アメリカのアルバム売り上げが史上最低に - 時代はストリーミングへ -

2016年上半期のアメリカでの音楽アルバムの売り上げが、1991年のSounsScan(セールストラッキングシステム)の 導入以来過去最低を記録した。ただしこの数字だけが音楽業界全体の状況を表しているとも言えず、むしろ人々はこれまでになく音楽を聴いている時代ともいえるそうだ。

文 : Ibuki Kasai

2016年上半期のアルバム全体の売り上げは、2015年の同時期と比べ13.6%落ち、1億30万枚となった。内訳としては、CDとデジタル配信によるアルバムセールスは共に減少。アナログレコードの売り上げのみが増加しているという状況で、こちらは昨年に比べ11.2%の上昇をみせ、620万枚となった。そして、今回のアルバムセールス落下のなかでも、特にニューリリースのアルバムのセールスの減少がはなはだしく、こちらは20%も減少し4410万枚となった。これに対し、カタログアルバムの売り上げの減少は7.7%であった。

一方、今年の1月から6月現在まで2億890万曲がストリーミング再生されており、再生数としては58.7%の上昇を見せた。そしてこれは1億3920万枚のアルバム数に相当する。

Billboardは見積もりとして、ストリーミング配信の増加により、今年のアメリカの音楽業界全体の売り上げは昨年と比べ8.9%増しの19億8000万ドルの収益になると予想している。しかしながら、この見積もりがストリーミング配信の一曲あたりの値段を0.0063ドルとして計算していることに対し、いくつかのインディーズレーベルからはこの値段設定が高すぎると批判されている。

音楽を買う場としてはデジタルリテイラーが最も利用され、アルバムマーケット全体の43.7%もを占めている。アマゾンやスーパーマーケットなど今まで主流に使われていた手段では、たった8.3%の伸びしか見せていない。

要するにこの結果が意味することは、今の時代ストリーミングがブームになり、2016年上半期の2億7990万枚の総売上及び8.9%の上昇の主導権はストリーミングによって握られているということだ。

via billboard

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