U2のボーカルBonoが「今、怒りを表現している音楽はヒップホップしかない」と悲しむ

バンドU2のボーカルBonoが、最近ヒップホップしか若者の怒りを発信している音楽が無いと悲しんでいる。彼はそれはロックの役割であるべきと言う。
今年はヒップホップがメインストリームで活躍した1年であった。チャートをヒップホップが埋め尽くし、大衆が認めるジャンルとなったことを示した。U2のボーカルBonoは、一種のエネルギー溢れる活発なアーティストがラップばかりであったことを快く思っていないそうだ。

『Rolling Stone』のインタビューでBonoは、内なる怒りをクリエイティヴに出せる場所は今ヒップホップだけであるという現状に納得していないと語った。「音楽はだいぶ女の子っぽくなってしまったな」とBonoは嘆いた。男らしく、快楽主義という性質をロックは失ってしまったという。

「いい側面もあるかもしれないが、現在若い男の怒りを表現する場はヒップホップにしか無く、それは良くない状況だ」と語るBono。父親同様バンドマンであるBonoの息子のElijahは「ロックンロール革命はターニングポイントを迎えた」と思っているそうで、Bonoもそれには同意している。

ヒップホップはポップカルチャーと関わるようになり大衆に認知されるようになったが、一方ロックはチャートのトップに登ることがなくなってきた。U2はKendrick Lamarなどのヒップホップのアーティストとコラボもしているのでヒップホップが嫌いなわけではなく、ロックが力を失っていくことを悲しんでいるのだろう。

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