Kendrick Lamar『good kid, m.A.A.d city』の舞台を巡る旅

FEATURED  2017.02.25  FNMNL編集部

もうすぐ、卒業旅行シーズンのピークである3月を迎える。旅のスタイルは千差万別だが、お気に入りのアーティストがリリックで言及している場所に足を運ぶのも悪くないだろう。本稿では、Kendrick Lamarの衝撃的メジャーデビュー作となった『good kid, m.A.A.d city』(以下『GKMC』)のリリックに登場する“名所”を、筆者が実際に旅行して撮影した写真とともに紹介していく。卒業旅行などでLAに行く機会があるヘッズは(もちろん社会人も)、K.Dot少年の青春物語の舞台を、ぜひその目で覗いてみてほしい。

1. センテニアル・ハイスクール

Kendrick Lamar

Kendrick lamar

住所:2606 N Central Ave, Compton, CA 90222

〈解説〉Kendrickのほか、Dr. DreやDJ Quikを輩出した高校。学校のイメージカラーが赤であることから想像できるとおり、ブラッズ(赤をテーマカラーとする、LAの二大ギャングの一つ)系の学校であり、コンプトン市内のクリップス(青をテーマカラーとする、LAの二大ギャングのもう一つ)関係者はコンプトン・ハイスクールという別の学校に通う。エル・セガンド・ブルヴァードとセントラル・アヴェニューの交差点付近で開かれたハウスパーティーにて、K.DotがSheraneという女の子と出会うところから『GKMC』のストーリーは始まるが、実はその舞台は彼が通っていたこの高校からほど近い。

〈関連するリリック〉

「I met her at this house party on El Segundo and Central」 (“Sherane a.k.a Master Splinter’s Daughter”から)

 (エル・セガンドとセントラルのハウスパーティーで彼女と出会った)

2. カウンティ・ビルディング

住所:211 E Alondra Blvd, Compton, CA 90220

〈解説〉直訳すれば「郡の建物」。正式名称はCounty of Los Angeles Department of Public Social Services(ロサンゼルス郡公共社会サービス局)。生活保護受給者がフードスタンプ(食料品と交換できる金券)を受け取る場所。“Sherane a.k.a Master Splinter’s Daughter”終盤のスキットで、お母さんの台詞の中に登場する。以下の動画では、Kendrickが女優兼ジャーナリストのルー・パーカーと共にカウンティ・ビルディングを訪れ、「毎月ここまで歩いてきて、フードスタンプを受け取って、それから買い物に行ってたんだよ」と振り返っている。

 

〈関連するリリック〉
「I gotta go to the county building, man/These kids ready to eat! I’m ready to eat, shit」 (“Sherane a.k.a Master Splinter’s Daughter”から)
(あたしはカウンティ・ビルディングに行かなきゃいけないんだよ!/子供たちもあたしも腹ペコだよ!)

3. ローズクランズ・アヴェニュー

Kendrick Lamar

Kendrick Lamar

住所:地図はこちら

〈解説〉LAを東西に走る有名な通り。Kendrick以外にもウェストコースト出身の多くのラッパーが曲中で言及している。『GKMC』にも6回登場するが、中でもSheraneに会いに行く道中、ローズクランズを走っているK.Dotが、アラミダ・ストリートを過ぎるあたりでガス欠を起こしそうになるシーンは臨場感が堪らない。

〈関連するリリック〉

「So now I'm down Rosecrans in a Caravan/Passing Alameda, my gas meter in need of a pump」 (“Sherane a.k.a Master Splinter’s Daughter”から)

(キャラバンでローズクランズを走行中/アラミダを過ぎる頃にはガス欠)

Everybody sit your bitch ass down and listen to this true mothafuckin' story told by Kendrick Lamar on Rosecrans」 (“The Art of Peer Pressure”から)

(みんな座って、ローズクランズでケンドリック・ラマーが語る、このくそリアルな話を聴くんだ)

 「It was me, L Boogs and Yan Yan, YG Lucky ride down Rosecrans”」(“m.A.A.d city”から)

(俺とLブーグズ、ヤンヤン、YGラッキーがローズクランズを走ってた)

Alondra, Rosecrans, Bullis, it’s Compton」 (“m.A.A.d city”から)

(アロンドラ、ローズクランズ、ブリス、これがコンプトンだ)

 「Won't you spend a weekend on Rosecrans nigga/Khaki creasing, crime increasing on Rosecrans nigga」 (“Compton”から)

(週末を過ごさないか?ローズクランズでな/カーキは折り目正しく、犯罪は増えてるぜ、ローズクランズでな)

4. ルーダーズ・パーク

Kendrick Lamar

Kendrick Lamar

住所:1500 E Rosecrans Ave, Compton, CA 90221

〈解説〉ローズクランズ・アヴェニュー沿いにある公園。Kendrickも子供の頃、この公園内のプールに足繁く通っていたそう。

〈関連するリリック〉

Park it in front of Lueders, next to that Church’s Chicken」 (“Backseat Freestyle”から)

(ルーダーズ前に停車、あのチャーチス・チキンの隣(註1) )

5. ゴンザレス・パーク

 

住所:1101 W Cressey St, Compton, CA 90222

〈解説〉こちらもローズクランズ沿いにある…と見せかけて、実は面していない公園。住宅街の中に入っていくことになるため、空気がガラッと変わる。行くなら車で。

〈関連するリリック〉

 「Basketball shorts with the Gonzales Park odor」 (“The Art of Peer Pressure”から)

(ゴンザレス・パークの匂いがするバスパン)

 「Gonzales Park, I’m followed by a married man, a father of three”」(“Sing About Me, I’m Dying of Thirst”から)

(ゴンザレス・パークで、3人の子持ち既婚の男につけられてる)

6. ルイス・バーガーズ 註2)

Kendrick Lamar

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住所:1501 E Rosecrans Ave, Compton, CA 90221

〈解説〉LAに何店舗かあるハンバーガーチェーン。ローズクランズを挟んでルーダーズ・パークの真向かいにもあるので、ルーダーズに立ち寄った際にはここでランチを。2009年リリースの『Kendrick Lamar EP』に収録されている“P & P”では、おじさんがルイス・バーガーズで殺された過去を明かしている。具体的にどの店舗かは定かでないが、ルーダーズ向かいの店舗には防弾ガラスが張られている。とはいえ、店員さんオススメのパストラミのサンドは美味しいのでご安心を。

〈関連するリリック〉

 「That Louis Burgers never be the same」 (“Money Trees”から)

(ルイス・バーガーズも変わっちまうだろう)

 ※上記紹介スポットはいずれも大きな通りに面しているものの、治安の良い場所にあるとはいえません。なるべく昼間の明るい時間に行き、単独行動は避けてください。また、筆者およびFNMNLは、本記事読者が現地でいかなる被害に遭った場合も責任を負いかねます。

註1) 実際には、チャーチス・チキンはルーダーズ・パークの隣には無く、同じくローズクランズ沿いの向かい側を100mほど西へ進んだ所に位置している。

Kendrick Lamar

註2)ちなみにKendrickお気に入りのハンバーガー屋さんはタムズ・バーガーズだそう。ローズクランズとセントラルの交差点に位置する店舗は、GKMCのカバーアートが撮影されたKendrickの生家からも近く、シュグ・ナイトが轢き逃げ事件を起こしたことでも有名。

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奧田翔(おくだ・しょう)
1989年3月2日宮城県仙台市出身。会社員。3年前、卒業旅行でコンプトンに行った。

https://twitter.com/vegashokuda

http://ameblo.jp/vegashokuda/

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