H&Mが無許可のストリートアートやグラフィティは著作権法の適用外であり企業やブランドは自由に使用可能と訴訟をおこす

先日ニューヨークのグラフィティ・アーティスト21人が、グラフィティの聖地であるクイーンズ区ロングアイランドシティの倉庫ビル(通称5Pointz)の壁画の取り壊しに関する裁判に勝訴したことを、FNMNLでも伝えた

この裁判では倉庫ビルの所有者の所有権を訴えたのに対し、裁判所は、ある財産が権利上は誰かの所有権である場合であったとしても、その財産が保護されるべきであると多くの人が認識しているとき、これを破損する行為はV.A.R.A(美術家人権法)に違反するという判断を下した。

この画期的な判決の直後に、またもやグラフィティなどのストリートアートシーンを揺るがせる裁判が今週月曜にH&Mによって起こされた

H&Mは、NYの連邦裁判所にグラフィティなど無許可のストリートアート作品は、著作権法の適用外であり、H&Mのような企業やブランドはアーティスト側の許可を取らずに自由に使用可能であることを求める訴訟を起こした。

この騒動の発端はグラフィティアーティストREVOKの作品を、H&Mが無許可で広告に使用したこと。REVOK側は広告の使用停止を求めたが、H&M側は、REVOKの作品に違法の可能性があるとして、刑事告発をすると開き直り裁判に至った。

th
REVOKによる作品
24151da6-e519-4c08-928e-10a178110efd.jpeg
H&Mの広告

果たしてその作品が無許可で描かれたものとはいえ、著作権法で保護されないという主張には正当性はあるのだろうか?

当然のようにすぐさまストリートアート側からはH&Mに対して、多くの抗議の声が上がっている。

アーティスト側からはH&Mが文化の盗用を行っているとして、H&Mのボイコットを求める声があがっている。この裁判には大きな注目が集まることは間違いない。一体どのような判決が下るのだろうか。

RELATED

メキシコを拠点とするグラフィティクルー「AXS」のDisk、Yk、Zombraによる展示が開催

メキシコを拠点とするグラフィティクルー「AXS」の日本支部のメンバーであるDisk、Yk、そして本国メキシコのZombraの3名による展示が、蔵前のbedlamで11/25(土)から開催される。

TOGA ARCHIVES × H&Mコラボが9月に発売

TOGA ARCHIVES × H&Mのコラボレーションアイテムが、9月2日(木)から限定店舗および全世界のH&M公式オンラインストアで発売となる。

【特集】渡辺志保のトロント訪問記 Vol.2 | 独自の文化が根付くパブリックアート、多様性を打ち出す先進的な都市

Vol.1はこちらから。 今回、一週間足らずの滞在ではありましたが、トロントはとてもインプレッシヴな街でした。個人的には、人生において二度目のトロント訪問。とは言っても、前回訪れたのは私が11歳頃の時。詳しい記憶はすでに霧の中…という感じですが、それでも、当時トロントで観覧したブロードウェイ・...

MOST POPULAR

NYのSupremeファンを恐怖に陥れるThe Apeとは?!

NYではSupremeはご用心

NYのスケーターの間でSupreme離れが進んでるとの報道。ルイ・ヴィトンとのコラボが影響か

Supremeとルイ・ヴィトンとのコラボの影響はポジティブな面でも、ネガティブなでも、その影響は大きそうだ。ポジティブな面で言うとこのストリートファッションシーンの巨人が、前人未到の地位にいることを再確認させてくれた。コラボ直後にはルイ・ヴィトンを手がける世界最大のファッション企業体LVMHグループがSupremeを買収するという噂話も、まことしやかに流された。

Thrasherの編集長がスケーターアイテムを着るセレブを批判

Thrasherは1981年に創刊されたスケート雑誌の象徴といえる存在だ。現在ファッション業界でThrasherのロゴが入ったTシャツやパーカーなどのアイテムが、トレンドになっている。