DJ PaulとJuicy Jが$uicideboy$に対して6億円以上の訴訟を起こす|Three 6 Mafiaの音源が無断でサンプリングされていると主張
鬱屈したリリックと、メンフィスを始めとするサウスのヒップホップから影響を受けたスタイルで高い人気を誇る$uicideboy$。そんな彼らが、リスペクトを表明し曲中にて頻繁にサンプリングしているThree 6 MafiaのDJ PaulとJuicy Jとの間にトラブルを抱えているようだ。
Geniusによると、DJ PaulとJuicy Jは今年6月、$uicideboy$側に645万ドル(約6億8000万円)の支払いを要求する訴訟を起こした。DJ PaulとJuicy J側の主張は、$uicideboy$が2018年にリリースしたアルバム『I Want to Die in New Orleans』収録曲を含めて、彼らがThree 6 Mafiaの楽曲35曲の音源を無断でサンプリングし使用しているというものだ。
DJ PaulとJuicy Jは「$uicideboy$はThree 6 Mafiaのオリジナルのサウンドとヒップホップシーンで苦労して得た成功をトレードオフして利益を得ようとした」としており、具体的には"Ma$k and da GlocK"、"Smoked Out, Loced Out"、"BREAKDALAW2K16 "といった楽曲で不正なサンプリングが行われていると指摘している。
一方の$uicideboy$側はサンプリングについてJuicy Jから口頭で許可を得たと主張。またJuicy JとDJ Paulの二人がこれまでに盗用を訴えた楽曲のほとんどは彼らが著作権を持つものではないとして非難を行なっている。
確かに$uicideboy$はこれまでJuicy Jと複数回コラボを行なっているため、このタイミングで訴訟が起こされた理由が不明瞭である。また$uicideboy$だけでなくメンフィスのラップから影響を受けた、いわゆるPhonkと呼ばれるジャンルの楽曲にはThree 6 MafiaやTommy Wright III、DJ Zirkといったアーティストの音源をサンプリングしたものが数多く存在するため、こういった手法の楽曲たちが今後どのような扱いを受けていくのかも気になるところだ。
果たして裁判はどのような結末を迎えるのだろうか?