Matsumoto Hisataakaaとokadadaが選ぶ「影響を受けたミックステープ5本」
dj colaboyと申します。主に京都metroにてHOMESICKというパーティを主催しております。来たる6月3日に『IT TAKES TWO』と題しまして、okadadaくんとMatsumoto Hisataakaaさんの二人会を開催します。これは大阪のclub stompにてokadadaくんが、Matsumoto Hisataakaaさんを、二人でパーティがやりたい、と誘っているところにたまたま居合わせた私が場を提供することになり、開催と相成りました。今回、このパーティを開催するにあたりプロモ用としてミックステープ「okadada & Matsumoto Hisataakaa / IT TAKES TWO」を制作。そのことにちなんで二人に影響を受けたミックステープを5本ずつ選んで貰いました。
「ここらで一度ヒップホップをちゃんとやりたい」とはokadadaくんの談。彼曰く「先生的な存在」であるMatsumotoさんと二人でのヒップホップを中心としたプレイをたっぷりと楽しめる一夜になりそうなので、ぜひ遊びに来て下さい!
構成: 横山純
取材: dj colaboy
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Matsumoto Hisataakaaに影響を与えたミックステープ
1.BRUCIE B/mixtape (1990)
KID CAPRIもBIZもRON GもTONY TOUCHも全部好きですけどDJ MIXとSHOUTの組み合わせで「MIX TAPE」というパッケージにした最初のDJはこの人だそうです(お金をもらって依頼者の名前のシャウトが入ったDJ MIXを作ってたとか)。「ROOF TOP JOINTS」の話やらDJ HOLLYWOODとかSTARCHILDとかLOVE BUG STARSKIらとわちゃわちゃやってた話とか、海外のちょっと歳上のB-BOYの「思い出話」と一緒ににこの人のテープをちょくちょく聞かせてもらいました。
2.FUNKMASTER FLEX & BIZ MARKIE/LIVE AT TAVERN ON THE GREEN
SIDE-A
SIDE-B
今回okadada君と作ったテープの元になった作品。おなじみのTAPE KINGZからのリリース。ストレートなHIP HOPはもちろんREGGAEやR&BやMIAMI BASS、SLOW JAMSなんかも入っていてとても格好良いです。海外から来日していたDJをよくクラブに聴きに行きましたが新旧HIP HOP、R&B、REGGAE、HOUSE、DISCOをうまーいこと一晩でかけるってのをよくやってて「あー。ほんまにこうやるんかー。」って感心ました。90分の中にそういった雰囲気がしっかり入っていて素晴らしい内容です。あと実際にTAVERN ON THE GREENって行ってみると結構な高級レストランで「えー嘘やん」ってなったのも良い思い出。
3.RUSSIAN HIP HOP KILLAZ INSTRUMENTAL ENSEMBLE/ENTA THE BREAKS
2017年2月リリースの比較的新しい作品。Bandcampでのデジタルリリースなんですがカセットテープも100本リリースされていて1本購入してみました。ロシアの古いレコードをサンプリングして制作された懐かしい質感のトラックが30分づつ収められています。ただのビート集にせず所々にボイスサンプルを入れるなど細部の作り込みも楽しく「MIX TAPE」としてとても楽しめます。パッケージの作り込みもVAPOR WAVE以降なのか強いこだわりが感じられて素敵な一本です。ドイツはHIP HOP好きな人が多いですね。買い付け時に「ドイツ人が買っていった」って言葉を聞いてがっかりすることも多いんですがこの作品を「なるほどな」と思いました。
4.STRETCH ARMSTRONG & BOBBITO/WKCR STRETCH ARMSTRONG & BOBBITO SHOW
最近になってDVDがリリースされ再び一緒に活動もしている、カレッジラジオから有名になったコンビですね。彼らの番組の録音をダビングしたテープもたくさん聴きました。これから店頭に並ぶであろう新譜をチェックしたり、ゲストで出てくるMCのフリースタイルをそれはもう楽しみに聴いていました。放送時間は3時間くらいあったようで当時テープで聴けたのは番組のほんの一部でしたが本当に楽しく聴きました。のちにレコードにもなったQ-TIPとMAD SKILLZのフリースタイルなんかはとても印象に残ってます。来日したお二人にはサインをいただいたりもしました。子供だったんで。
5.LATIN RASCALS/SATURDAY NIGHT MASTERMIX DANCE PARTY
NYのKISS FMのラジオ番組を録音したミックス。もう伝説。90年代に入ってからもAPOLLO JAMSなんかがカセットで流通させてました。友人にダビングしてもらったテープで初めて聴いた時はかなりびっくりしました。パッケージもののMIX作品が流通する以前のラジオ番組の録音やブロックパーティーのライブ録音のテープは衝撃的に良いのがたくさんありました。今はそういった録音物をインターネットでたくさん楽しめるのでとても良いですね。
okadadaに影響を与えたミックステープ
1.DJ KOMORI / monthly fruits シリーズ
2000年代初頭、その月に出たHIPHOP,R&Bの新譜レコードをKOMORI氏が毎月コンパイルして出していた大人気シリーズ。現在はEDMを中心としたオールミックスのDJ集団となって大人気のsugarbitzがまだmixtapeレーベルだった頃の看板商品である。86年生まれの僕がお店でmixtapeを買うという行為をはじめてする時、当時最も親しみやすく入りやすいシリーズがこれだったと思う。おそらくはじめて買ったmixtapeはこれのどれかだった。
当たり前だがインターネットが無い時代におけるmixtapeは、とかく新譜がたくさん聞けるというだけでとてつもない価値があった。しかしこのシリーズが人気だったのはそれだけではなく、毎月出る新譜をきちんと一本にまとめあげるKOMORI氏の腕にその理由があったことは間違いない。AB両面にパンパンに詰まった今月の良い曲をKOMORIさんのmixで聞けるのは、反対にする時にもわくわくしたものです。
2.DJ Kay Slay 諸作品
当時のNYのトップDJである。古いヒップホップになじみの無い方にはあまり分からないかもしれないが「ヒップホップは曲の最後を爆発の音で締める」というヒップホップあるあるを最初に聞いたのはKay Slayのmixだった。
前述の通り当時のmixtape(徐々にCDに移行していた)はとにかく「新しい曲が聞ける」というカタログである事に大きな意味があった。だから当時のアメリカの人気DJは、カタログとしてつなぎもほぼ無く新曲が満載されたCDを毎週のように乱発していた。自然、そういった理由で曲の終わりは爆発音のあと「DJ KAY SLAY!」みたいなシャウトが入りまくる、という構成になる。これが当時友達とおかしくて仕方なく爆発音で終わるたびにみんなで爆笑していた。良い思い出である。
3.Mighty Jam Rock / Journey into jamaica
大阪の老舗サウンドシステムMighty Jam Rockのmixtapeである。私は田舎者の上不勉強にて、当時あまり他にレゲエのmixtapeは多くなかったように思うが、これは大変に良いテープだった。確か僕が持っていたのは5番と6番だけですが…
サウンドシステムならではのジェットコースターのようにたたみかけるミックス、豪華で勢いのあるダブプレート、時にチークタイムのようにかかるスロウなレゲエなどサービス満点。田舎侍でラジオやミックスでヒップホップDJの方法論しかまだ知らなかった私には大変新鮮でした。
4. ulticut ups! / party groove(CD)
mixtape5本という企画なのだが多分私が持っていたmixtapeは全部合わせても20本無かったと思うので、ここからはmix作品というテーマに変えてしまいたい。本来mixtapeというテーマでulticut ups!をあげるならまずLesson vol.1だと思うが、やはり私の人生を変えたといっても過言ではないのはやはり「party groove」なのだ。
本イベントの松本さんも所属していたA.Y.B.forceのメンバーで当時京都grindで行われていたイベント「lesson」でのライブ録音を収録した本作。はじめて聞いたときはあまりの緻密なミックスに驚き、クラブでのライブ録音なんて絶対に嘘だと思ったが、実際に聞きに行くとそれより凄い事をやっていてひっくり返ってしまった。このmixについての文章はメランコフというフリーのweb雑誌に長文を書いてますので興味ある方は是非。
なおひとくくりにしてしまいまいたが、この一派からはDJ YUU / DOING THE DOも思い出深いmixtapeです。あとそもそもulticut ups!のmixは全ておすすめです。
5.Jamie Tiller / 夕方の影 Evening Shadow (FREE DL)
企画の趣旨からは大きくズレるフリーダウンロード作品な上にまったくヒップホップでもないのだが、この8年かかさず聞いているmixとしてこちらをあげたい。まだまだあるmuro氏、maki the magic氏、koco氏などのmixtapeDJ達の作品をさしおいてなんなんだ、といえばそうなんだがせっかくだし…
建築家にして現在は辺境フュージョン、ニューエイジなどの再発レーベルMusic From Memory主催のjamieがやっていたmixサイトnoncollective(サイトの名前がかっこいいんだこれが)に2010年にアップされた本人のミックス。Music From Memoryは去年日本の80’sニューエイジポップグループ「dip in the pool」の再発シングルを出したが、2010年のこのmixで既に現在欧米の一部で評価が高まっている日本のニューエイジレーベルbetter daysの音源等が多数使われている。2010年にこれが出て去年Chee清水氏が編纂したbetter daysのコンピレーションが出る、といった時間の流れを見ると、ムーブメントというのはこれくらいの時間をかけて起こるものなのだな、ということが良く見えて感慨深かった。
夕方の影、というノスタルジックなタイトルがついているものの感傷は巧妙にさけられ「どこでもない音楽」が存在している感じがして、大変影響を受けた。
2人が出演するイベント詳細はこちら。
HOMESICK 33
- IT TAKES TWO -
2017.6.3 (SAT)
at Metro, Kyoto
22:00 open
DJ:
okadada
Matsumoto Hisataakaa
前売 2,500yen (w/1D)
当日 3,000yen (w/1D)
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前売予約はメールにて受け付けています。
前日までに、公演日・お名前・枚数を明記して、
下記までメールをお送り下さい。
METRO: ticket@metro.ne.jp
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