【メールインタビュー】Clairo │ただ音楽が大好きなだけ

YouTubeで公開した"Pretty Girl”のMVをきっかけに注目を集め、昨年ファーストEP『diary 001』をリリースした1998年生まれのシンガーソングライターClairo。

弾き語りやベッドルームでの宅録から瞬く間に音楽性の幅を広げ、『diary 001』ではインディーポップ、ヒップホップ、R&Bなどジャンルの垣根を超えた自由なスタイルを見せた。今の10代〜20代の感覚を捉えたキャッチーな楽曲、そして独特の脱力感が早耳な音楽ファンの間で支持を集めている。

そんな彼女に今回、3月6日(水)にShibuya WWW Xにて開催される来日公演に合わせてメールインタビューを行うことができた。

取材・構成 : 山本輝洋

- 自室での宅録から次第にスタイルを進化させていき、バンドセットでのライブも活発に行うようになったと思いますが、ライブを始めたことで自分の中に起こった変化などはありますか?

Clairo - ライブを行う前は、自分の声をどの様にお客さんに伝えればいいか分かりませんでした。ツアーを始め、ライブをする機会が増えたことで、ゆっくりとパフォーマンスを行うことを学んで行けたと思います。全てを逆の順番で学んだ感覚がありましたが、やっと追いつけたかと思います。

- あなたの音楽からはインディーロック、R&B、ヒップホップなど様々なジャンルからの影響を感じますが、日々音楽を聴いたり作ったりする上でどのような要素やテイストを持つ楽曲が好みですか?

Clairo - 最近はDelegation、Deb Never、Public Image Ltdをよく聴いています。私はどんなタイプの音楽にも影響は受けていますし、自分の作品には自然に反映されます。私は何も強制するのは好きじゃなく、ただ音楽が大好きなだけだと思います。

- 特に強い影響を受けたアーティストは誰ですか?

Clairo - Amy Winehouseです。彼女は常に堂々と彼女自身であり、私は日々彼女のようになろうとしています。

- “4EVER”のMVやあなたのInstagramにはよくあなたの友達が登場しますよね。いつも彼らを見てとてもクールだと思っているんですが、彼らとの関係はあなたの音楽にどのような影響を与えていますか?

Clairo - "4EVER”のMVに携わった人は皆とても仲の良い友人です。シラキュース大学1年生の時に、自分にポジティブな影響を与えた人たちを撮ろうと思いました。家族や友人は自分の人生において一番大切なもので、私はその部分も見せたいとずっと思っていました。学校の友人はいつも私が私自身であることを許してくれました。彼ら・彼女らは常に支えてくれ、新しい音やスタイルを追求するのに素晴らしいスペースを作ってくれました。彼ら、彼女らの周りにいると、受け入れられた感じがします。

- 同世代のアーティストやあなたの友達で、「是非とも日本のリスナーに紹介したい!」という人がいれば教えていただけますか?

Clairo - 聴いた方がいいと思うアーティストはArthur、Turnstile、Yves Tumorなどです。彼らの音楽を聴くのは止められません。一回止めようと思ったのですが、やめられませんでした(笑)

- SoundCloudには「DJ BABY BENZ」として“DONEWITCHU”、“BITCH!”、“Lilwaynesworld”などユニークなテーマのミックスをアップロードしていますよね。今後DJとしても活発に活動していきたいと考えていますか?

Clairo - SoundCloudでミックスを作るのは趣味として始めました。家から学校までの通学が車で20分だったので、その間に携帯を触らないように20分のミックスを作ってました。これはすぐに自分の音楽の趣味を表現する一つになりました。特にラップにおいては。ラップは私にとって凄く大切で、Soundcloudを使って注目を浴びるべきアーティストをリスナーに伝えられることは凄く嬉しいです。いつかDJもしてみたいです。まず上手くならないといけないですが。

Clairo

- Dazedに登場したりキュートなツアーマーチャンダイズを作ったりと、ファッションにも強いこだわりがあると思います。特に好きなブランドやスタイルに影響を受けた人物、カルチャーなどはありますか?

Clairo - スタイルは私にとって重要ですが、一番気にしているのは、どれだけ心地よく、楽ができるかです。寝られない服を着ても意味がないと思います。

- 今年は『diary 002』をリリース予定ということですが、『diary 001』と比べてどのようなところが変化した作品になりますか?

Clairo - 次のプロジェクトは今までで最も重要なもので、前回のプロジェクトから大きな飛躍となります。どの様に受け取られるかは緊張しますが、これらの曲に私がかけた時間と労力は認めてもらえると思います。楽しみです!

- 今回が初の来日公演ですが、日本で行ってみたい場所や食べてみたいものなど、何か楽しみにしていることはありますか?

Clairo - 日本でライブを行うのは待ちきれないです!奈良公園にはずっと行ってみたかったですし、とにかく東京を回りたいです。アジアに行くのは初めてのことで、この様な場所でライブができるのはとても嬉しく思います。

- ありがとうございました。

Info

日  程:2019/3/6(水)
出  演:Clairo
会  場:Shibuya WWW X
時  間:OPEN 18:30 / START 19:30
料  金:前売¥5,000(税込 / ドリンク代別 / オールスタンディング)※未就学児童入場不可
チケット:
・先行予約:12/22(土)10:00〜1/10(木)23:59 ※先着
受付URL:http://eplus.jp/clairo-wwwx/
・一般発売:1/12(土) 10:00〜 e+、ローソンチケット[L:70239]、チケットぴあ[P:139-175]、iFlyer、WWW店頭
問い合せ:WWW X:03-5458-7688
主催・企画制作:WWW X / Live Nation Japan
協力:Hostess Entertainment

公演詳細:https://www-shibuya.jp/schedule/009799.php

RELATED

【インタビュー】maya ongaku 『Electronic Phantoms』| 亡霊 / AI / シンクロニシティ

GURUGURU BRAIN/BAYON PRODUCTIONから共同リリースされたデビュー・アルバム『Approach to Anima』が幅広いリスナーの評価を受け、ヨーロッパ・ツアーを含む積極的なライブ活動で数多くの観客を魅了してきたバンド、maya ongaku

【インタビュー】Minchanbaby | 活動終了について

Minchanbabyがラッパー活動を終了した。突如SNSで発表されたその情報は驚きをもって迎えられたが、それもそのはず、近年も彼は精力的にリリースを続けていたからだ。詳細も分からないまま活動終了となってから数か月が経ったある日、突然「誰か最後に活動を振り返ってインタビューしてくれるライターさんや...

【インタビュー】Tete 『茈』| 紫の道の上で

長崎出身で現在は家族と共に沖縄で生活するTeteは、今年3枚の作品を連続でリリースした。

MOST POPULAR

【Interview】UKの鬼才The Bugが「俺の感情のピース」と語る新プロジェクト「Sirens」とは

The Bugとして知られるイギリス人アーティストKevin Martinは、これまで主にGod, Techno Animal, The Bug, King Midas Soundとして活動し、変化しながらも、他の誰にも真似できない自らの音楽を貫いてきた、UK及びヨーロッパの音楽界の重要人物である。彼が今回新プロジェクトのSirensという名のショーケースをスタートさせた。彼が「感情のピース」と表現するSirensはどういった音楽なのか、ロンドンでのライブの前日に話を聞いてみた。

【コラム】Childish Gambino - "This Is America" | アメリカからは逃げられない

Childish Gambinoの新曲"This is America"が、大きな話題になっている。『Atlanta』やこれまでもChildish Gambinoのミュージックビデオを多く手がけてきたヒロ・ムライが制作した、同曲のミュージックビデオは公開から3日ですでに3000万回再生を突破している。

Floating Pointsが選ぶ日本産のベストレコードと日本のベストレコード・ショップ

Floating Pointsは昨年11月にリリースした待望のデビュー・アルバム『Elaenia』を引っ提げたワールドツアーを敢行中だ。日本でも10/7の渋谷WWW Xと翌日の朝霧JAMで、評判の高いバンドでのライブセットを披露した。