ストリーミングサービスにおける再生回数売買の実態が報道される|130万円の費用でYouTubeの再生回数100万回の水増しが可能?
ストリーミングサービスが多くのアーティストにとっての主戦場となった今、再生回数は人気や評価、また収入を左右する大きな指標となっている。その中でbotを使用した再生回数の偽装が問題視されることもあるが、今回、とあるマーケティング会社が語った再生回数水増しの実態が報道されている。
Geniusによると、マーケティング会社3BMDの幹部Joshua Mack氏とマネジメント会社のBlueprint groupによる電話での会話の録音をRolling Stoneが入手。そこで幹部の人物が「月に2億回のストリーミングを可能にするネットワークを持っている」と語っている模様が公開された。
Joshua Mack氏曰く、YouTubeの再生回数100万回が12000ドル(およそ130万円)で販売されており、またSpotifyやApple Musicでも同様のプランが提示されているという。また作品の初週売上のアルバム換算枚数を50%増加させることも出来るとのことで、「100曲以上のヒット曲に貢献してきた」との証言も記録されている。
3BMD社が行っているストリーミング回数の増幅の具体的な手法は分からないが、先述の記事によれば特定のプレイリストに楽曲が収録されるために金銭の取引があるケースや、botによる自動再生といった方法で再生回数の増加が行われるケースも報告されている。
ストリーミングサービスにおける収益は再生回数の割合ごとにアーティストに還元されるシステムであるため、このようなサービスの横行は他のアーティストの収益を間接的に奪う形にもなってしまう。先日SoundCloudがファンからのサポートが直接収益に反映されるシステムの導入を発表するなど、これらの現状への対応は徐々に進みつつあるが、再生回数の売買というビジネスは今後当分の間も横行することとなりそうだ。