DaBabyがBETアワードで“ROCKSTAR (BLM REMIX)”の新たなビデオを公開|フレックスチューンが別の意味を帯びてプロテストソングへ
DaBabyが今年4月にリリースされたアルバム『BLAME IT ON BABY』に収録されている、Roddy Ricchとのコラボ曲“ROCKSTAR”。楽曲本来の意味を超えて「Black Lives Matter」ムーブメントのアンセムのような役割を担い、新たにヴァースを追加した“BLM REMIX”もリリースされたこの曲が、先日開催されたBETアワード授賞式で披露され話題を呼んでいる。
今年は例年と異なり新型コロナウイルスの感染拡大防止のためリモート開催となったBETアワード受賞式。DaBabyは今回のために“ROCKSTAR (BLM REMIX)”のビデオを制作し公開した。
ビデオは今月初めに警察から暴力を受け死亡したジョージ・フロイドさんになぞらえ、DaBabyが警察によって膝で首を抑えられながらラップをするシーンで幕を開ける。「警察は俺を逮捕し恥をかかせたがっている/権力を濫用して、俺が傲慢だと思っていた/子供の頃/警察は俺を怖がらせようと銃を撃っていた/クラッカーどもが俺たちをどう扱うのかわかってる、恐ろしいことだ」とのヴァースに続き、「I am George Floyd」「I am Brianna Taylor」と近年警察に命を奪われた黒人たちの名前が刻まれたTシャツを身に纏ったデモ隊をバックにDaBabyとRoddy Ricchがラップをするという内容である。「新しいランボルギーニに乗る、パトカーはファックだ/警察みたいに銃をぶら下げる」といった歌詞は本来反人種差別のメッセージと関係の薄いフレックスだったが、この楽曲が現在の状況を受けて別の意味を帯び、プロテストソングとして生まれ変わった過程は興味深い。
またGeniusの記事によれば、“ROCKSTAR”のBETアワードでパフォーマンスされたバージョンの最後には、2016年にシャーロットの市議会でスピーチをした少女Zeanna Oliphantの声がサンプリングされている。
this is Zeanna Oliphant, the girl whose voice was used at the end of Dababy’s rockstar performance at #BETAwards pic.twitter.com/aQumcwJNa7
— joy ?? (@JoyKunda_1) June 29, 2020
“ROCKSTAR”がアンセムたり得たのは楽曲が持つエネルギーやキャッチーさもあるだろうが、何より警察と銃というモチーフが暴力性の象徴としてリアルに歌われている点が大きいだろう。BETアワードでDaBabyが見せたアイコニックなパフォーマンスが、今後どのように影響を与え波及していくか目が離せない。