【リレーコラム】新型コロナウイルスと私たちの生活 by 徳利|REVO!REVO!REVOLUTION!

新型コロナウイルスに置ける情勢下、人々の生活が目まぐるしく変化している現在。クラブやライブハウスのみならず、アーティストを含め音楽シーン全体が様々な影響を受けているのは明白な事実である。

この企画はアーティストに「今どのような生活を送っているのか?」をテーマにコラムを執筆してもらう全4回の短期連載である。第3回目は、先月7年の構想を経て、満を辞してファーストアルバム『REVOLUTION』をリリースし、勢いに乗るラッパーの徳利。

文:徳利

REVO!REVO!REVOLUTION!どうも!徳利です!

構想から七年、制作に二年半ほどかかった渾身のファーストアルバム『REVOLUTION』をリリースしてから早いものでもう一ヶ月が経とうとしている。その間に日本でも新型コロナウイルスの感染が拡大し、緊急事態宣言も発令され、日々ヘビーなニュースが目まぐるしく流れるようになった。

かく言う自分も出演を予定していたイベントが中止になり、水面下で色々と準備していたリリースイベントも告知に至る前に延期になってしまった。気合充分にぶちかます予定だったのでとても残念な気持ちである。とはいえ皆同じ状況であり、なんでこんなことにとは言っていられないのは百も承知だがやっぱり落ち込む。

家ではというと、YouTube、Netflix、Amazonプライムビデオ等を見ながらだらだらしてしまっている。ようやく観た『シン・ゴジラ』、めちゃくちゃ面白かった。なんで今まで観てなかったんだろう。これは映画館で観たかった。映画館と言えばミッドサマーを観たのが遠い昔のようだ。あとは食事。とにかく米を炊いている。一回の食事で二合は食べる。食べている時はテンションが上がる。そして洗濯。一番生産的なことをやっている気分になれる。めちゃくちゃ当たり前のことを言っているだけな気がするが。

元々部屋にいるのが好きだとは思っていたが、つくづく外ありきの家なんだということを痛感する。こんな生活をしていると大学を卒業して福岡の実家で引きこもっていた頃を思い出す。その時はリビングのソファの後ろのスペースを間借りして寝起きするただの無職の孤独な若者だったが今は違う。徳利として東京で這いつくばって生きていかなければならないのだ。今こうして一人で生活できている事自体かなり奇跡な気がする。本当に。

徳利といえばオシャレ好き、みたいなところもあるがそれも全然やる気が起きない。部屋を見渡せばうんざりするほどの膨大な服。出窓のスペースに置いてあるテレビも服に埋もれてしまっていてもう随分と電源を入れていない。というか手も届かない。Tシャツもスニーカーもこんなにあってどうするんだ。圧迫感が半端ない。全部自分が買ったんだけれども。そうこうしてるうちにヤフーオークションで何となく落札した派手なパンツが届いた。今絶対いらない、派手なパンツ。結局いつものスウェット上下にダウンジャケットを着ている。まだまだこの部屋は寒い。

こんな状況になる少し前、終電まで迷って結局行かなかったあのイベントに行っておけばよかったなどと後悔したりする。思えば後悔ばかりの人生だった気もするが考えていても暗くなるばかりだ。いや、考えなければならないのは間違いないのだが暗くなっても仕方がない。

閉塞感漂う日常ではあるが、徳利にまつわるアイデアはできるだけ逃さないようにしている。曲になりそうな些細なフレーズでも思いついたらボイスメモに録音したり、インスタグラムのストーリーに上げたり、映像に残したり。REVOLUTIONの収録曲ですでに撮影を終えて、編集待ちのMVもある。新曲も映像もどんどん作りたい。少しでも希望のあることを考えていたい。

年ほどやっている『Knee Crisis Radio』というPodcastも相変わらずマイペースに続けさせていただいている。熊本在住の相方のD山から出てくる話も自然とコロナウイルスの話題になる。どこも大変なのは同じようだ。とはいえすぐにいつものくだらない話になるのだが。録音している間は窮屈な日常を忘れることができる。素直に続けてきてよかったと思える瞬間である。

快晴の日があるとコロナウイルスなんてなかったんじゃないかと思ったりもする。それでもやっぱり人通りは少なくて、近所の店もシャッターが降りている。そういえば福岡に住む母も心配だ。皮肉にもこういう状況になったことで久しぶりに電話をしてみた。とりあえず大丈夫とのことで一安心。もう若くないのでくれぐれも気をつけてほしいと思う。

これから先どうなるか分からないが、いつかまた晴れてステージの上に登場することができた時は、一皮も二皮もズルむけていたい。その為にこれからも徳利としてREVOLUTIONし続けていく必要がある。Fly Awayという曲の中で、きっと乗り越えられることしか起きないから大丈夫、と徳利も歌っている。そうだと信じたい。

皆さん。健康第一で。必ずまたお会いしましょう!

 

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徳利

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