Geniusがヒップホップにおけるアドリブの歴史をまとめた動画を公開
ここ数年のラップにおいて「アドリブ」は大きなキーワードの一つとなっている。「Aye」や「Skrrr」、「Bruh」などのアドリブは今や当たり前に聴かれるものとなり、Childish Gambinoが”This is America”において21 SavageやYoung Thugなどをアドリブのみでフィーチャリングしたことも話題となったが、今回Geniusがヒップホップにおいてアドリブがどのような形で発展してきたのかをまとめた7分間の動画を公開した。
動画ではJames Brownのシャウトからはじまり、Wackie’s Disco Rock BandやAfrica Bambaataのようなオールドスクールヒップホップの音源に含まれた「Huh」や「HA HA」、「Come On」といった合いの手、Kurtis Browのコールアンドレスポンスをアドリブの起源として紹介している。
そこからラッパーたちが各々のオリジナルなアドリブを発明していく様が紹介される。Missy ElliottやCam’ronのような90年代後半から2000年代初期にかけて人気を博したラッパーたちは、自らのキャッチフレーズとも言えるようなアドリブを頻繁に用いるようになっている。
動画ではサウスのラッパーたちが現在のアドリブの潮流を作ったとしており、クランクの代表的なラッパーであるLil Johnや初期のトラップを作り出したJeezy、Three 6 MafiaのDJ Paulがそれぞれトレードマークとしていたアドリブが流行したことでアドリブ自体の知名度が上がり、Gucci ManeやWacka Flocka Flameがトラップを発展させてゆくに従ってアドリブも現在のような形になっていったという。Lil BやChief Keefのアドリブも今のマンブルラッパーたちを大きくインスパイアしている。
現在はLil Pump、Migos、Playboi Cartiたちのオリジナルなアドリブを含んだ曲たちがヒットしているが、その背景には脈々と続くヒップホップの長い歴史があることがよく分かる。
動画はリリックが「Aye」というアドリブのみで作られているSYBYR(A.K.A. Syringe)の"A"という曲で締めくくられている。同曲のような批評が出てくるまでにラッパーにとって重要な要素となっているアドリブだが、今後はどのようなラッパーがオリジナルなアドリブと共に登場するのだろうか?