Jay-Zがアリゾナ州フェニックスで警察から銃で脅迫を受けた家族のために弁護士を雇う

アメリカでは、警察による有色人種への差別や不当な取り調べが長らく問題視され続けている。先月、アリゾナ州フェニックスである家族が警察によって理不尽な取り調べを受けた上に銃で脅迫された事件が発生し、その解決のためにJay-Zが動いているようだ。

被害にあったのはフェニックス在住の男性Dravon Amesと彼の婚約者Lesha Harper、そして彼らの4歳の娘の三人。家族でスーパーマーケットに出かけ買い物をしていたところ、両親の知らぬ間に娘が店の商品のオモチャを持ち出してしまい、そのまま帰ろうとしたところ警察によって追跡され、自宅の前で銃を持った警察官に脅迫を受けた。Lesha Harperは娘を抱きかかえている上に妊娠していたが、それにも関わらず警察は彼女に手を上げるよう怒号を浴びせている。

XXLによると、家族は警察に対し1000万ドル(約10億円)の裁判を起こし、問題の警察官による児童虐待を追求する姿勢を見せているという。そのニュースを受けて、Jay-Zが彼ら家族をサポートするために弁護士を雇うことを発表している。

Jay-Zが家族のために雇った弁護士はAlex Spiroで、過去には21 Savageが移民税関局によって不当な拘留を受けた際に同じくJay-ZとRoc Nationによって派遣されたことでも知られている。21 Savageの一件においては見事彼の釈放を勝ち取っており、実力は本物であると思われる。

フェニックス市の市長は今回の事件について「他の皆様と同じく、私も動画で見たフェニックス警察の家族に対する接し方にうんざりしています。あれは完全に不適切かつ職業倫理に反するものです」という声明を発表している。

レーベルとの契約問題を抱えていたLil Uzi Vertのためにもいち早く動くなど若手アーティストに積極的なサポートを行うJay-Zだが、音楽業界だけでなく人種を理由とする不当な扱いを受けた人々のためにも行動を起こす辺りに、彼がシーンのトップに居続けられる理由があるのだろう。

RELATED

【コラム】 Asian Hate Crimeを知る | アメリカで何が起きているか?

東アジア系と思しき老人が歩いていたら、フードを被った男性が後ろから近づいてきて、いきなり殴り倒した。1月、カリフォルニア州サンフランシスコとオークランドの路上で別々に起きた、よく似た事件を捉えた防犯カメラの映像が、SNSを席巻した、これを見て、体内の血が冷えるような思いをしてから2カ月。ジョージア州でアジア系が経営するマッサージ店など3店舗を立て続けに狙った乱射事件がおき、アジア系の女性6人と白人の男女一人ずつ、8人の死者が出る惨事となった。

Jay-Zがマリファナビジネスに参入するマイノリティをサポートする基金を立ち上げる

昨年、自身のマリファナブランド「Monogram」を立ち上げたJay-Z。そんな彼が、新たにマイノリティが経営するマリファナのスタートアップ企業に投資するための基金を立ち上げたことが報じられている。

Megan Thee StallionがJay-Zからホットな女性になるためのアドバイスを受けたと明かす

Cardi Bとの大ヒット曲“WAP”や先月発表された新作『Good News』など、押しも押される勢いで活動を続けるMegan Thee Stallion。そんな彼女が、自身の所属レーベルRoc NationのオーナーであるJay-Zから貴重なアドバイスを受けたことを明かしている。

MOST POPULAR

音楽を聴いて鳥肌が立つのは特殊な脳の構造を持つ人だけが経験できるという研究結果

音楽を聴いて鳥肌が立つ、という体験をしたことがあるだろうか。もしあるならば、あなたはとてもラッキーな経験をしている。

大人になってからの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽で形成されている

私たちの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽によって形成されていると、研究により明らかになった。

Appleの重役がiTunesの音楽ダウンロードが終了することを認める

ついにその日が来てしまうのだろうか。先日発表されたアメリカレコード協会(RIAA)の2017年末の収入報告でもデジタルダウンロードの売り上げが2011年以来6年ぶりにCDやアナログレコードなどの売り上げよりも少なくなったと発表されたが、ちょうどそのタイミングでApple Musicの重役のJimmy Iovineが、iTunesストアの音楽ダウンロードが、終了する見込みであることをBBCの取材に対して認めている。