Killer MikeがThe Breakfast ClubのDJ Envyと公立学校について白熱議論
ラップデュオRun The JewelsのKiller Mikeといえば、そのリリカルなラップからもうかがえるようにラッパーの中でも論理的な思考の持ち主として有名だ。そんな彼が人気ラジオ番組The Breakfast Clubに出演し、ホストのDJ Envyと白熱した議論を展開している。
今週木曜日、Killer Mikeは自身のNetflixでの新シリーズ『Trigger Warning』の宣伝のため、番組に登場。この新シリーズはインタビューを通してKiller Mikeが社会的な問題や政治の話題に言及していくシリーズなのだが、今回彼はThe Breakfast Clubのホストの1人であるDJ Envyとアメリカの教育システムについて白熱した議論を交わした。
まず「俺は子供達を郊外の学校に通わせることについて議論してきた。俺が黒人の人々に何を伝えたいのかというと、黒人に対する差別が激しいところでは子供が13歳になるまで、自身の子供を白人の子供達と一緒の学校に通わせるべきではないということだ」と語り始めたKiller Mikeは続けて「もし他の民族コミュニティ(白人コミュニティ)を見ているのなら、それは子供達を13歳、14歳頃まで孤立させることになってしまう」と持論を展開。
対して、DJ EnvyはMikeとは反対の意見を持っているようで、私立学校の教育は公立学校の教育では出来ない方法で子供達の世話をする機会を与えてくれると自身の子供の話を交えながら主張している。
「俺の娘はニュージャージーの私立トップ校の中の1つに通っているんだけど、彼女の受けている教育は独自のものなんだ」と語ったEnvyは自身の息子についても続けて語った。「俺の息子の場合はちょっと違うんだ。なぜなら彼は普通の私立学校に通っているからだ。でも息子も普通とは違う教育を受けている。息子が受けてきた教育は俺がこれまで経験してきたものとは違う。それは息子にとってアドバンテージになるんだよ」と私立の学校の教育は上質であると主張した。
要するにKiller Mikeは子供達を公立の学校に送ることを支持しているのに対して、DJ Envyは私立の学校に通わせることを支持しているというわけだ。
DJ Envy & Killer Mike had a debate on public schools vs private schools, which do you think is better in your opinion? #TheBreakfastClub ?️
— NUFF (@nuffsaidny) 2019年1月31日
Twitterではこのようなアンケートが行われているが、この後も2人の議論は白熱。2人とも語気が強まってきた中、ついにKiller Mikeが「俺は最初に‘もし子供が差別を受けるような場所にいるのなら’って言ったよな。でもお前は裕福なn***aだ。お前は白人のお金を持ってるんだよ」と爆弾発言をしてしまう。この発言を聞きづてならなかったのかEnvyは「いいや、俺の子供もn****sと呼ばれてきたんだ。これは差別だろ」と反論。しかしKiller Mikeも負けじと「父親がフェラーリを持っている中でn***aって呼ばれても、そんなに傷つかないだろ」とラッパーらしい返しで応戦している。
DJ Envy defends sending your children to private schools and shares his & his children's private school experience with Killer Mike. #TheBreakfastClub pic.twitter.com/bkhGxc0d5i
— NUFF (@nuffsaidny) 2019年1月31日
34分間にも渡って行われたこの議論はインタビュー自体の方向性も変えることとなり、その後の25分間も2人は子供の自信を守るために日光浴をすることのメリットや、知恵を得るために子供達を私立学校に通わせることについて議論している。
このやりとりの締めくくりとしてMikeは「自分が生み出してきたものは悪いものだと考えるのをやめるんだ。あなたが誰であるかは俺たちがどういうふうになるかってことくらい良いことなんだよ。そのためには信念を持ち、自分のことを信じる必要がある」と子供達にメッセージを送った。
番組終了後、DJ Envyは自身のInstagramを更新。Mikeとファイティングポーズを取り合う写真とともにキャプションでこのように綴っている。
「俺の兄弟Killer Mikeとは良い議論が出来たよ。何人かの人は俺に賛成だろうし、何人かの人は俺の意見に反対だろう。でも俺は気にしない。俺たちのコミュニティに対して俺が気にしているのは俺が話してきたほとんどの人がビジネスについて、ビジネスを始めることについて、ビジネスを営むことについて何も知らないという事実だ。俺は俺たちが昔住んでいた土地の値段が高かったり、値段が盛られたりしているのが気になっているんだ。ブルックリンとかハーレム、ジャージーシティ、ジャマイカクイーンズとかね。もし俺の息子が床屋になりたいのなら構わない。もし俺の息子がゴミ収集の仕事をやりたいのならそれでも構わない。俺は息子にゴミ収集車の持ち方を教えたいよ。でも俺らは違うんだ。人々は俺に一日中何かを始めるための金が無いと言ってくる。でも彼らは新しいキックスを持っているし、高い服を持っているし、ドープな車も持っているし、800ドルの車も持っているし、高い絨毯も持っていて、今週末はスーパーボウルを見に行くんだよ。俺は今週末DJをやるのと、物件を探すためにアトランタに行くけどな。俺の考え方はちょっと違うことが分かっただろ。自分自身に投資して、あなたの子供に投資して、あなたの将来に投資するんだ」
この2人の議論に勝ち負けはなく、2人とも間違ってはいない。確かに子供を公立学校に通わせるか、私立の学校に通わせるのかという問題はアメリカのみならずここ日本でも重要な選択の1つだ。しかし、どちらにせよお金がどうしても絡んでくる。裕福な家庭の方が選択肢は多いだろう。つまり貧富の差というのは教育問題にも絡んでくるということだ。教育格差をなくすためには貧富の差をなくすことが1番の近道と言えるかもしれない。