薬物取り締まり強化と大麻使用罪の創設に反対する署名がスタート
アメリカを始めとする世界各国で大麻の所持や使用の非犯罪化、合法化が進められる昨今。ここ日本では依然として大麻の所持が違法となっているが、現行の大麻取締法では大麻の「使用」自体は禁じられていなかった。そんな中、厚生労働省が今月大麻規制のあり方を見直す有識者会議を設置し、大麻の使用に罰則を設けることを検討していることが報じられた。今回、大麻使用罪の創設、及び薬物取締りの強化に反対する署名がスタートしている。
署名はこれまでに「クラブ風営法違反事件」や「タトゥー彫り師医師法違反事件」などを担当してきた亀石倫子弁護士らが発起人となり、本日より開始。「厳罰化は誰も幸せにしない。薬物政策をハームリダクションへ転換を!大麻等の薬物取り締まり強化と『大麻使用罪』創設に反対します!」と題され、大麻や現行法では違法とされている薬物使用の厳罰化に反対することに加えて、ハームリダクションの導入を訴えている。
ハームリダクションとは個人が、合法、違法に関わらず、健康被害や危険をもたらす行動習慣をやめることが出来ないとき、その使用により生じる健康、社会、経済上の悪影響を減少させることを目的とした政策やプログラムのことを指す。現在の国際社会では、薬物問題が犯罪としてではなく、「健康問題」、「社会問題」として捉えられ健康被害や社会生活での悪影響を少しでも減らすための解決策を探るため、ハームリダクションの政策がとられることが一般的になりつつある。
例えばマレーシアでは注射による薬物使用などを原因としたHIVの感染者が2002年には7000人に達したものの、2006年にハームリダクションに転換したところ3000人に減少したこと、また台湾でもハームリダクションを導入したところ2008年までに55000人を超えていたヘロインの使用者が24000人にまで減少したという事例も紹介。
その上で薬物の取り締まり強化や「大麻使用罪」の創設は国際的な薬物政策の流れに逆行しているという問題提起がなされている。
国際社会の流れに逆行しているばかりでなく、導入するメリットも無い大麻使用罪の創設。反対する方は、是非とも署名に参加してみて欲しい。
署名はこちらから行うことが出来る。