【スペシャルフォトレポート】HOT 97 SUMMER JAM TOKYO 2017 | 初冬の東京を熱くしたヒップホップフェスティバル

FEATURED  2017.11.17  FNMNL編集部

ニューヨークの老舗ヒップホップ専門ラジオ局HOT 97が主催するイベント『SUMMER JAM』が、今年も東京にやってきた。会場を昨年のZepp Tokyoから新木場のStudio Coastに移し、11月11日(土)に行われた同イベントは、昨年のそれに劣らない、ヒップホップの最先端を感じられるものとなった。本稿では、この日ステージに上がり、それぞれのかたちで存在感を示した7組のアーティストのアクトを振り返りたい。

取材・文 : 奥田翔

写真 : Jun Yokoyama, Seiya Uehara

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kiLLa

先陣を切って登場したのは、東京・渋谷を拠点としてアジア各国で人気を誇るクルーkiLLaだ。観客めがけてペットボトルの水を撒きながら、強気なフックが印象的な“SHINE”でパフォーマンスを開始する。BLAISEの“SUIMASEN”にあたってはコール&レスポンスも行い、徐々にクラウドを味方につけていく。所狭しとばかりに5人がステージを動き回る様子は、彼らのアジア各国での活躍を想起させる。最後は「真ん中を開けろ」と言ってステージから飛び降り、YDIZZYのヒット曲“BMW”を披露。海外アーティスト目当てのファンが多いなか、文字どおり“HOT”な『SUMMER JAM』の火蓋を切った。

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JP THE WAVY

続いて、キャッチーな楽曲群で人気を誇るJP THE WAVYの出番だ。出し惜しみすることなく“Cho Wavy De Gomenne”で登場かと思いきや、なかなか姿を見せず、一曲が終わってしまう。クラウドを焦らしに焦らしたJP THE WAVYのパフォーマンスは、"一斉送信"で幕を開けた。緑のセットアップ・ジャージにドゥーラグの彼は、続けざまに“Ya Ya”や"金が降ってきたらいいのに"、"ビッチと会う"といった曲を披露。オーディエンスも耳に残るフックを被せる場面が見られる。最後には「最初練習したから大丈夫っしょ」という言葉の後に、お待ちかねの“Cho Wavy De Gomenne”。そう、最初に流れた同曲は、このための伏線だったのだ。

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Awich

日本のアーティストのトリを飾ったのが、8月にアルバム『8』をリリースし、高評価を得ているAwichだ。物憂げな“Interlude (Good Reception)”が流れたかと思えば、おずおずとしない強気なヴァイブを纏い“WHORU?”をスピットしながら姿を見せる。かと思えば、続く“Crime”で官能的な雰囲気を演出するなど、多才さを見せつけ、観客を魅了していく。所属するクルーYENTOWNをレペゼンして“WHOUARE”も披露するが、この日最大のサプライズは、“Jah Love”に客演しているYomi Jahこと娘のToyomiちゃんの登場であった。目線を合わせて彼女に語りかけるように自らのヴァースをラップする様子は、デイイベントでしか目にすることのできない貴重なものだ。最後にはKANDYTOWNのYOUNG JUJUを招き、人気シングル“Remember”を披露し、十分に温まった会場を海外勢に託した。

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A$AP Twelvyy

海外勢のトップバッターは、A$AP Mobの注目株A$AP Twelvyy。8月にデビュー・アルバム『12』をリリースした彼は、同作収録の“Ea$TSideGho$T”や“Periodic Table”、“Diamonds”といった楽曲でタイトなラップの技量を見せつける。さらに、A$AP Mobの楽曲である“Xscape”や“Walk On Water”も披露。“A$AP”コールの後“A’s up”と言って“A”のハンドサインを上げるようクラウドに要求するTwelvyyからは、自らの所属するクルーをフルにレペゼンする姿勢が伝わってくる。

その後もA$AP Mob楽曲ラッシュは止まらず、一緒に来日していたA$AP TyYをステージに招き入れ、“Hella Hoes”を披露。A$AP Fergが客演の“Hop Out”では、リズムに合わせてクラウドが一斉に飛び跳ねて会場を揺らす。さらに、TyYにステージを明け渡し、彼が“Trump”を披露する場面もあった。終盤には自らがこれまで歩んできた道が平坦なものでなかったことと、ファンへの感謝を口にすると、ストラグルをテーマにした“L.Y.B.B. (Resolution)”をパフォームした後、“Yamborghini High”で一昨年急逝したA$AP Yamsを追悼し、ステージを締めくくった。

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Young M.A

続いて、全身真っ赤な衣装に身を包んだブルックリン出身のYoung M.Aが登場。まずは2015年のEP『Sleep Walkin』から“Get This Money”を披露する。リリックを聴かせることにこだわりがあるのか、“EAT”ほか数曲では後半にビートを止め、アカペラでラップする場面も見られた。フックの無い、ヴァースだけの曲が多い彼女だが、丁寧かつ力強いラップは観客を徐々に惹きつけていく。

ステージを歩き回りながら「今日はレイディーズのためにまだ何もやってないな」とつぶやくと“HennyNHoes”をパフォームしたり、「私らは口だけじゃない、実行するんだ(We don’t talk that shit, we walk that shit)」という言葉の後に最新シングル“Walk”も披露したりと、MCと曲のつなぎもバッチリだ。最後はライトを灯すようクラウドに呼びかけ、もちろん人気シングルの“Ooouuu”。“I call her Headphanie”の合唱は、ここ日本でも見事に決まった。アグレッシブなラップとは裏腹に時折人懐っこい笑顔を見せる彼女は、最後にステージ上からセルフィーで記念撮影し、ステージを去っていった。

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Kid Ink

パーティーも終盤に差し掛かり、日本でも絶大な人気を誇るLAのラッパーKid Inkのステージが幕を開ける。黒いスタジャン姿でスキップしながらステージに姿を現した彼が1曲目に選んだのは、“Money and the Power”であった。スタジャンを脱ぐと、ハローキティがプリントされた白いロングスリーブTシャツを着用している。縦横無尽にステージを動き回りながら、手始めに“Hotel”や“Body Language”といった2015年のアルバム『Full Speed』からのシングルを披露すると、続いてSteve Aokiらの“Delirious”やOMIの“Cheerleader”といった客演曲もパフォーム。ジャンルに囚われない彼の活躍ぶりは、ライブでも健在だ。

しかし、この日一番の見せ場は、Ty Dolla $ignを客演に迎えたシングル“F With U”と、リリースから4年経った今もクラブでヘビー・プレイされているChris Brown客演のシングル“Show Me”だったといえよう。2曲でトップクラスのシンガーと相性バッチリのラップを見せつけると、会場は大きな歓声に包まれた。パフォーマンスを終えると、バックDJがかけるAyo & Teoの“Rolex”で踊りながらキティちゃんのロンTを脱ぎ、クラウドに投げ入れるというサービス精神を発揮した。

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Jeremih

そして、いよいよ大トリを務めるJeremihのステージである。ドラムやキーボードがセットされたステージ上では、JeremihのオフィシャルDJであるDJ Cuzzoが、アリーナをこっちは左サイド、こっちは右サイドといった具合に3分割し、歓声の大きさを競わせる。会場の期待が高まるなか、Jeremihのステージは“Down On Me”で幕を開けた。2009年のデビュー以来、客演を含め数々のヒットを放ってきたJeremihは、自身のディスコグラフィから“Planez”や“Break Up To Make Up”といった人気曲を歌い上げる。また、自らが客演するNatalie La Roseの“Somebody”やDJ Khaledの“Do You Mind”といった楽曲もパフォームし、後者ではキーボードも演奏してくれた。

そんなJeremihがこの日最も観客の心を掴んだのは、「この曲で俺の人生は変わったんだ」と言って披露したデビュー・シングル“Birthday Sex”と、『Late Nights』からのシングル“oui”だ。前者では、この日が誕生日だという女性を2人ステージに上げると、人目も憚らずワイニー。後者は長めに披露し、絶妙なアレンジを加えたパフォーマンスは、会場にメロウなヴァイブをもたらした。Ty Dolla $ignの“Dawsin’s Breek”を終えてJeremihがステージを去った後も、「パーティーはまだ終わらない」とばかりにDJ Cuzzoが“Bad & Boujee”と“goosebumps”をかけ続け、季節外れの『SUMMER JAM』はイベント名どおりの熱狂のうちに幕を閉じた。

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イベント翌日、「去年の5倍の規模にはできなかったけど」とDJ LEAD氏は悔しさを見せたが、メインストリームのヒップホップの熱さと楽しさを存分に体感できる一日となったことは間違いない。毎日のように新作リリースが続くヒップホップ界から、来年はどんなアーティストが来日し、どんなパフォーマンスで我々を魅了してくれるのだろうか。楽しみに待ちたい。

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HOT 97 SUMMER JAM TOKYO 2017
日程:2017年11月11日(土)
会場:新木場スタジオコースト

LIVE
JEREMIH / KID INK / YOUNG M.A /A$AP Twelvyy /
AWICH / JP THE WAVY / kiLLa

PERSONALITIES
EBRO DARDEN / PETER ROSENBERG / LAURA STYLEZ / NESSA

DJS
DJ KAST ONE / DJ LEAD / DJ MAGIC / DJ JUANYTO

SUPPORT DJS
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