今年のグラミー賞候補に対する批判についてレコーディングアカデミーが声明を発表
いよいよ発表となった2021年グラミー賞のノミネート。毎年大きな注目を集めるアメリカ音楽業界の祭典だが、今回はノミネートされた作品やアーティストに対し、多くの批判や疑問、不満が寄せられている。特にヒップホップやR&Bのノミネート作については例年以上の批判の声が上がっているが、そんな中、賞を主宰するレコーディングアカデミーがこれらの反応に対し返答を行なっている。
Complexによると、レコーディングアカデミー内に今年新たに設立された「Black Music Collective」が今回の批判を受け声明を発表。「このような困難な年に、私たちの社会の中の時間で、昨日アナウンスされたグラミー賞のノミネートは世界と業界にとっての画期的かつ世界的な影響力や貢献を改めて思い出させる大胆なものでした」と今回のノミネーションの意図を説明し、「毎回の賞のサイクルと同様に、多くの決定的瞬間やサプライズ、また失望もありましたが、我々は耳を傾けています。私たちの仕事はまだ終わっておらず、時間はかかるでしょうが、より包括的であるという使命は継続しています」と述べている。
またBlack Music Collectiveは、今後グラミー賞の投票券を持つアカデミー会員に対しブラックミュージックへの理解を深めることを目指していくとのことだ。
今回のグラミー賞には今年最大のヒット作となり批評的にも高い評価を獲得したThe Weekndの『After Hours』が一切ノミネートされていないことや、今年2月に亡くなったもののドリルミュージックの流行に大きな役割を果たした故Pop Smokeが十分な評価を得られていないこと、またR&B部門にノミネートされたアーティストの多くが男性であったことなどが問題視されている。
近年のグラミー賞はヒップホップやR&Bといったジャンルが軽視されているとの指摘を受けることが多く、特に今回のノミネートは主要部門の中にブラックミュージックのノミネートが少ないように見える。実際のセールスや注目度、影響力などを考慮してもかなりアンバランスなノミネーションだが、果たしてどのアーティストや作品が受賞するのだろうか。