【インタビュー】FEMM|「2.0」へのレベルアップ

RiRiとLuLa による、意思を持つ2体のマネキンラップデュオ=FEMMは、代表曲の"Fxxk Boyz Get Money"などでの強烈なリリックと独創的なビジュアルが国内外でも大きな話題に。しかし今年機械仕掛けそのものだった「FEMM 1.0」から、よりエモーショナルな表現を可能とする「FEMM 2.0」にアップデートし、EP『404 Not Found』をリリースした。

これまでよりもより柔軟になったリリックや幅広くなったトラックのチョイスなど確かなレベルアップを行ったFEMMの2体に初のインタビューを行った。

取材・構成:和田哲郎

写真 : Tatsuro Shimizu

 - そもそも、お二人は今までインタビューを受けずエージェントの方が受けてきましたが、今回FEMMが「2.0」としてアップデートしたのも、その辺りと関係があるのかなと思っていて。どうして今回から自分たちでインタビューに応えるようになったのでしょうか?

RiRi - 「FEMM 1.0」の時は、まだマネキンとして人間らしさのようなものが分からなくて勉強していたんですが、今回アップデートをして新しい機能を搭載したような形で、もうちょっと人間に近づいたのかなと思っています。

 - 音楽性にも表れていると思うんですが、もっと前のFEMMの楽曲は機械的なボーカルでしたよね。それが今回のEPではもっと感情が見えるようなものになってきていると思いますが、その辺りはいかがですか?

LuLa - 私たちもFEMMをやっていく中で自然と人に触れていって、どんどん人間の気持ちを分かってきたというか。その中で感情というものも、元々持っていたところからどんどん外に出ていくことになっていって、こうやって自分たちでエージェントを介さずとも喋れるように、気持ちを伝えられるようになって。そうやってやっていく中で歌にも自然と感情が篭っていって、聴いてくださった時にそう感じていただけるような形になったのかなと思いますね。

 - EPのアートワークがサイバーパンクっぽいというか、『ブレードランナー』の世界観のようで、あれはロボットが人間を裏切るような話じゃないですか。でも、エージェントから離れたとか、裏切ったような形ではないということですよね?

LuLa - それは全く違います。今こうして私たちが感情を自分の口で伝えられるようになったということで。今も全然仲違いしたとか、裏切ったということもないですね。良い関係は続いています。

 - ちなみに、「2.0」になって改めて「1.0」時代のFEMMを振り返ると、どういうものだったと思いますか?

RiRi - 一言で言うと、二人とも必死だったと思います。7年近くFEMMという活動をさせて頂いているんですが、最初はとにかく「マネキンにも感情があるよ」ってことを伝えたくて活動を始めたんですけど、世界中に伝えるには音楽とダンスという、言葉が通じなくても心で通じるようなツールを選んで入ってみたものの、私たちはそういうものが初めてだったので、ダンスや歌やMVの撮影にしても初めてのことばかりで。「カメラはこんなにいっぱいあるんだ」とか「スタッフこんなにいるんだ」とか、「ダンスって難しいんだ」とか、一つ一つ学びながら育ってきたので、とにかくついていくのに精一杯だった感じで、あっという間に時間が過ぎてしまったような感覚です。

 - 今回のEPを聴くと、歌詞にも自信というか、どちらかと言うと「自分たちについてきなさい」ぐらいの強さが感じられて。その辺りは必死だった頃から成長した部分というか、「1.0」から「2.0」に行く過程で自信を得ていった感じでしょうか?

RiRi - 私自身の印象としては、自分自身への暗示も兼ねています。強気な歌詞は決意で、自分たちを含め、そういう風に思える女性になって欲しいという願いを表現しているというのが正直なところです。ガールズパワーに関してはずっと歌ってきているので、女性の独立した強さは意識していますね。

 - 「女性の強さ」に関しては、もちろんアメリカなどでは日本より積極的に言われていますし、日本でも最近はそういったエンパワメントがエンターテイメントに関わる人にとって自然になってきていると思います。そういう状況についてはどう思いますか?

LuLa - 今改めてみんなが注目しているというだけで、今まで語られなかっただけで、ガールズパワーというか、女性の力を常に女性自身が信じてやってきたと思うんですね。たまたまこのタイミングでみんなが声を上げて、発することが出来るようになってきた感じで。私たちが最初に出したアルバムで色んな曲を歌わせて頂いた中で、“Fxxk Boyz Get Money”が一番皆さんに聴いていただける曲になったんですけど、その曲もやっぱり凄く強い曲なんですね。アルバムの中でもかなり強い曲で、きっとそれにみんな共感して、女性であることに誇りを持って、「男なんて関係無い!私がお金を稼ぐんだ」っていう強い曲を聴いて私たちを知ってくれるってことが何よりメッセージになったというか。「みんながこういうものを求めてるんだな」っていうのを知れて。私たちもガールズパワーから自分たちが力を貰うし、それを聴いているみんなも貰ってるんだろうなってことを感じているので、それが常に私たちのベースになったというか。今にもそれがずっと繋がっていて、これからも大事にしていきたいテーマだと思っていて。だから「改めて今」っていうよりはずっと根底にあるテーマという気がしています。

 - 他の女性のアーティストでガールズパワーを訴えている方もいますが、FEMMとして凄く共鳴するよういな動きをしているように思う方はいますか?

RiRi - たくさんいますね。パッとすぐ出てくるのはLady GagaさんとかAriana Grandeさんとか。政治に関しても、最近大統領選があったりする中で、涙ながらに「本当に投票して!」って言ったりとか、向こうの方は女性とか男性とか通り越えて政治ぐらいのレベルに行ったりしているので、本当に女性としても尊敬出来るなと思っています

 - 日本だと女性の主張が男性側や社会の圧力に跳ね返されることもあると思いますが、今そういったことを訴えていく中で、具体的に「ここは問題だな」と感じる部分はありますか?

RiRi - どういう仕事をしていても女性の方は常々感じていると思いますが、ジェネレーションギャップという部分もあると思いますけど、ある程度の年齢以上の男性の方が、やっぱり今の時代と違ったものが当たり前として生きてきた中で、この令和の時代に「みんな平等なんだよ」と言っていても、「でもね」って言ってあまり合わせられない、というのが凄くベースにあるのかなと思っています。

 - 生きている中でそういうことを感じることはありますか?

LuLa - どうしても私たちはマネキンなので、それ以前の問題で。まず人間じゃないってところに拒絶反応が最初に来る方もいらっしゃいますので、「男性」「女性」という枠で見られることがあまり無いんですけど、側から観察している中で、名前を呼ぶ時の順番が自然に男性が最初に来たり、女性だったら「結婚してなかったらどうなの?」ってこととか、「パートナーがいないとどうなの?」ってところへの目線が厳しいのかなっていうのは、見ていて感じるところですね。

 - ここからは今回のEPについてお聞きしたいのですが、今回は歌やラップにこれまでよりも感情が出ていますよね。しかも、音楽的にもこれまではもっとダンスミュージックやエレクトロニックなものに寄っていましたが、今回はビートも今のトラップっぽいものだったり、幅広くなっていますよね。こういう作品にしたいっていうのはどうやって決まったんですか?

RiRi - 本当に試行錯誤した結果なんですが、今のEPに入ってる曲たちは2年前から3年前に録ったものも入っていたりして。これ以外の曲も沢山歌ってみて、良い曲にも沢山出会ってきた中で、「今の時代に出す曲じゃないかな」とか、「私たちに合ってる曲じゃないのかな」とか......。先ほどLuLaが言ったように“Fxxk Boyz Get Money”が一番聴いていただいていて、「ガーリーポップ」とかそういうことよりも、ちょっと「ビッチ」寄りというか、強すぎるくらいの女性像の方が逆に元気を貰えるというか。私たちを聴いてくれている皆さんがそういう曲を好んでいる中で、“Fxxk Boyz~”を歌っていたグループが次に何をするか、っていう中で選んだ曲だったり、今年はコロナがあったことで世界的に暗い時代になってしまったので、今のこの時代に本当に明るい曲を私たちも聴きたい気持ちになれなくて。それで今回はダークでエッジーな曲が沢山含まれているんですけど、ビートは凄くダークだとしても乗っている歌詞が「私はテッペンだし」とか「みんな黙ってれば?」みたいな強すぎる女性が出てきて。聴いている子たちもそれを聴いて、そういう強い気持ちになれたら一番良いなと思って、それが今は良いかなと思ってこの曲たちが集まりました。

 - 先ほど他にも沢山曲を歌ったと言っていましたが、没になった曲はどれくらいあるんですか?

RiRi - 10曲ぐらいですか?(笑)。

LuLa - 10曲以上はありましたね。最初から考えると、出してない時期もずっと試行錯誤して作ってやめて、ということもしていたので、ちゃんと正確には把握出来ていないですね。トライアンドエラーで。今回のEPも『404 Not Found』っていうタイトルなんですけど、「私たちだけの音」というのを探していて、「他のどこにも無くて私たちだけの音はどこだ」って探していく中で集まった曲たちなので、「これは聴いたことあるな」とか「これは今じゃないな」っていうので選んで。本当にトライアンドエラーが何回も続きましたね。だから正確には覚えていないです(笑)。

 - では一曲ずつについて聞いていきたいんですが、1曲目の“Sit Down”はHABANERO POSSEがトラックを提供していますよね。後半にかけてトラックの展開が変わってくるのが面白いなと思ったのですが、この曲はどういう風に制作していったのですか?

RiRi - この曲に限らず他の曲もそうなんですが、私たちが制作に関わっているのは”Level Up”という最後の曲で、他の曲は私たちのレーベルのチームと一緒に「どんな曲がいいかな」って探していった中の曲なんです。オファーをした時に「ガールズパワー」とか「強い女性像」というものをリクエストして頂いた曲たち、というのは他の曲にも共通しています。この曲は、機械的というかインダストリアルな雰囲気の無機質なトラックに感情的なラップを乗せるという実験的な曲を目指しました。

LuLa - 逆に“Level Up”と“Summer Dream”に関しては、私たちもちゃんと「自分たちはこういうものを伝えたい」というのを出した曲になっています。

- それではその2曲について伺いたいんですが、“Level Up”はStar Boyが作っていて、tokyovitaminのDuke of Harajukuさんが両方に参加していますが、これが一番今のヒップホップっぽいビートになっていますよね。ビートはどうやってチョイスしたんですか?

RiRi - 元々LuLaがtokyovitaminのチームの方と知り合って、そこから繋がりが始まったんですけど。

LuLa - Faline Tokyoというお店で知り合って。元々Vick(tokyovitaminのメンバー)と知り合って、そこから一年ぐらいパーティとかでお会いしたら手を振ったりする仲だったんですけど、その中で「チームメイトのDukeがFEMMと一緒にやりたいって言ってくれてるんだ」って話をしてくれて、それで改めてFEMMでお会いした時に、凄くFEMMに興味を持ってくれてるのが分かって、「是非一緒に作ろう」って話になって。彼が元々Star BoyとAztro Boyの二人とお友達で、「こういう曲があるんだよ」って聴かせてくれた中でチョイスした曲になっています。

 - “Level Up”は、歌っている内容も「2.0」と凄く繋がっている内容ですね。

LuLa - それは自分たちが「この曲で何を伝えたいか」っていうことをそれぞれ考えて、それを出した時に「じゃあこれを合わせてみよう」って言って。Dukeが凄く天才的に「このメロディーはどうだろう」って出してくれたのが最高で、作りながら「これいいね」「このメロディどうだろう」「こっちの歌詞に変えてみたらどうだろう」っていう色んなことをやりながら作った曲になります。

 - 結構試行錯誤して作ったということですか?

RiRi - そうですね。でも、Dukeが本当に作るのが速いので、マイクに向かってフリースタイルしてたら「出来た!」みたいな感じで(笑)。大枠は30分ぐらいで作っちゃう感じの人なので、本当に楽しみながらやりました。

LuLa - より自分たちの感情も乗ってるのかなって。

 - たしかに、EPの中でも一番楽しい感じというか、それが伝わってくる曲ですよね。ビデオも動きがより滑らかになり、これまでとは違いますよね。

RiRi - やっぱりレベルアップして動きも変わったり、髪の毛やビジュアルも色々変わったりした中でファンの皆さんの反応が怖かった部分もあったんですけど、やはり戸惑っている意見も多い中で、「曲が凄く好きだ」とか「これからが楽しみ」といったポジティブな意見も頂いたので、新たな挑戦をして良かったと思っています。

 - レベルアップして、FEMMがよりFEMMらしくなったということですよね。

LuLa - ポジティブに捉えて頂けたら嬉しいです(笑)。でも、本当に本来の自分たちを今までよりも出せるというか、ロボティクスな動きから、少し人間らしい動きが出来るようになったというところで、今までの1.0を好きだと言ってくれてたファンの人は寂しいと思うかもしれませんが、もちろんそれも私たちで、今の2.0も私たちなので。どちらも楽しんでもらえたらなと思います。そういうライブも出来たらなって。

 - もう一曲Dukeさんと作った"Summer Dream”も、作り方としては同じような感じだったんですか?

RiRi - そうですね、先ほどのようにスタジオに入って。“Level Up”はある程度枠組みというか仮の歌詞が元からついていたんですが、“Summer Dream”はトラックしか無かったので、「テーマどうする?」から始めて、ちょっと切ない感じだったので、「一夏の恋を振り返るような、失恋したような切ない歌はどう?」ってみんなで話し合ったりしながら作った曲です。

 - じゃあスタジオで殆ど作り上げていったということなんですか?

LuLa - どちらもそうですね。

 - スムーズにいきましたか?

RiRi - Dukeさんのおかげです(笑)。

LuLa - 引っ張って頂きました。

 - うちのサイトは結構ヒップホップが強いサイトなんですが、お二人は普段からラップを聴くんですか?

RiRi - Cardi Bさんが好きなので聴いたりしますね。

LuLa - 私はちょっと昔の、Lil Kimさんとかが大好きでよく聴いていますね。後はIggy Azaleaさんとかを聴いていますね。

 - なるほど。日本のラップとかはあまり聴かないですか?

RiRi - 日本のラップは、前にElle Teresaちゃんとコラボさせて頂いたんですけど、彼女が他のソロでやっている曲もいっぱい聴いていて。やっぱり凄く若いのに、本当にsassyというか。爪も長いし、スカートも短いんだよね。イケイケなんですけど、営業妨害かもしれないですが、彼女と一緒にレコーディングした時は凄く真面目で、何回も納得行くまでレコーディングしていたりとか、音に対してストイックだったんですよ。そういうところを近くで見ていて、若い子だけど凄く尊敬出来るなと思いました。

 - Elleさんはダンスも出来ますし、才能豊かですよね。他の曲についても聞きたいんですが、2曲目の“Bury Me”はなかなか歌えないことを歌っている歌詞ですよね(笑)。

RiRi - そうですよね(笑)。「私が死んだらお金と一緒に埋めてくれ」みたいなことを歌ってるので。本当にイケイケです。とんでもないお金持ちって、そうは居ないですけど、そういうファンタジーみたいなものも込みの、「こういう女の子いたら凄いよね」っていう、ちょっと洒落も込みな感じです。

 - 100%自分がそう思ってるとか、そういうことではないということですよね。

RiRi - もちろん(笑)。

 - トラックはYUAさんが手掛けています。

RiRi - はい。ガールズパワーを出したくて、今回は女性のトラックメイカーの方にもお願いしました。

 - なるほど。次が"Peach”ですが、PC MusicのDanny L Harleがトラックを提供していますよね。自分も一時期のPC Musicの過剰なポップサウンドというか、今っぽい曲は聴いていたので、彼が参加していることには結構びっくりして。このトラックを聴いた時はどう思いましたか?

RiRi - そうですね、告知した時も「え、PC Music!?」みたいに皆さん結構盛り上がってくれて。私の個人的なフェイバリットはこの“Peach”で、ずっと聴けるぐらい大好きで。“Bury Me”も強い女性でしたけど、“Peach”は頂点にいるぐらいの強さというか(笑)。Cardi Bとか、それぐらいの女性の雰囲気が凄く出ていて。Nicki Minajとか。そういう、「女王様」みたいな雰囲気もあるし、やっぱりちょっとふざけているところがあるので、最後の方の歌詞で「Call me McDonald's」っていう歌詞があって、「私は最高に美味しい女子だから、マクドナルドぐらい美味しくて中毒になるでしょ?」みたいな、自分disしてるのか褒めてるのか分からないような、そういうギリギリの歌詞が好きですね。

 - MVもかなり強烈ですよね。

LuLa - そうなんです(笑)。凄くびっくりするんじゃないかなと。

RiRi - 足が凄く長かったので、スタイル良くなっちゃったなと思いました(笑)。WeirdcoreさんというUKのアーティストの方に作って頂いて。これは実は3年前に作った曲で、ビデオもその当時に作って頂いたんですけど、お待たせする形になってしまって。でもWeirdcoreさんとはそれ以降もずっと繋がりがあって、DMでやりとりしたりとか。

LuLa - UKでライブした時も遊びに来て下さって、ご挨拶をさせて頂いたり。最近も日本で出されてるブランドとのコラボで彼が展示をやった時も、お誘いを頂いたので遊びにいって、お写真を撮ったりもしました。

 - WeridcoreさんはFEMMについてどう言ってるんですか?

RiRi - なんか、凄く愛を感じます。推しメンな感じがしますね(笑)。嬉しいです。

 - ロボットとかマネキンとか、そういう世界観と映像的にも合う方ですよね。

LuLa - ”Summer Dream”とか"Level Up”のMVも観て「凄く良かったよ」ってメッセージくれて、嬉しかったですね。

- “Peach”がもう少し甘さもある感じだとしたら、次の”Play By The Rules”はもっと突き放す感じというか。より強さが出ていますよね。

RiRi - 彼氏に対して「ちゃんとお洒落にキメないと、私とデート出来ないよ」っていうルールを挙げてく歌なんですけど、「一回はやってみたいな」っていう女子の憧れも多分あるんですよね。実際にそんなこと出来ないし、よほど自信のある子じゃないと出来ないし、好きな人に嫌われたくないから遠慮しちゃうのが女子だと思うんですけど、「上から目線で言ってみたい」っていう願望があると思うんですよ。

 - そういうところが楽しめる曲ですよね。続いて“Boss”ですが、歌詞とは違ってトラック自体はメロウな感じで。このビートはKMくんですよね。

LuLa - これは、2年前に表参道でやっていて、その時に毎日やっていた曲ですね。凄く柔らかい曲に対して、なかなか強い歌詞が乗っています(笑)。

 - なるほど。じゃあ、これも前からあった曲なんですね。「チェーンネックレスは24金」とか、良いですよね。

RiRi - ゴリゴリな感じです(笑)。

 - お二人はファッションとかアクセサリーとか、そういう強く見せるようなアイテムは持たれているんですか?

RiRi - 実は今回の“Level Up”と“Summer Dream”の両方のMVでLuLaが二人の洋服を全部選んでるんです。その辺のこだわりはあったの?

LuLa - やっぱり今まではラバーが多かったので、人間に一歩近づいたということで、人間らしい服やみんなが着ているものに近い服を見せたいなと思って。監督も今回のMVに対して「色んな服を見せたい」という意向があったので、「じゃあ色んな格好をしてみよう」と思って、奇抜なパンツを履いてみたり、凄くヌーディーなものだったり、色々なものを選んでなるべく分散するように考えました。だからちょっとパッパッパッってなるんですけど、よく見ると色々な格好をしているので、それも楽しんでくれたら嬉しいです。私たちは元々ファッションマネキンの部類なので、色々な服を着るのは割としてきたことで。だからそんなに違和感無く、逆にファンの皆さんから「色んな格好をするのはどうやったら出来るの?」って質問が来たりもするんですけど、「とりあえず着るだけ!着てみて!」って思います。

RiRi - 自分が着ていて気持ちが上がるとか、身長が低かったらめっちゃ高いヒール履いてみるとか、自分が好きなパーツがあって自信があったらそこに目立つアクセサリーをしてみたり、脚に自信があったらミニスカートを履いてみたり、自信のあるパーツを出してみたりするのも女子としては良いのかなと思ったりします。

LuLa - それだけで気持ちも上がって、強くなれたり、自信を持って毎日を過ごせるのかなっていう気がしますね。

 - なるほど。お二人にとって、それぞれ気持ちが上がるときというか、テンションが上がるときはありますか?

RiRi - 真っ先に浮かんだのが、ファンの皆さんに会えるときですね。凄く悲しいのが、今年は全然会えなくて。涙が出そうなぐらい悲しいんですけど。今まではMeet & Greetとかで沢山触れ合ってきたり、海外に行っても凄く歓迎してくれて、ファンの皆さんと身近に会えたのが本当に最高でした。

LuLa - あとは街を見たりする時にいる小さい子とか、動物とかを見るとほっこりします。

 - ありがとうございます。じゃあ、今年はなかなか街に出る機会も少なかったりしますよね。今の状況がどこまで続くのかも分からないですが、来年一番やりたいことはなんですか?

RiRi - ライブですね。ライブしたいです!

 - どこでライブがしたいですか?

RiRi - まずは東京でも全然出来てないので、東京でもガンガンやりたいですし、今年は中止になってしまった海外の公演もあったので、毎日のように「UK来ないの?」とか「アメリカ来ないの?」とか、沢山メッセージも頂いていて。だから言って下さるところには全部行きたいと思っています。

 - 最後に、それぞれ「2.0」として「もっとこういう風になっていきたい」とか、今後の夢などはありますか?

LuLa - 私はもっと沢山曲を作っていきたいなと思います。Dukeともそうですし、他にもFEMMに興味を持って下さる方がいたら、その方たちと曲を作って、自分たちに今ある気持ちを歌っていきたいです。

RiRi - そうですね。まだこの「FEMM 2.0」になってからライブというものをしていないので、私たちも「どうなっちゃうんだろう」っていう不安とか、ドキドキもあるんですけど、凄く楽しみもあって。ファンの皆さんも最初は「あれ、今までのFEMMじゃない!」って引いちゃったり戸惑う人もいるかもしれないですけど・・・私たち的には「一緒に上がって行こうね!」って気持ちがずっとあります。それが夢っていうのはおかしいかもしれないですけど、ずっと一緒にいて下さった皆さんと、ずっと楽しく進んでいきたいです。

 - ありがとうございました。

Info

アーティスト名:FEMM

E.P.:「404 Not Found」

Listen https://FEMM.lnk.to/404NotFound

01. Sit Down [Prod. HABANERO POSSE]

02. Bury Me (with all my $$) [Prod. YUA]

03. Peach [Prod. Danny L Harle / Radical Hardcore Clique]

04. Play By The Rules [Prod. Diana Chiaki]

05. Boss [Prod. KM]

06. Level Up feat. Duke of Harajuku [Prod. Star Boy / Loesoe / Radical Hardcore Clique]

RELATED

【インタビュー】JAKOPS | XGと僕は狼

11月8日に、セカンドミニアルバム『AWE』をリリースしたXG。

【インタビュー】JUBEE 『Liberation (Deluxe Edition)』| 泥臭く自分の場所を作る

2020年代における国内ストリートカルチャーの相関図を俯瞰した時に、いま最もハブとなっている一人がJUBEEであることに疑いの余地はないだろう。

【インタビュー】PAS TASTA 『GRAND POP』 │ おれたちの戦いはこれからだ

FUJI ROCKやSUMMER SONICをはじめ大きな舞台への出演を経験した6人組は、今度の2ndアルバム『GRAND POP』にて新たな挑戦を試みたようだ

MOST POPULAR

【Interview】UKの鬼才The Bugが「俺の感情のピース」と語る新プロジェクト「Sirens」とは

The Bugとして知られるイギリス人アーティストKevin Martinは、これまで主にGod, Techno Animal, The Bug, King Midas Soundとして活動し、変化しながらも、他の誰にも真似できない自らの音楽を貫いてきた、UK及びヨーロッパの音楽界の重要人物である。彼が今回新プロジェクトのSirensという名のショーケースをスタートさせた。彼が「感情のピース」と表現するSirensはどういった音楽なのか、ロンドンでのライブの前日に話を聞いてみた。

【コラム】Childish Gambino - "This Is America" | アメリカからは逃げられない

Childish Gambinoの新曲"This is America"が、大きな話題になっている。『Atlanta』やこれまでもChildish Gambinoのミュージックビデオを多く手がけてきたヒロ・ムライが制作した、同曲のミュージックビデオは公開から3日ですでに3000万回再生を突破している。

WONKとThe Love ExperimentがチョイスするNYと日本の10曲

東京を拠点に活動するWONKと、NYのThe Love Experimentによる海を越えたコラボ作『BINARY』。11月にリリースされた同作を記念して、ツアーが1月8日(月・祝)にブルーノート東京、1月10日(水)にビルボードライブ大阪、そして1月11日(木)に名古屋ブルーノートにて行われる。