【日本と韓国 : 隣国で暮らしてみて Vol.4 】Howlin' Bear

2000年代後半からのK-Popブームや韓国映画などをきっかけに、文化的な距離は大きく縮まった日本と韓国。K-Popも、もはやブームではなく1つのカルチャーとして完全に根付き、若年層は国内よりも気軽に韓国を旅行することも多くなり、それはまた逆もしかりで、コロナショックの前までは両国の文化的な交流は、とても盛んだった。

そしてそれはアーティストにとっても同じくで、メジャー・インディー問わずまたDJなどでも両国のアーティストがパフォーマンスをするのは、ごく自然な光景になった。FNMNLでは、さらに一歩進んで、日本から韓国に渡りキャリアを積んだアーティストや、逆に日本で生活を営んでいる韓国のアーティストに話を訊くインタビューシリーズをスタート。それぞれが隣国での生活を選んだ理由を訊く。

第四回目となる今回は、韓国の釜山で生まれ、2017年北九州の大学への留学後に音楽活動をスタートさせたビートメイカーのHowlin' Bearが登場。5lackをフィーチャーした2018年の楽曲"Everlastin'"でシーンに突如現れた彼は、その後もOZworld a.k.a Rkuma(現在はOZworld名義に変更)の傑作1stアルバムの、大半のビートを手がけるなど、今や日本のラップには欠かせない重要ビートメイカーとして注目されている。現在は東京に移り、今後より多くの注目を集めることになるだろう彼の軌跡を振り返る。

取材・構成:Erinam

撮影:寺沢美遊

 - まず、音楽活動自体はいつから始めたのでしょうか?

Howlin' Bear - 2017年ですね。今年で4年目で、本格的に音楽を始めたのも、日本に来てからで韓国では全然活動していませんでした。

- 福岡の大学に通っていたということなんですが、その時始めたんですか?

Howlin' Bear - 北九州の大学に通ってて、大学3年生で途中で事情があって休学して韓国に戻ったんですけど、その時にビートメイクを始めて、日本に戻ってきてから、アーティストにビートを提供し始めました。

 - 普通に勉強したいことがあって留学を選んでいたんですね。音楽を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

Howlin' Bear - そうですね。音楽自体は前からずっと好きで、10年以上ヒップホップも聴いてきたんですけど、休学して時間があって。ちょうど友達と一緒に購入したソフトがあって、それをやってみようかなと。最初は興味本位で、趣味ではじめました。

 - 音楽は元々ヒップホップに興味があったということですが、韓国にいたときは国内の音楽にあまり興味は無かったんですか?

Howlin' Bear - いや、韓国のヒップホップも聴いてました。初めて聴いたのも韓国のヒップホップだったし、その後から韓国のインディーズとかを探して聴いたり。アメリカのヒップホップにもハマって、ずっと聴いてましたね。

 - もともとお住まいは釜山ですよね?釜山のシーンをあまり知らなくて、ソウルはなんとなく分かるんですけど、釜山のシーンはどうですか?

Howlin' Bear - 釜山では自分が住んでいた時は、あまりヒップホップが流行らなかったんですよ。ヒップホップを聴いてると、友達とかから「なんで聴いてるの?」みたいに言われたこともあって(笑)物珍しかったみたいで。でもJay ParkのAOMGに所属しているSimon Domincがまだ有名じゃなかったときに釜山で活動してて、ライブを観に行ったこともあります。

 - 釜山にもクラブとかはあるんですよね?

Howlin' Bear - 釜山には釜山大学と慶星大学があって、大学の近くにクラブが少しありました。ヒップホップ系もありましたけど、とても少なかったです。あまり流行ってなかったですね。未成年だったのでクラブは行けなくて(笑)さっきのSimon Domincとか好きなアーティストのライブだけ観に行って。まだ『Show Me The Money』も始まってなくて、知ってる人だけ知ってる感じでした。今はめちゃくちゃ成長しましたね。

 - 韓国のアンダーグラウンドでもともと好きだった人が、今人気の番組とかでメジャーになってることについてどう思ってるのかちょっと気になっていて。

Howlin' Bear - どちらかと言うとサポートする方で、アルバムを買ったりして、憧れていたんで。アメリカのヒップホップミュージシャンと比べたら、まだシーンがそんなに活発じゃなかったから、お金に困ってるってことをインタビューとかで見ていて。「もっと良い環境になってほしいな」って思ってたんです。でも今は市場がとても大きくなって、みんなスムーズに音楽も出来て、豊かな生活が出来たり。ヒップホップドリームですよね。中学生の時に僕がヒップホップを聴いてて「なんで聴くの?」って言った人とかも聴いてるし。ヒップホップファンとしてはめっちゃ嬉しいです。

 - 韓国の音楽シーンって少し偏りがあるというか、アイドル産業も凄く大きいですよね。それについて思うところはありますか?

Howlin' Bear - 昔はそういう感じはありましたけど。BIGBANGやG-DRAGONが全面的にラップで曲を出したりしていて、上手いラッパーも今は多くなってきて。バランスはとてもよくなってきたと思います。Zicoとかは最初アイドルだったし、ZicoとかG-DRAGONのおかげでヒップホップも広がったから、今は偏ってはいないと思います。

 - なるほど。日本の音楽は韓国にいた時から聴いていましたか?

Howlin' Bear - 最初はあまり知らなかったです。日本に来てからですね。

 - 日本に来てから5lackさんの高田音楽制作事務所に自分でデモテープを送ったりしたんですよね。それはどうしてですか?

Howlin' Bear - 大学1年生のときに日本人の友達が出来て、よく家に遊びに行ったりしていて。そこで趣味の話になって、「ヒップホップが好き」って言ったら「日本のヒップホップ知ってる?」って言われたんですけど、あまり情報が無くて知らなかったんですね。その時に初めて聴かせてくれたのが5lackさんの“NEXT”って曲だったんです。聴いたら発音とかもちょっと英語っぽく聞こえるし、Curren$yっぽいなって感じて日本にもこんなカッコいい人がいるんだって知ったんですよ。「もし俺がトラック作れたらこういう人とやりたい」ってずっと思ってて、それが2、3年経ってから現実になりました。ちょうど5lackさんも福岡に住んでたので。連絡が来たのはトラックを送ってから2週間くらい後で、メールが来て。授業が終わって家のソファーで寝てて、メール見たら「5lack」「高田音楽事務所」って書いてあって、確か叫びました(笑)すぐに紹介してくれたヨネって友達に電話かけて、「ヨネ、今5lackから連絡来て曲一緒にやろうって言われた」って自慢したりしてました(笑)めちゃくちゃブチ上がりましたね。

 - その時はまだビートを公開したりはしていなかったんですか?

Howlin' Bear - その前にLick-Gくんに提供したことがありました。曲作り始めて3ヶ月目くらいにSoundCloudで見つけて、メールアドレスがあったので送って。一回目に叫んだのがその時ですね(笑)そこからちょっと自信が出て。トラックのストックが多かったので高田音楽制作事務所のホームページを探して。ファイル添付が出来なくて、わざわざYouTubeに上げて、5lackさんから、他のトラックももっと聞きたいという返事をもらったので、に“Everlastin'”と『KESHIKI』の最後に収録されている“進針”のビートを送りました。

 - それまでビートメイク以外で音楽をやっていたことはあるんですか?

Howlin' Bear - 遊びのような感じで、ちょこちょこ好きなプロデューサーのスタイルを真似たりギターを弾いたりしていたんですけど、全然ですね。ビートについてはWHITE RAINという先輩のアーティストから3ヵ月ほど、教えていただいたことがあります。その後からは、独学ですね。

 - その時はまだ大学生だったんですよね。じゃあ、デモを送った時にはもう「プロになりたい」という気持ちは芽生えていたんですか?

Howlin' Bear - はい。せっかく日本まで来て、ヒップホップの曲も作り始めたし、自分がどこまで行けるか分からないじゃないですか。好きなアーティストを想像して作ったから、せっかくだし送ってみようって感じです。5lackさんは恩人だと思います。“Everlastin'”は自分の名刺代わりになった曲でしたね。

- その後大学を卒業したから東京に来たという感じですよね。東京と福岡を比べるといかがですか?

Howlin' Bear - 東京だったら色々な人がいるしと思って、去年の2~3月ぐらいに引っ越してきたので、1年ほど経ちました。東京は人が多いですね(笑)北九州は中心に行くと人が多いですけど、大学の方も全然繁華街じゃなくて、静かすぎるというか。極端に変わりましたね。でも、これはこれで楽しいです。

 - 東京に来て音楽活動を始めてみて、東京のシーンを福岡や釜山と比べてみるといかがですか?

Howlin' Bear - 釜山は分からないですけど、福岡ではOZworldくん以外プロとも会ったことが無くて。音源でしか把握出来なかったので、実際の勢いやライブを見ると、予想していたより栄えてるなと思いました。みんなキャラクターも色々だし、知らなかったラッパーも知り合いから紹介してもらったりして、凄いと思います。

- 東京で会って印象的だった人はいますか?

Howlin' Bear - 東京に来て初めて観たライブがLEXくんのライブですね。自分がSoundCloudで聴いて、ネットで繋がって。少しやりとりしてた時期があったんです。ファンも10代の子とかが多くて、ライブもとても良かったですね。。福岡はもう少し年上のファンが多いので。

 - OZworldさんとは福岡で会って一緒に作業をした感じですか?

Howlin' Bear - そうですね。北九州で友達が主催するイベントがあって、そこで初めて会いました。多分、ちょうど一週間くらい前から気になってた人が当時はR'kuma名義で活動していたOZworldくんだったんです。"Scream RIP”って曲をTwitterで見て、「こんな人いたんだ」って。好きなラッパーが出来たら結構周りに言うタイプなんですけど、イベントを主催する人から「あ、OZworldくん来るよ」って言われたので、それで一週間前からデモを作りました。

 - 行動力がありますよね。

Howlin' Bear - ハスラーなので(笑)それで5曲くらいCDに焼いて、現場で会って緊張しながら渡しました。ちょっと見た目が派手で、最初はどうだろうって思ってビビリながら「すみませんOZworldくん」って話しかけたら。めちゃくちゃ親切で、インスタ交換してトラックあげたんですけど、最初は連絡来なかったんです。ちょうどその時は5lackさんとの"Everlastin""みたいな曲が多くて。その後からもっと彼を研究して何曲か送ったら連絡が来て。今回のアルバムに入ってる“Lucy”って曲が初めてビートを提供した曲です。

 - 1stアルバムも全曲手掛けていますよね。

Howlin' Bear - 詳しくは言えないんですけど、ちょっと色々あって音楽を続けられないぐらい落ち込んでて。ちょうどその時に電話が来て、「アルバム、全部任せてもいいですか?」って。先に2曲“OKU”とか“Peter Son”を作ってて、その後急に「全部お願いします」って言われたんですけど、「大丈夫か?」ってなりました(笑)1stアルバムだし、注目されてる新人じゃないですか。自分も卒論とかもあって結構忙しい時期だったので、どうしようって(笑)でもチャンスだと思ったし、OZworldくんと何回か作業してて、トラックを送ったら、向こうも二日以内にレコーディングをして送り返してくれて。また編曲して送ったら1日で送ってくるときもあって。結構二人ともスピードが速いので、「これなら出来るかもしれない」って進んでいった感じです。OZworldくんも連絡くれた時期に、ちょうど音楽を辞めたかったみたいで、不思議なものですよね。

 - じゃあ、OZworldさんから連絡が来なかったらその時にやめていたかもしれない?

Howlin Bear - そうかもしれないですね。一時的に、メンタルとか家族の事情とか色々あったんです。

 - さっき話しましたけど、韓国のヒップホップは凄く盛り上がってるじゃないですか。トラックメイカー的に、「韓国に戻ったらいっぱい仕事があるんじゃないか」とは考えなかったんですか?

Howlin' Bear - あまり意識はしていないんですけど、自然と日本のシーンの一員になった気がします。でも、韓国に行かなくてもメールでやりとり出来ますしね。韓国のラッパーで直接繋がった方はあまりいないんですけど、プロデューサーとかとは意外と知り合っていて、今は一緒にコラボしてトラックを作ったりしていて。自然にチャンスがあったらまたやりたいし、今は自分がいる場所で頑張りたいですね。

- 今更になってしまいますが、Howlin' Bearっていう名前はどうして付けたんですか?

Howlin' Bear - 正直そんなに意味はないんです(笑)アメリカの昔のブルースミュージシャンでHowlin' Wolfって人がいて、名前をどうしようって思ってたときに、前の名前が「Salmon...」なんちゃらだったんですね(笑)忘れちゃったんですけど。ふざけた名前にしてたのでちょっとカッコいい名前にしたくて、アーティストがどうやって名前を決めるのか調べていて、色々調べてたら、Howlin Wolfが自分の声が狼みたいだったから決めたらしくて。“Everlastin'”とかもそうなんですけど、その時は結構ボーカルをサンプリングして、ピッチを下げて使ってたんです。その声が「あ、なんか熊っぽくない?」と思って、「Howlin' Bearにしよう」ってなりました。

 - なるほど。しかもサーモンとも繋がってますね(笑)

Howlin' Bear - 適当です(笑)

 - Red Bullの『RASEN』のビートも提供してますし、ファッションウィークの音楽もやっていたり、多方面にチャレンジしていますよね。今後やってみたいプロジェクトやコラボしてみたいアーティストはいますか?

Howlin' Bear - 映画とかアニメの音楽をやってみたいですね。最近はちょっとラップもありますけど、サントラはロックとかが大半ですよね。自分が日本を好きになったきっかけが『DEATH NOTE』みたいなアニメだったんです。結構エグい話が好きなので(笑)自分のトラックスタイルとも合うと思うんですよ。『寄生獣』とか、そういうアニメがあったらやってみたいですね。映画とかも、坂本龍一とかが好きなので、そういう壮大な世界観を音で出してみたいですね。

 - じゃあ、日本文化にはアニメから入ったという感じですか?

Howlin' Bear - 一番最初は映画なんですけど、『DEATH NOTE the Last name』って映画を中学3年生のときにいとこが観ていて。CGで死神が出てくるのを観て衝撃を受けたんです。「これは漫画が原作だ」って言われて。韓国にもちょこちょこありますけど、ファンタジーの漫画を映画で再現するのが殆ど無くて、「隣の国でこういうの出来てるんだ」って。そこから日本はめちゃくちゃクリエイティブな国だって印象を受けて、憧れたんです。そこからドラマとか映画とか漫画をディグったり。

 - 最初は音楽じゃなかったんですね。他に好きな作品はありますか?

Howlin' Bear - さっき言った『寄生獣』も好きですし、『進撃の巨人』もめちゃくちゃ好きです。この間六本木で展示がやってて、行ってきました(笑)

 - クリーチャーが出る作品が好きなんですね。

Howlin' Bear - そうですね。現実にあり得ないものが好きで。『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』からも影響を受けて、トラックを作ったりしました。オーケストラのライブがあるらしくて、行ってみたいです。

- 日本の生活で大変だと思ったことや印象的だったことはありますか?

Howlin' Bear - 大変だったことは無いですけど、大学いるときにちょうど熊本で大きな地震があって、びっくりしたりしたんですけど。でも、地震にも慣れましたね。その時は一日に3、4回あったので、「揺れる...」みたいな。食べ物は日本のものが好きで、最近つけ麺にハマって店を色々探したりしてます(笑)

 - 食が合うのは良いですよね。

Howlin' Bear - めちゃくちゃ好きです。釜山も周りが海で、フェ(釜山の刺身料理)で新鮮な魚を食べれていいんですよね。なので日本の寿司も大好きですね。サーモンが好きなんですよね。夢があって、すきやばし次郎に行ってみたいんです。OZworldにも言ってたんですけど、毎日寿司が食べたい(笑)

 - 環境を変えたことによって、音楽面や表現したいことの変化はありましたか?

Howlin' Bear - やっぱり色々なラッパーがいるので、自分のトラックも色んなラッパーが使えるようにアップデートしていきたいですね。前はチル系とかハードなスタイルとか、好きなスタイルだけに集中してたんですけど、また別の世界があったので。LEXくんみたいなラッパーもいるし、JP THE WAVYくんみたいなスタイルもあるし、ラッパーが使うトラックはバラバラじゃないですか。もちろんそれを全部出来なくても良いですけど、自分の世界観を広げて、もっと色々なラッパーとやってみたいです。

 - 韓国と日本のシーンを比較して、良い点と悪い点はありますか?

Howlin' Bear - 韓国は『Show Me The Money』とか、メディアがめちゃくちゃ介入していて。一般の人々にも受け入れられてるんですね。ヒップホップもチャートインするし、色々な人に知られてるところがあって。向こうはポップとヒップホップの境界を潰すことにチャレンジしていて、色々な人が共感出来るものを作ることに熱心だと思います。逆に日本はラフなヒップホップの魅力がまだ残ってると思いますね。サウンドもそうだし、地域を代表するラッパーが多くて。自分が育ってきたライフスタイルをそのまま歌詞に入れようとするラッパーが多いですよね。

 - みんなあまり地域にこだわらず、釜山や大邱の人も成功するためにすぐソウルに行ったりする感じなんでしょうか?

Howlin' Bear - ソウルの弘大が日本で言う渋谷のようなところで、結構そこに集中しますね。もちろん他の地域にインディーの人もいると思いますけど。JTONGってラッパーも釜山を代表していて、釜山に住んでいて。でも全体的に見るとソウルが多いです。

 - 韓国で活動するか、日本で活動するかにこだわっていないということですが、語感などは違いますよね。楽曲を作る際に意識していることはありますか?

Howlin' Bear - 最初は聴いて驚くぐらいカッコいいトラックにこだわってたんですけど、最近はラッパーとのやりとりが多くなって、「良いトラック」も大事なんですけど、「良い曲」になるべきだと思っています。ラップが乗せやすい、ラップしたくなるようなトラックを最近は意識していますね。昔は楽器を沢山入れたりしていて。でも自分が満足しても、ラッパーに渡したら最初は褒めてくれますけど、結局使わないことが多くて。今は韓国人にとっても日本人やアメリカ人にとっても、聴いて「これでラップしたい」ってインスピレーションが湧くトラックを作りたいです。

 - Howlin'さん的に「良いトラック」の条件はありますか?

Howlin' Bear - 聴いたときに、何を考えて作っているのか感じられるトラックが良いと思います。大体自分もトラックを作るときにタイトルを勝手につけて送るんですね。“Everlastin'”も自分がタイトルつけて5lackさんに渡したんです。何を考えて作ったのか聴く側も分かるように。そういうバイブスを感じさせるのが良いトラックだと思います。サウンド的に細かいこともありますけど、フィーリングが大事だと思いますね。

 - ラッパーの人にデモを送るときって、「自分はこういう思いで作ったよ」ってことを言葉で説明したりはしますか?

Howlin' Bear - あくまでトラックで表現したいのでないですね。面白いのが、みんな心をめちゃくちゃ込めてるトラックを選ぶんです。「これなんか選びそう」って思ってるトラックをみんな選ぶし、「これ選ばなさそう」と思ってるトラックは選ばなくて。それがめちゃくちゃ面白くて。自分だけ盛り上がっても、向こうが共感出来ないといけないし。だから、ビートメイカーとラッパーが一緒に作業して曲が出るのは縁だと思いますね。運命だと思います。

 - ”Everlastin'”は自分の名義の作品ですが、今後もトラックの提供だけじゃなく自分のプロジェクトでも作品をリリースしたいとは考えていますか?

Howlin' Bear - いつも考えてます。Nujabesとかが韓国でも人気で、向こうにいた時から知ってたんですけど、トラックだけで人を感動させることに憧れてて。ラッパーともやりたいですけど、自分のビートをリリースすることも一つの夢で。去年の夏頃にそれを考えていて、EPみたいな感じでトラックだけの曲をSoundCloudに公開して。そういう作業もやりつつ、トラックだけで感動させる曲も作りたいですね。

 - ありがとうございました。

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