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21人のグラフィティアーティストが聖地5Pointzを巡る訴訟で賠償金670万ドルを勝ち取る
ニューヨークのグラフィティ・アーティスト21人が、グラフィティの聖地であるクイーンズ区ロングアイランドシティの倉庫ビル(通称5Pointz)の壁画の取り壊しに関する裁判に勝訴し、賠償金670万ドル(約7億2000万円)を得ることとなった。
2月12日(現地時間)、ブルックリンの連邦裁判所判事はクイーンズ区ロングアイランドの5Pointzにあった21アーティストによる壁画作品45点には、法的保護を受けるに値する芸術的価値が認められると判断し、上のような判決を下した。
ニューヨークタイムズによると、この裁判は21人のアーティスト達が倉庫ビルの所有者である不動産会社社長Jerry Wolkoffに対し起こしたもので、裁判所は2013年にWolkoff氏が5Pointzにあったアート作品を白塗りした行為を違法であるとした。
Wolkoff氏の弁護士は「所有する不動産に対する行為はいずれも認められる」といった主張をしていたが、この訴えは認められなかった。裁判所は、ある財産が権利上は誰かの所有権である場合であったとしても、その財産が保護されるべきであると多くの人が認識しているとき、これを破損する行為はV.A.R.A(美術家人権法)に違反する、という判断を下した。
また、グラフィティアーティスト側の弁護士を担当したEric Baum氏は、これについて「今回の裁判に関わったアーティストだけでなく、アメリカ中のアーティストたちにとっての勝利でもある」とコメントしている。
(辻本秀太郎)