三浦大知ニューアルバム『HIT』は 夜明け前のグッドミュージック

FEATURED  2017.03.22  FNMNL編集部

三浦大知のニューアルバム『HIT』が3/22にリリースされた。三浦大知自身も昨年は「圧倒的にメディアに出させてもらう機会が多かったので、それは本当にありがたいことだなと思っていて、ライブをやっても初めて来てくれる方がすごくいて、今までずっと応援してくださっていた方と作ってきたがどんどん広がっているのを感じるので、その輪がさらに広がっていくように、常に面白がってもらえることを発信し続けられたらいいなと思っています」とFNMNLでのインタビューで答えていたように、今キャリアの中でも三浦の注目度は、これまでにないほど高まっている。

文:和田哲郎

例えば『仮面ライダーエグゼイド』の主題歌となった"EXCITE"や、Red Bull BC One World Final 2016のテーマソングとなった"(RE)PLAY"などはその好例といっていいだろう。

 

『HIT』(=出会う)というシンプルなタイトルには、現在の三浦大知のパフォーマーとしての自信がみなぎっているように感じられる。しかしこのタイトルはアルバムの最後に収録されている”Hang In There”の頭文字からもきているという。”Hang In There”は「頑張れ・持ち堪えろ」などギリギリの逆境で耐え抜く人にかけられる言葉だ。ここに三浦大知というアーティストの常に満足しない姿勢や、これまで実際どんな状況にも耐え、歌って踊れるアーティストとして自分のものでしかない経験を積み重ねてきた力強いスタンスが示されている。

自身でコンサートのステージのディレクションなども行う三浦大知は、常に自分自身を客観的な視線で捉えている。それを証明するのがインタビューでの受け答えだ。インタビューで三浦大知はたびたび「三浦大知的には〜」や「三浦大知としては〜」などの返答をする。これはアーティストとしての三浦大知を、外側から自分自身が見つめられるからこそできることである。そこでの三浦大知というアーティストに対する視線は、どんな評論家よりも厳しい。

筆者が行ったインタビューで「三浦大知の音楽も世界で広まっていく手応えを感じるか?」という問いに対して、「今の三浦大知の音楽だったら全然まだまだじゃないですか。(中略)自分もまだまだ頑張らなきゃいけないし、日本語だからダメというのはないんだなというのは感じているので。自分はもっとできるという思いがあるので、ライブのパフォーマンスにしても、歌にしても、もっとよくなる、ダンスだってもっとうまくなるって、常に思っています。理想にはなかなか到達できるものではないと思うんです。だからずっとそれを求め続けていくんだろうなって。それがいいんだろうなって思うんですけど」と返答している。

この淡々とした自己分析は、三浦大知が見据えている場所が大きいものだからだろう。常々三浦大知が掲げているグッドミュージックの体現者はマイケル・ジャクソンであり、現在のシーンではブルーノ・マーズなどだといえる。彼らの歌唱力やパフォーマンス力が抜群なのは当然として、三浦大知が重視するグッドミュージックの概念で重要なのはオリジナリティーだ。たとえどんなにトレンドが変化したとしても、常にオリジナルのアーティストとしての特色を出し続けられることのできるアーティスト、ジャンルやカテゴリーという狭い概念に縛られず、常に自分自身の世界を表現できる人間であり続けるということだ。

マイケル・ジャクソンという先駆者の音楽やパフォーマンスに魅了された三浦は、常にアーティスト三浦大知にとってのオリジナリティーは何かを探求し続けている。

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