオーリンズ出身の二人組$uicideboy$。そんな彼らが、Complexのロングインタビューにて自分たちのSoundCloudラップに対する考え方を明かしている。$uicideboy$のRuby da Cherryは「あなた方は時々SoundCloudラップとカテゴライズされることがありますが、その言葉に対して繋がりは感じますか?」という質問に対して、「俺たちはSoundCloudラップというジャンルに入れられていないような気がする。俺たちはその中で大きな役割を果たした訳だからもっとそう呼ばれるべきだと思うんだけどね。俺が思うにSoundCloudラップについて語るとき、みんなはマンブルラップにフォーカスしすぎなんだ。でも、SoundCloudラップはデジタル時代のルネサンスだと思うから、俺たちもそこに含まれたい。俺たちもその一部だと思うから」と、SoundCloudラップに大きな影響を与えたという自負がありながらもそこにカテゴライズされないことに納得がいかない様子で、「俺たちをもっとSoundCloudラッパーと呼んで欲しい」と主張した。

SoundCloudラッパーと呼ばれることを忌避するアーティストも多い中でこの主張はやや珍しく、シーンの中で独特なポジションを確立した$uicideboy$らしい考え方のように感じられる。もっとも二人はSoundCloudラッパーのステレオタイプと言えるようなファッションや行動からは距離を置きたいようで、「その型に嵌らないようにはしている」とも語っている。

$uicideboy$の鬱なリリックとThree 6 Mafia直系のダークなサウンド、またそのスタイルはLil Peepを筆頭とするようなSoundCloudラッパーたちに大きな影響を与えたが、果たして彼ら自身が満足するほどにSoundCloudラッパーと呼んでもらえる日は来るのだろうか?

RELATED

DJ Paulが$uicideboy$について「彼らは嘘をついている」と訴訟の真意と背景を明かす

DJ PaulとJuicy Jが、彼らから多大な影響を受けたデュオ$uicideboy$に対して6億円以上を要求する訴訟を起こしたことが話題を呼んでいる。彼らがThree 6 Mafiaの音源を無断で数多くサンプリングしていたことを理由とする訴訟だが、それについてDJ Paulが真意を明かしている。

DJ PaulとJuicy Jが$uicideboy$に対して6億円以上の訴訟を起こす|Three 6 Mafiaの音源が無断でサンプリングされていると主張

鬱屈したリリックと、メンフィスを始めとするサウスのヒップホップから影響を受けたスタイルで高い人気を誇る$uicideboy$。そんな彼らが、リスペクトを表明し曲中にて頻繁にサンプリングしているThree 6 MafiaのDJ PaulとJuicy Jとの間にトラブルを抱えているようだ。

【コラム】$uicideboy$ | 鬱屈した社会の救世主か死神か

かなしい歌が流行るようになった。国内外を問わずチャートに目を向ければ喪失を歌う楽曲がずらりと並ぶ。例えばそれはHalseyの“Without Me”のような失恋ソングであったり、Post Maloneの“Wow”のような成功の中の空虚さが見える曲だったりする。

MOST POPULAR

音楽を聴いて鳥肌が立つのは特殊な脳の構造を持つ人だけが経験できるという研究結果

音楽を聴いて鳥肌が立つ、という体験をしたことがあるだろうか。もしあるならば、あなたはとてもラッキーな経験をしている。

大人になってからの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽で形成されている

私たちの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽によって形成されていると、研究により明らかになった。

Appleの重役がiTunesの音楽ダウンロードが終了することを認める

ついにその日が来てしまうのだろうか。先日発表されたアメリカレコード協会(RIAA)の2017年末の収入報告でもデジタルダウンロードの売り上げが2011年以来6年ぶりにCDやアナログレコードなどの売り上げよりも少なくなったと発表されたが、ちょうどそのタイミングでApple Musicの重役のJimmy Iovineが、iTunesストアの音楽ダウンロードが、終了する見込みであることをBBCの取材に対して認めている。