トートバッグにアラビア語で書かれた「特に意味のない」文章の意図とは?
ベルリンの地下鉄で、とある乗客が風刺の効いたトートバッグを持っている画像がTwitterやFacebookで話題になっている。そのトートバッグにはピンクのアラビア語が書かれているだけなのだが、何がそこまで人々の興味を引きつけたのだろうか?
ベルリンの地下鉄に乗っていたNader Al-Sarrasさんは、ユニークな文章がアラビア語で書かれているトートバッグを発見した。彼がその画像を英語訳とともにFacebookにアップしたところ、大反響があった。Al-Sarrasさんが訳したトートバッグに書かれていたアラビア語の文章とはこのようなものだった。
"This text has no other purpose than to terrify those who are afraid of the Arabic language."
この文章はアラビア語を恐れる人を怖がらせる以外の意味はありません。
と、これはイスラム圏への差別や偏見に対する風刺の意味が込められたトートバッグだったのだ。
このトートバッグは、29歳のSana Jammaliehと27歳のHaitham Charles Haddadが運営するイスラエルのプリントデザインチームRock Paper Scissorsによって制作された。
彼らはRPSを立ち上げたきっかけを「人間味のない、グローバルブランドの服を着るより、自分たちをレペゼンする、ローカルな何かを着たいという人がたくさんいるから、このプリントデザインチームを始めた」とメディアの取材に対して語った。
RPSの製品のほとんどにアラビア語が含まれているが、そこにはしっかりしたステートメントがあるわけではない。RPSは「アラビア語は私たちの言語であり、私たちの一部分でもあるからね。アラビア語は私たちのアーバンランドスケープの一部であるべきだと思うよ」とアラビア語をデザインに組み込む理由を答えた。
そして「(トートバッグに)何を書こうか考えていたところ、文章が大事なのではなく、フォントと言語の存在こそが大事なんだという結論に至ったんだよ」とトートバッグの制作ストーリーを明かした。
現在このトートバッグはオンラインで購入することはできないが、イスラエルのHeifaという街で、約7ドルで購入できる。