Nonameが「私はJ. Coleが言うような時代のリーダーじゃない」と苦悩を明かす

先日、J. Coleの新曲“Snow On Tha Bluff”の中でディスとも取れる言及を受け、それに対するアンサーとして新曲“Song 33”をリリースしたNoname。Black Lives Matter運動に十分にコミットすることが出来ない苦悩を明かしたJ. Coleに対し、NonameはJ. Coleによる自身に対する言葉が不当であること、また女性やトランスジェンダーが暴力を受けている現状を厳しく告発した(J. ColeとNonameのやり取りについての詳細はこちらのコラムを参照して頂きたい)。今回、先述の出来事を経たNonameが改めて自身の抱える苦悩を明かしている。

Complexによると、Nonameは現在削除されたツイートの中で「Coleがあなたを“彼女はこの時代のリーダーだから”という理由で連れてきたのなら、フォローを外して欲しい」と発言。続けて「私はリーダーなんかじゃない。私は混乱している黒人で、みんなと同じようにこのクソみたいな状況を理解しようとして、難しい本を読んでいるだけだよ」とした。

そもそもJ. ColeがNonameに対する言及を行なった理由は、彼女がTwitterで「有名なラッパーがBlack Lives Matterへのサポートを行なっていない」と発言したことだった。J. Coleはこれを自身への批判と受け取り“Snow On Tha Bluff”をリリースした訳だが、後にNonameのことを「この時代のリーダーだ」と称賛する旨をツイートした。

先日の一件によってNonameは本人の意図せざるところで「時代のリーダー」という役割を担わされてしまったこととなり、発端となったツイートも含めてNoname側にそのような意志があるわけではなかったことが苦悩の原因なのだろう。彼女が“Song 33”をリリースした後に「後悔している」と語っていた事実も、苦しみが窺えるものだ。

ラッパーとして高いスキルを持ち、“Song 33”では単なるアンサーに留まらず彼女が持つ思想を見事に表現していたNoname。彼女にとって好ましい展開をもたらすものではなかったJ. Coleとの一件は、今後も尾を引くこととなりそうだ。

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