レーベルCinematic Music Groupのオーナーが「名声ばかりを追う変態に興味は無い」と語る

いわゆる「マンブルラッパー」たちが強い人気を誇るようになって以来、多くのレーベルはネットでのバズを起こしたラッパーたちとすぐさま契約する青田買いを続けてきている。そのような状況には賛否両論あるが、「バズったラッパーと無闇に契約することで音楽のクオリティが下がる」という意見が一理あることも確かだ。Joey Bada$$らを擁するレーベルCinematic Music Groupはそのようなラッパーたちと一切契約しないつもりだという。

CMGのオーナーであるJonny Shipesは、Forbesのインタビューで、そのようなラッパーたちを「俺はCinematicの中を名声ばかり追ってる変態どもが歩くのを見たくないんだ。ビュー数を稼ぐために髪の毛を燃やすような奴らとか」と痛烈に批判。「俺がやろうとしていることに10年もの時間が掛かっても別に気にしないけど、とにかくクオリティを追求することから始めたいんだ」と語る彼は、知名度や影響力よりもまずは音楽の質を最優先したい、という強い意志を示している。

Shipesにとってのラップのクオリティとは、何より激しさや痛切さを指しているとのこと。「目を閉じて聴いていても画が浮かび上がってくるようなものが聴きたいんだ。もしそれがヒップホップなら、彼らの住む街や家、キッチンに俺を連れて行って欲しい」と語る彼は、風景が浮かんでくるようなラップを上手いラップと定義しているようだ。

ラップのファンの中には音楽以外の部分を楽しんでいるような人々もいるのが難しいところだが、まずは質を優先するという彼の
姿勢はレーベル運営者としてはこの上なく正しい物だろう。アーティストの中にもYBN NahmirのようにSoundCloudラッパーを「ジャンキーの奇人」と批判するような者がいるが、ネットでの名声を追うようなラッパーたちが影響力を持つ現在のシーンは今後どのように変化していくのだろうか?

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