「ハリケーンに向かって発砲しないように」とフロリダ州の保安官が呼びかけ

米フロリダ州に上陸したハリケーン「イルマ」。ネット上で「ハリケーンイルマに向かってみんなで発砲して、ハリケーンを迂回させよう」と呼びかけるFacebookイベントが登場。それを真に受けたフロリダ州の保安官がTwitterで「ハリケーンへの発砲をしないように」と呼びかけている。

ハリケーンイルマがフロリダ州に上陸した際の最大瞬間風速は47メートル。都市の一部が冠水し、250万戸以上が停電。すでに3人の死亡が報告されている。

フロリダ州に住むRyon EwardsとZeke MurphyはFacebookに「ハリケーンイルマに向かって発砲しよう」というイベントページをジョークで設立した。フロリダ州を襲うハリケーンイルマに向かってみんなで銃で発砲することで、ハリケーンを迂回させようと冗談で立ち上げたこのイベント。なんとこのページ予想以上に拡散され、5.5万人が興味ありボタンを押し、2.9万人が参加するボタンを押した。

ただのジョークとして始まったイベントだが、あまりにも多くの参加表明が集まったことや、フロリダ州は合法的に銃を保持できるため、実際に行動に移せる人が多いことを危惧し、現地の保安官事務所はTwitterのアカウントで「ハリケーンに向かって発砲をしないように」と警告。

「はっきりさせておく。イルマに向かって銃器で発砲しないこと。ハリケーンを迂回させることはできないし、危険な二次災害を生んでしまう」

「人々の99%は常識もあり、人の話を聞くが、私たち法執行機関が相手をするのは残りの1%の人達だ。残り1%の彼らにこの警告を届けたい」とフロリダ半島パスコ郡の郡保安官Chris Noccoは語る。冗談のイベントでもそれをジョークで済まさず本当に行動に移してしまう少数の人に向けて警告したいようだ。

イベントを立ち上げたRyon Edwardsは保安官のアカウントが警告を出したことを受けて、「これを冗談だと分からない人がいることが驚きだ」さらに、「このイベントへのクールな反応を見れて良かったよ、でも世界の約半分の人は命を救うための皮肉を理解できないんだと学んだ」とFacebookに投稿。

BBCのインタビューでRyon Edwardsは「ストレスと退屈が合わさって、このイベントを作ることにしたんだ」と明らかにした。

今回のRyon Edwardsが立ち上げた「ハリケーンに向かって発砲しよう」イベントページが多くの反応を得たことを受けて、他にもハリケーンイルマ関連のジョークイベントが次々と登場。

4万人が興味ありボタンを押した「みんなで腕を高速でまわして風邪を起こしてハリケーンに対抗しよう」イベントや、6.9万人が興味ありボタンを押した「みんなでフロリダ州を押してハリケーンの経路から移動しよう」イベント。「ハンドスピナーを時計回りに一斉に回してハリケーンを打ち消そう」イベントなど便乗で様々なジョークイベントが立ち上げられている。

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