「JuJu on That Beat」バイラルヒットの影で動く、レーベルのスピード交渉術
最近USではVine(RIP)やSnapchat、InstagramなどSNSにアップされたダンス動画を起点にヒットする曲が増えている。
例えばSilentoの"Watch Me"はビルボードチャートで最高3位を記録し、iHeartMemphisの"Hit the Quan"は最高15位だ。
どちらもダンス動画で広がっていき、ビッグヒットにつながったが、今その形でヒットしているのが"JuJu on That Beat"だ。Zay HilfigerとZayion McCallの2人によって5分で作られたという"Juju on That Beat (TZ Anthem Challenge)"は3週間でビルボードチャート11位まで到達している。
「みんなダンス動画を探し続けているし、みんなそれに魅きつけられてるんだよ」と"JuJu on That Beat"をリリースしたArtist Partners Group(Atlantic Recordsの傘下)のA&RのJeff VaughnはBillboardの取材に対して答えている。
ちなみに"JuJu on That Beat"が流行ったきっかけは、ヴァージニアの高校生のユニットFresh the Clownsが8月にアップした動画だ。現在この動画は1200万回再生を記録しているが、ヒットし始めたのは9/7だ。
この動画を見たJeff Vaughnは、この曲がまだどこでも売られていないことを確認すると、すぐさまZay HilfigerとZayion McCalにコンタクトをとり9/20に会ったという。2人はすぐに契約したものの、同曲には1つ問題があった。Crime Mobの2004年のヒットチューン"Knuck If You Buck"をサンプリングしていたのだ。
サンプリングの許諾を取るのに時間がかかってしまい、リリースまで遅れてしまい販売のタイミングを逃した曲は数多い。しかし幸運なことに"Knuck If You Buck"はArtist Partners Groupの姉妹レーベルのWarner Bros.からリリースされていたため、Vaughnはわずか72時間でサンプリングの許諾をとり、2人が契約書にサインしてからわずか一週間弱でiTunesでのリリースにこぎつけた。
総じてダンスからヒットする曲は消費のスピードが速く、トレンドの時期を逃すとビジネスにはつながらなくなってしまう。「消費のスピードが速すぎると、燃え尽きるのもとても速いと思うが、"JuJu on That Beat"に関してはそうならないよ。我々はとても速く動いたし、プロモーションも始められたからね。一度チャートを登って行ったら、それはそのまま続いていくよ。爆発だね」とVaughnはさらに"JuJu on That Beat"を売っていくつもりだという姿勢を示した。