UK発のラップミュージック、グライムの新時代を切り開く3人のMCを紹介する

ラジオから彼のラップが聞こえてこない日はない Jammz

Jammz @jammzthemyth at RADAR RADIO @radarradioldn, 2015 by Jun Yokoyama @yokoching

A photo posted by Jun Yokoyama (@yokoching) on

イースト・ロンドン出身のJammzは、ハードとポップなフローを変幻自在に操り、2時間のラジオセット飽きさせない。思わず口ずさみたくなるフックを作ることに長けている。

Ginuwine feat. Aaliyah のR&Bチューン”Final Warning”を再構築したJammzの同名曲は昨年、シーンの注目を集めた。

今年もEP “Underdog Season Vol.1” をリリースする傍ら、トラックメイカーとしても300枚限定のレコード”Keep It Simple/The World”をソールド・アウトさせるなど、インディペンデントな制作を続けている。

This is London living, London Life,
And everyting's moving quick, but I love that, that's what London's like
You might see me about in east with my hat low, Jammz is a London guy
Rolling around the bits but I ain't in rush, I'm moving on London time

これがロンドン・リビング、ロンドン・ライフ
全てが速く流れる、それが好きなのさそれがロンドンらしさ
ハットの俺をイーストで見るだろう、俺はロンドン・ガイ
軽く流しているけど慌てちゃいない、俺はロンドン・タイムで動いてる

もちろんグライムシーンにはSkepta、JME、Stormy、Wileyを擁するBoy Better Knowをはじめとする多くの才能あるMCがシーンを賑わせているが、今日紹介した3人がグライムシーンの中心にいるのは間違いない。

文: 米澤慎太朗 (DJ Sinta)

グライムプロデューサーデュオ「Double Clapperz」のメンバーとして都内を中心として活動中。この夏はソウル、ロンドンの現場で日本発のグライムサウンドを届けるなどグローバルな動きを見せている。

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