2016-17年の映画業界とテレビ業界における男女差についてのレポートが発表
今週木曜日にメリーランド州のマウント・セント・メアリーズ大学が「男女間の不平等」に関する新たなレポートを発表し、2016-17年のゴールデンタイムに放送されたテレビ番組に関して、これらの制作にクリエイティブ面で携わった女性の割合が30%未満であったことを明らかにした。研究は「 "Women in Entertainment Media: The Ongoing Fight for Equality"(エンターテイメントメディアにおける女性:平等のための現在進行中の戦い)」と題され、過去20年間の研究からテレビや映画におけるジェンダーの問題を考察している。
男女の差が最も激しかったのは、2016〜17年におけるゴールデンタイム番組の「現場責任者」の割合で、女性の割合は11%となっていた。また、白人以外の女性に関してはこの数字はさらに低くなり、2%に止まっている。
テレビ番組における、監督、脚本家、クリエイター、プロデューサー、エディターなどのクリエイティブ領域に携わるポジションに関しては、女性の割合は26%だった。しかしながら、映画業界はテレビ業界に比べると状況はさらに悪く、2017年に公開された映画100作品において女性がクリエイティブ・ポジションを占めた割合は18%であった。
この数を映画250作品にまで広げると、このうち88%の映画が女性の監督を含んでおらず、その割合は脚本家では83%、エディターでは80%、撮影監督では96%だったという。一方で、プロデューサーやエグゼクティブ・プロデューサーにおいてはその割合は比較的低く、それぞれ45%と28%であったという。さらに、30%の映画においては、上記のポジションにおいて合わせて1人以下の女性にしか役割が与えられていなかった。
また、「セクシャル・ハラスメントがメディア業界における女性の進出の障害になっていると思うか?」という問いに対して、42%の女性が「それを実際に経験したことがある」と回答していることをレポートは強調している。
さらに、この研究はカリフォルニア州における他の業種についても調査を行っておおり、医療分野やSTEM(科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学)、また政治などの専門領域を扱う業種において男女間の不平等の割合が高くなっていることを指摘している。例えば、州議会における女性の割合は22%であったという。
レポートの全文はこちらからチェックすることができる。