Alté Cruiseを起点とするイベント『AltéCon』の出演者が選ぶ21曲

日本で初となるAlté Cruiseを起点としたイベント『AltéCon" - Alté constellation』が12/3(火)、不眠遊戯ライオンにて開催される。

思想運動・ライフスタイルとして生まれたAlté Cruise (オルテクルーズ)はその独自のサウンドと共に独自の進化を遂げた。インターネットの波を超え、西アフリカ・ナイジェリアに限らず世界中に広がった今、図らずしも日本のアンダーグラウンドには、Altéが同様に持つ仄暗い光、オーラと煌めきを発する独立したアーティストたちが点在する。

今回、そんな『AltéCon』の出演者と関係者9名が選んだ計21曲のAlté Cruiseを紹介する。

1. Cruel Santino - HEATING ROCKS

ある日友達からビデオが送られてきて、再生して無限にハマった曲。このゲーム感と宇宙感も最高だし、身体を動かしたくなるリズムと優しい音で、子供の声入ってくるのとかもめっちゃピースで好きです。聴くと力が抜けて自然体になるし、なんか友達に会いたくなる笑 (関谷拳四郎)

これがいちばんすき。踊れるのに癒される。ソフトコア。SantiはSubaru Boysのマンガが出来たら日本で展示したいと言っていて最近完成したみたいです!SantiはTohjiも好きだから日本のヘッズに届いてほしいほんとに。(Hibicure)

2. kwes e - naij kylie

過去のカイリー・ジェンナーのような女性を憂いながら、現状のサグライフをさらっとフレックスするその表現が秀逸。最後に"We getting money together"と繰り返すが、そのシンプルなフレーズに至るまで、あらゆる表現手法で想いを尽くしてきたその対比が胸に刺さった。音楽的には、彼のガーナ出身(おそらく)というルーツと、ヒップホップキッズの一人としての側面、その両方に対する素直さが感じられ、非常に印象的だった。(Djsareo)

3. star signs - Odunsi (The Engine), Runtown

空を仰いでしまうような圧倒的な音の広がりとロマンス、本当に魔法のような3分間。ずっとこの魔法に魅せられて今日がある。間違いなく僕に最も影響を与え、このイベントの起点となった曲だと思います。イヤホンやヘッドホンで一人で聞くときの美しさ、クラブの音響の中でより身体的に感じる美しさ、両方とも感じてほしいです。(MICO)

4. MINIKINGZ - ICED OUT SUMMER

Ragz Originale, Oscar #Worldpeace, Benjiflow の3人からなるクルー(写真に写ってるもう一人はRxlls)。もともとそれぞれのソロ活動で知っていましたがl、2022年のミックステープ『ICONICY』に驚いて調べてみると、MINIKINGZはRagzを中心に始まりったジャンルを横断するプロジェクト/レーベルで、RagzはSkeptaの”Shutdown”のプロデューサーだったり... Benji、Oscarの多彩なソロプロジェクトも勿論、ジャンルに縛られないMINIKINGZのスタイルは間違いなくAltéの精神性を体現していると思います。(MICO)

5. Sinachi - darth fader

リリース頻度は遅く、WEB上の発信もかなり限定的になりがちなAltéシーンの中で、リリース、WEBコミュニケーションともに活発に行うSinachi。プロフィール上でも前述のSantiらに影響を受けたとはっきり名言していたり、それは多様なリリースでも色濃く反映されてます。(MICO)

6. Adhnok - Straight From Naija (Sped Up)

身の回りの人たちのビデオグラフやSNSのマネージャーをする裏方からアーティストへ転身した彼は、前述のOdunsiの実の弟でもあります。アフリカ諸国においても縦型動画SNSの影響は大きく、その中で作られたスピードアップバージョンが面白い!元の速度だとメローなアフロビーツなのですが、早回しにするだけでAlté音源でよく感じられるノリに変わることが純粋に面白いです。文脈の流れを感じられるので両方とも確認してほしいです。(ライブ映像がかっこよくてそれにやられました)(MICO)

7. MAUIMØON & La Soülchyld - SUPAWHAT

Altéの定義を知ろうとするほど複雑に感じていた中、この曲が収録されたアルバム『From Uganda With Love』(2023)はAltéの精神や愛を正面から受け取った気持ちにさせてくれたし、隅々までロマンチックで艶々でうっとりしちゃいます。この機会に判明したのが、シンガーソングライター名義がMAUIMØONで、プロデューサー名義がLa Soülchyldとのことで、長らく別の人物と思っていたので感動で膝から崩れ落ちました。(MIWA(不眠遊戯ライオン))

8. Mansur Brown - Kerene

Altéと言えば拡張、浸透、頭上に広大かつ深みを持って、夜という時間に存在し続ける星空の様なサウンドのイメージ。アフロビーツやダブ、グライムなどのMansur Brownが持つ様々なルーツと共に音を探究し続ける姿勢もAltéの精神性に合致している。(Fumi)

9. Sango - Here with Me

これはマスト。当日もこのノリ。(Fumi)

10. Cruel Santino, Len - 4ever

高校の友達がOdunsiとSanti を教えてくれてどハマりして当時FNMNLのAlté特集読んでました。主催のMICOとも高校同じでやっとここで繋がった!嬉しいです。(Hibicure)

11. Cruel Santino - FTR

2021年に名古屋の『XROSS CULTURE』にE.O.U(京都出身のDJ、プロデューサー)がスタイリングで呼んでくれてSubaruのサイクルジャージを着せたんだけどそん時に流してくれた曲、FTR(Futuristic Rider)は未来的だけど民俗的でもある、E.O.Uも未来と田舎を併せ持ってて好き。(Hibucure)

12. Oshunda, EbEE - Kiss And Tears

13. Oshunda, Yoyou & bloatedfaith - OK faiya demo

サビでface my fearsって言ってて勇気の出る曲。OshundaにYoyouを聴かせたらビート送ってきてYoyouも即声乗せてきて...!! OK faiyaという曲です、ジャケはおれがやりました(Hibicure)

14. MISOGI - DREAMER BOY feat. Odunsi (The Engine)

まさかmisogiとやると思わなかった!Odunsiはjeterのaroued town (kim j remix)が好きらしくkim jとも曲作ってたり予想外の動きしてくる。(Hibicure)

15. NexXtthursday, Quavo, Lil Yachty - Sway

今年の10月に初のアルバム『WSYG』をリリースしました。アルバムを制作する中で自分はどこから来たのか、何がしたかったのかって立ち返ることがよくあって。今日から2010年代中盤あたりまでザーッて記憶を辿ってったら、"Sway"めっちゃ聴いてたこと思い出した。そん時から個人的にブームな曲。CashMoneyAPのドリーミーなメロビートもだけど、NexXthursdayとフィーチャリングラッパー2人のどこまでも下品なFlexリリックが良い。服に時計、ジュエリー欲しいもん全部買っちゃうとか新車乗り回して、酒、ビッチがどうのこうのみたいな。この精神は絶対的にオレの中にあって、これからもあり続けるはず。下らないけどお気に入りの曲だから聴いてみて。(Lillie)

16. Cruel Santino - MERMAID AQUA

Alté Cruiseの中でもCruel SantinoとOdunsi (The Engine)は個人的に特別で。彼らの作品はどれもAltéを語る上で外せないのだけど、中でもCruel Santinoが2022年にリリースしたアルバム『Subaru Boys: FINAL HEAVEN』はアフロビーツ、R&B、ヒップホップは勿論インディロック、クラウドラップ、ゲーム音楽の影響が彼にしかできない配合で美しく融合した、既存のアフロミュージックへのオルタナティブを標榜するAltéの精神性を表した1枚だと思っています。(Stupid Kozo)

17. The NATIVE Sound System - Honest (with Teezee, Knucks, Show Dem Camp)

ナイジェリアの音楽雑誌The Nativeがパーティーやフェスティバルを主催していく中で、音楽コレクティブとして形成したThe NATIVE Sound SystemのアルバムNATIVE WORLDからの1曲。まずコードが大好物。私を知る人なら皆Kozoが好きそうなコードと言うはず。(笑)
Teezee、Show Dem CampといったAltéお馴染みメンバーのレイドバックしたフロウ、終盤の泣きのギター、言うことなしの1曲です。(Stupid Kozo)
参考:The NATIVE Sound Systemインタビュー
https://guardian.ng/life/native-sound-system-building-a-sonic-world-for-artistic-freedom-2

18. Dexus Ogawa - 脳内Turbo

Altéというのは精神性や文化運動、そして個々人のルーツ、影響、センスのフュージョンのことを指すのであって、必ずしも特定の音楽のスタイルやサウンドを指すわけではないと分かりつつも、やはりAltéクルーの音楽が自分に刺さるのは、メロウなコード、洗練されたミニマルなドラム/パーカッションワークにある訳で。そのAltéのロマンチックで艶っぽいサウンド、という意味ではDexus Ogawaは彼/彼女らに似たような空気を纏った数少ない日本人アーティストだと常々感じてます。と、サウンドの連帯感を重視して選んだものの、改めて考えると、彼の日本歌謡とR&Bのフュージョンの様な艶って、実はとてもAlté的フュージョン感かもと深読みしてみたり。(Stupid Kozo)

19. Tochi Bedford - raining On Me

Cruel SantinoやAmaaraeのプロデュースも手がける彼の2023年のアルバム『Half Blue』。本アルバムは彼の作る曲の中でも極めて、Alté Cruiseの色が出ているアルバムだと思います。彼の楽曲はHip-Hop、R&Bの要素も強く、このアルバムもオルタナティブな中にそれらの要素がうまく融合している作品です。(HIKARU)

20. Dizzy - MeyTonight

YDIZZY(過去名義:diZZy)は思想、表現力、センスが楽曲に強く表れており、オルテの精神性を感じるアーティストだと個人的には思っています。メロウな楽曲に彼の独特なリリックと歌声が、東京に似合う一曲。Taichi Kimuraさんが撮るMVは幻想的でトータルでAlté Cruiseを感じる作品だと思います。(HIKARU)

21. AYLØ, Santi - wys?

AYLØは2016年にOdunsiとの楽曲"Situationship"で表れてから、Altéのシーンに登場しました。2017年のアルバム『Insert Project Name』では、Amaarae、Hamzzaiなども参加し、注目されるきっかけとなりました。Santiとの楽曲"wys?"のMVは若干チープながら、Samsung Nigeriaとのコラボしており、映像では若々しいSantiの姿もあって個人的に好きです。(HIKARU)

このイベントで輝く星をつなぐように、ストーリーを見つけてほしい。

【参考】
Alté cruise - “Represented left-field styles of thinking through music, fashion, politics, tech and the arts. Alté started as a rebellious response to a traditional way of thinking, but it was most popularised by its genreless sound. ” (Makua Adimora, The NATIVE, 2023)
オルテクルーズ - 「音楽、ファッション、政治、テクノロジー、アートを通した、主流から離れた思考スタイルを指す。アルテは、伝統的な考え方に対する反する思想運動として始まったが、そのジャンルレスなサウンドによって最も広まった。」(Makua Adimora, The NATIVE, 2023)

Info

"AltéCon" - Alté constellation
12月3日(火) 22:00-05:00
https://ja.ra.co/events/2023997

-Live-
Lillie
関谷拳四郎

-DJ-
Djsareo 
Hibicure
Stupid Kozo
Fumi
MICO
HIKARU
deibeato

-OPEN-
22:00-

-Music Charge-
¥2,000

-Address-
不眠遊戯ライオン Music Bar Lion
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6丁目19-17 GEMS神宮前 7階
7F GEMS Jingumae Bild. 6-19-17 Jingumae, Shibuya, Tokyo

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