米国で初の大麻由来の処方薬が承認される

米食品医薬局(FDA)は初の大麻由来である治療薬を承認した。大麻抽出成分を含むこの治療薬『Epidiolex』は、重いてんかんの発作を起こす病気の治療向けである。

『Epidiolex』は大麻に含まれるカンナビジオールと呼ばれる成分を含む。この成分はいわゆるハイになると言われている陶酔感、高揚感などの幻覚作用を及ぼすTHCとは別の化合物である。激しい発作を引き起こす希少てんかんの、レノックス・ガストー症候群とドラベ症候群に効果があるという。FDAが大麻由来の治療薬を承認するのは初めてのことであり、アメリカで大麻を使用した初の処方薬となる。

イギリスの製薬会社GW Pharmaceuticals社は、大麻を利用した新薬開発の取り組んでおり、2016年の時点でこの『Epidiolex』が有効であることを臨床実験で明らかにしている。今年4月に米政府の諮問委員会は全会一致でカンアビジオールによるてんかんの治療を承認。そして先日『Epidiolex』を医薬品として販売するためのFDAの製造販売承認が得られたため、これから数カ月以内には米国で販売される見通しであるとのこと。

欧州では大麻由来のカンナビジオールとTHCの割合が半々の鎮痛剤はすでに流通している。『Epidiolex』の審査も現在欧州医薬品庁が行っているとのこと。

大麻は米国では州単位で合法化が進んでいるが、連邦法ではいまだに危険物質として分類されている。今回FDAが『Epidiolex』の製造販売を承認したことで、カンアビジオールは国際標準薬剤として認知されるのだが、これによって大麻の分類も変わってくる可能性も。

先週、カナダでは国全体で大麻を合法化する法案が上院を通過。今年4月には米国にて連邦法でマリファナの非犯罪化を求める法案が提出されており、全米での合法化の可能性が見えてきている。主要7カ国の中で国全体で大麻が合法化される最初の国はどこになるのか注目である。

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