21 Savageがドラッグの問題などでベテランが新世代のラッパーを批判することを非難 | 「おれたちをスケープゴートに使うな」

Lil Peepがオーバードーズが原因と思われる突然死を遂げてから、ヒップホップシーンではドラッグとラッパーの関係を問い直す動きが出ている。

Lil Uzi Vertはザナックスなどのドラッグを摂取するのをやめたと語り、アンチ・ドラッグを標榜するRussはラッパーたちが自身のプロモーションとしてSNSにドラッグを使用しているイメージをアップするのをやめるよう諭した

そのRussの意見に対しては若手ラッパーのSmokePurppが、Peepの死を自分のイメージアップに使うなとの批判が出ていたりと、様々な角度から意見が出ている。

そんな中21 SavageがTwitterにある文章を投稿した。

21 Savageの文章は「なぜ多くのベテランラッパーたちが新世代のラッパーたちを評価するのか?」という一文から始まっている。そして旧世代のラッパーたちは新世代のラッパーをドラッグを売る音楽ではなく、ドラッグを使用する音楽であり、まだ前者の方がマシだと考えていると21は続け、「それに一体なんの違いがあるんだ?」と疑問を呈す。

さらに21は70年代からミュージシャンはコカインを吸引していたけど、それを忘れたのか?と続ける。つまり旧世代のラッパーたちは、新世代のラッパーたちがドラッグを吸っていることで、ティーンなどに悪影響が出ると批判するが、そんなのは昔からのことだと21は述べているのだ。

批判する代わりに「この状況をどうやって変えるんだ?」と21は問いかけ、こう続ける。「前の世代のラップがとてもいいものだったとしたら、なぜ多くの親がおれたちを見捨てて、コカインに走った?なんでおれたちはまだお互いを殺し合っている?おれたちをスケープゴートに使うな。おれたちの音楽は、今おれたちのコミュニティーで何が起こっているかを反映している。おれたちは自分の才能を使って、そのコミュニティーから逃げているんだ」と21 Savageは一連の文章を締めくくっている。

21は自分たちの世代の問題というわけではなく、綿々と続いてきたヒップホップないしブラック・アフリカンの、さらにはアメリカという国の問題を表面化させているのが、自分たちの音楽であり、旧世代のラッパーたちが自分たちにだけ責任を押し付けるのはお門違いだと主張している。

この主張はトランプ政権に全ての責任をなすりつけるのは間違った行為だというJoey Bada$$の主張とも通じるところがあるかもしれない。

ラッパーたちは自身の状況を曲にするが、それは自分たちだけの問題ではなく、そのコミュニティーに根付いてきた構造的な問題なのだという21の主張は一理あるだろう。

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