『最後の追跡』ほかNetflixオリジナルドラマ4作品がアカデミー賞にノミネート
Netflix オリジナル作品である『最後の追跡』、『13th‐憲法修正第13条‐』、『最期の祈り』、『ホワイト・ヘルメット‐シリアの民間防衛隊‐』の 4 作品が、第 89 回アカデミー賞にて作品賞を含む計7部門にノミネートされた。
Netflix のオリジナル作品としては、過去にレオナルド・ディカプリオがエグゼクティブ・プロデューサーを務めた『ヴィルンガ』や『ニーナ・シモン~魂の歌』『ウィンター・オン・ファイヤー:ウクライナ、自由への闘い』が長編ドキュメンタリー賞にノミネートしているが、今回の4作品計7部門でのノミネートは、Netflix オリジナル作品がスタートしてから過去最多となる。
しかも『最後の追跡』は作品賞をはじめJeff Bridgesが助演男優賞を、ほか編集賞、脚本賞の計4部門にわたってノミネートされており、この作品でJeff Bridgesが『クレイジー・ハート』(2009)以来のアカデミー賞受賞となるか、全米の注目を集めている。
第89回アカデミー賞授賞式は、米国時間 2017/2/26にハリウッドのドルビー・シアターで開催される。本年のノミネート4作品と過去のノミネート3作品全て、現在Netflixで配信中なので、ぜひチェックしよう。(Yuuki Yamane)
各作品の詳細は以下の通り。
Info
■『最後の追跡』
Netflix で独占オンラインストリーミング中
作品賞、助演男優賞、編集賞、脚本賞ノミネート
『名もなき塀の中の王』『パーフェクト・センス』のDavid Mackenzie監督が、Chris Pine&Ben Foster主演で描いた衝撃のクライム・アクションムービー。天然ガスの採掘が進むテキサス西部を舞台に、家族の牧場を守るために銀行強盗を繰り返す兄弟の運命と、事件を追う年老いたテキサス・レンジャーの追跡劇を骨太に描く。102 分。
■『13th‐憲法修正第 13 条‐』
Netflix で独占オンラインストリーミング中
長編ドキュメンタリー賞ノミネート
『グローリー/明日への行進』で公民権運動を後押しするきっかけとなった「セルマの大行進」を描き、高い評価を受けた黒人女性監督Ava DuVernayが、今も根強く残るアメリカの人種差別問題と刑務所制度の関係性をするどく掘り下げたドキュメンタリー。
2016 年現在、米国の受刑者数は世界一。「大量投獄システム」のターゲットにされてきたアフリカ系アメリカ人たちの歴史を、上院議員コリー・ブッカー、活動家のアンジェラ・デイヴィス、ハーバード大学教授のヘンリー・ルイス・ゲイツ・Jr.といったアフリカ系アメリカ人の識者たちや、元受刑者たちのインタビューを交えて分析する。100 分。
■『最期の祈り』
Netflix で独占オンラインストリーミング中
短編ドキュメンタリー賞ノミネート
治療による病状の回復が見込めず末期と診断された患者たち。彼らはどのような人生の最期を迎えるのか?そんな倫理的・精神的に困難な終末期医療を決定するプロセスに真正面から向き合った短編ドキュメンタリー。
アカデミー賞ノミネート歴のあるDan Krauss監督が病院の集中治療室に潜入し、患者のために、愛する家族のために、自らの最期のために、苦渋の決断を迫られる人々の姿を追う。患者と真摯に向き合い、家族と共に「本人にとって何が最善の選択なのか」を試行錯誤する医師の姿が描かれている。24 分。
■『ホワイト・ヘルメット‐シリアの民間防衛隊‐』
Netflix で独占オンラインストリーミング中
短編ドキュメンタリー賞ノミネート
アカデミー賞候補となった Netflix オリジナルドキュメンタリー「ヴィルンガ」の監督Orlando von Einsiedelと、プロデューサーのJoanna Natasegaraが再びタッグを組んで贈る感動のドキュメンタリー。
本作は今も激しい空爆が続くアレッポで活動を続ける、民間の救助活動を行うボランティア団体「ホワイト・ヘルメット」に密着、救出現場で撮られた貴重な映像や隊員へのインタビュー映像、隣国トルコでの訓練風景などを通して、仲間たちが次々と命を落としていく過酷な状況下でも、希望を捨てずに瓦礫の中に飛び込んでいく彼らの勇姿を映し出す。40 分。