Lil Babyが「ラッパーはやったことがないドラッグや犯罪について歌うべきではない」と発言
過激な曲を作るラッパーの中には、リリックで歌われている通りの犯罪行為やドラッグにまみれた私生活を送っている者も多い。リアルであることが重視されがちなヒップホップという音楽だが、Lil Babyはそこに対して独自の考え方を持っているようだ。
フランスのメディアOklmの動画インタビュー企画に登場したLil Babyは、「あなたはSoundCloudなどで活動するインターネットのラッパーと対極にある気がします。彼らについてどう思いますか?」という質問に対し、「金を稼ぐために何でもやっていいとは思わないんだ。嘘をついて何かを売ることは、どちらかといえば俳優になるようなものだろ。ラップをするのは職業で、ビジネスだ。でも、やったことがない間違ったことを世に広めるのは賛成できない。暴力や、そもそもやったことがないことや、聞いたこともないドラッグ。これを広めるのがインターネットラッパーで、俺は賛成できないよ」と語った。SoundCloudラッパーたちの中にはインターネット上の自身のキャラクターを過激に演出するために暴力的なトピックやドラッグをテーマにした楽曲を作る者も多いが、Lil Babyは「実際に経験がないことを曲にする」という行為を問題視していることが分かる。
以前YBN NahmirがSoundCloudラッパーを「ジャンキーの奇人」と批判していたが、Lil Babyも彼と同じくキャラクター作りのために暴力を推進することに否定的だ。SoundCloudラッパーたちのアンダーグラウンドな雰囲気をクールだとする見方もあるが、作品が世にネガティブな効果をもたらす可能性も考える必要がありそうだ。
ラッパーとしてのキャラクターを形成する要素として、音楽性やラップのスタイルだけでなく実生活や育った環境なども重視されることが多い。それぞれのスタイルを模索する上で、身の丈にあったキャラクターを考えた方が良いのかもしれない。