Buju Bantonが同性愛者差別として批判されてきた自身の代表曲“Boom Bye Bye”をアーティストカタログから削除
レゲエのビッグネームBuju Bantonのクラシック“Boom Bye Bye”が、彼のアーティストカタログから削除されたことが明らかになった。
“Boom Bye Bye”は1988年にリリースされヒットして以来プレイされ続けてきたクラシックだが、「ゲイの男の頭を撃ち抜く」といったホモフォビア的なリリックが長く批判され続けてきた。2007年よりBuju Banton本人も同曲を歌わないという措置を取っていたが、今回の削除によって完全に同曲を自身のキャリアから抹消しようと決断したようだ。“Boom Bye Bye”は現在ストリーミングでの配信も停止されている。
EBONYが報じるところによると、Buju Bantonは「あの曲が多くのリスナーを傷つけ、私のファンや家族、そして私自身をも傷つけていることが分かりました。様々な逆境をくぐり抜けた後、あの曲を過去の物にしてアーティストとして、男として前に進もうと決意したのです。人々には、自由に選択した人生を生きる権利があります。Dennis Brownは“愛とヘイトは絶対に友達になれない”と歌っていました。人々に平和と愛の魂を私のショーで見せたいと思っています」と発表し、曲中で歌った内容を完全に撤回することを決意したという。“Boom Bye Bye”はBuju Bantonが15歳のときに作られた楽曲であり、本来は小さな男の子を性的に暴行した犯罪者に向けて歌われたものだったことが知られている。しかし、表現の方法が間違っていたことは確かである。
ヒップホップシーンでもかつては「ゲイ」「ホモ」といった言葉が罵倒語として用いられることが一般的だったが、時代の変化に伴い殆どの音楽ジャンルで同性愛差別的な表現を行わないよう価値観がアップデートされていった。今回のBuju Bantonの決断によって新たに同性愛差別の問題について意識するリスナーが増えれば何よりだろう。