「Ayy」というフロウがどうやってヒップホップでトレンドになったのかを明かすムービー

歌詞サイトのGeniusが1本の興味深いムービーを公開した。それはいわゆるマンブルラッパーと言われる若手たちが、多用する「Ayy」というフロウが、どうやってヒップホップに広まっていったかというものだ。

ムービーでは一般的にLil Uzi VertやPlayboi Cartiなどのマンブルラッパーと呼ばれるラッパーたちが使うとみなされている「Ayy」というフロウをDrakeやChance The Rapper、Kendrick Lamarも使用していることが示される。 確かに「俺らがマンブルラッパーだ。語尾で"yeah"と言えば、ライムなんて関係ない」と語るLil Uzi Vertのような考え方のラッパーは、まだ少数派だが「Ayy」というフロウ自体は、多くのラッパーが使用している。 ではこうしたいわゆるアドリブを積極的に使い始めたのは誰かという疑問が湧く。ムービーでは2000年代前半にJuelz Santanaや、Jeezyがアドリブを使用していることも示されるが、今の使われ方とは違うとも指摘されている。

ではLil Uzi Vertや少し前だとFetty Wapに代表される今のアドリブの使い方は誰から派生したものなのか、それはChief Keefだ。Keef自身は昨年はLil Uziなどを批判していたが、最近になって彼らに影響を与えたのは自分だと認めたようだ。 Keefが2014年にリリースした楽曲ですでに「Ayy」というフロウを取り入れているのがムービーでは紹介されている。またKeefはなぜ「Ayy」というフロウを使用するのかについて、あるツイートを行っている。

2014年のツイートでKeefは「亡くなったおじさんが語尾と文頭に「Ayy」とつけていたんだ」と説明している。おじさんの口癖が、今やヒップホップシーンのメインになろうとしているのだ。 現在の流れを作ったのはKeefかもしれないが、さらにムービーではFutureの2011年の楽曲“Gone To The Moon”や、2009年のOJ da Juicemanの“Make The Trap Say Aye!”などもあげられている。

さらに遡ってThree 6 Mafiaが2000年にリリースした楽曲"Maffia Niggaz"で用いていた"Yeah Hoe"というフロウも近いものがあると指摘されている。

誰が本当のオリジネイターかを指摘することは、難しいかもしれないが、「Ayy」という突如発生したかのような無意味なフロウにも、歴史が存在することを証明したというだけでも、大きな価値があるだろう。

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