Chief Keefがマンブルラップの発明者だと主張する
現在アトランタのT.I.とGucci Maneという両ベテランアーティストが、どちらがトラップミュージックを発明したかで、熾烈な争いを繰り広げている。
歴史が長いトラップミュージックの発明者は、2人の他にも候補者がたくさんいる状況であり、明確に決めるのは難しいと言わざるを得ない。
ではマンブルラップは誰が発明したものと言えるのだろうか、Chief Keefが発明者に名乗りを上げている。
マンブルラップとは、Lil Uzi VertやLil Yachty、Lil Pumpなどの新世代のラッパーたちからFutureなども使用するラップのスタイルであり、言葉をもごもごと発音することからこの名前がついている。
蔑称的にも使われるマンブルラップという言葉だが、Lil Uzi VertやPlayboi Cartiは臆することなく自身を「マンブルラッパー」だと自称しており、そうしたスタイルを自覚的に取り入れているのがわかる。逆にマンブルラップという呼称を嫌うラッパーとしては、XXLが指摘しているようにTrippie Reddがいる。
Do you guys love me for creating Mumble???
— Glory Boy (@ChiefKeef) 2018年4月17日
今回Chief KeefはTwitterで、ファンに向けて「おれがマンブルラップを作ったことを愛してくれる?」と呼びかけ、自身がマンブルラップの発明者だと主張している。
確かにChief Keefのモゴモゴとしたスタイルは当時革新的であり、彼に続くラッパーたちもChief Keefに大きな影響を受けているとはよく語っている。しかしマンブルラップの発明者の議論も実は錯綜としており、古くはBone Thugz-n-Harmony、Three 6 Mafia、Ol' Dirty Bastardなどを発明者にあげる向きもあれば、ベテランのBlack Thoughtのように自身をマンブルラップのオリジネイターだと自ら主張しているアーティストもいる。
衝撃的なティーンラッパーとして登場したChief Keefが、後から出てきたラッパーたちに大きな影響を与えたのはもちろん否めないが、発明者と確定して言い切れるかはまた別問題だろう。
トラップと同じく、この議論も長引きそうだ。