Travis Scottのヒットチューン"Antidote"は売り上げの半分がサンプリングライセンス費用になっていた
Travis Scottが2015年にリリースしたアルバム『Rodeo』に収録され、大ヒットしたシングル"Antidote"。このシングルのサンプル使用料に売り上げの半分を支払っていたことが共同プロデューサーのEestboundのBeat Starsのインタビューでわかった。
Beat Starsのインタビューによると、"Antidote"のサンプリングソースであるLee Fields&The Expressions.の"All I Need"を使用する際、Travisは作曲印税の半分をLee Fields&The Expressions.に渡していたという。
トロントを拠点とするプロデューサーEestboundは、"Antidote"がリリースされた当時の状況を振り返る。
.@eestbound breaks down how he got the "Antidote" beat to #TravisScott (@trvisXX) in this exclusive interview with @BeatStars + @DJPain1 ? pic.twitter.com/FIR4tPb355
— BeatStars (@BeatStars) 2017年6月14日
Eestboundは開口一番に「変なやり方だった」と説明する。「Travisが"Antidote"をサウンドクラウドにリリースした時、俺たちは何の契約も交わしていなかったし、何も知らされていなかった。そして、リリースされた後、それが問題になったんだ」と不満をこぼす。さらに、「サンプルのアーティストがTravisに楽曲の売り上げの50%を支払うよう言っていたが、Travisは最初にそれを明らかにしてなかったんだ。50%の支払いなんて良い方だよ。みんなは売り上げの75%とよく言ってる。Travisもそうすべきだった」と語った。ただ実際のところサンプリングライセンスは大抵売り上げの10~15%程度が多いのは付記しておきたい。
"Antidote"はリリース後、Billboard Hot 100で最高16位にチャートインし、3度のプラチナム認定される等Travisを代表する楽曲の1つとなった。ストリーミングが勃興する今、ラッパーの活躍とは裏腹に、ヒットソングの裏にはプロデューサーが問題や苦労を抱えることも少なくない。今回の件は、Travisだけでなく、ビートを作る人々にとって重要な事件となったといえる。(野口耕一)