Chance The Rapperが「レーベルと契約せずに成功するのは難しい」というApple Music幹部の発言を批判

Apple Musicに勤めるCarl Cheryが番組『Everyday Struggle』に登場。Chance the Rapperのようにレーベルと契約せずに成功できることはめずらしいと発言。そのような意見に対してChance The RapperがTwitterで「アーティストを縛り付けるな」と怒りを露わにした。

番組『Everyday Struggle』にAppleミュージックのアーティストキューレーション担当のCarl Cheryがゲストとして出演。Chance The Rapperの型破りなこれまでのキャリアについて語った。Carlは、Chanceがレーベルと契約せずに成功したのは稀な例であって、他のアーティストに間違った希望を与えてしまうと主張する。「Chanceは例外だ。特別なんだ。あの成功は誤解を生む」と発言。「レーベルなど必要ないと他の駆け出しのアーティストが考えてしまう。Chanceは特別なんだ。彼はめちゃくちゃ頭がいい」と、Chanceがレーベルと契約せずに成功したのは、非常に珍しいことと説明した。

Carl Cheryの主張に応じ、後日ヒップホップメディアの『DJ Booth』が記事を書いた。Carl Cheryが番組内で語った話と同様、Chanceのようなキャリアで成功することを目標にするのは現実的ではないという内容である。そこには「若い無所属のアーティストがChanceのパフォーマンスや、彼が得たスポンサーや賞を、自分もいつか貰えると夢見るのは簡単だが、誰かの足跡を辿るだけでは成功は保証されない」という忠告、そして「Chanceは『Acid Rap』のミックステープをリリースする前にClara Lewisと契約している。Clara Lewisは業界最大手のブッキングエージェントだ。彼が本当に独立したインディーズのアーティストなのか人によっては解答は違うだろう」とChanceが過去にブッキングエージェントと契約していることを指摘が書かれている。

記事が公開されると、ChanceはTwitterで『DJ Booth』のアカウントに向かって批判。『DJ Booth』のアカウントもそれに対して返答し、議論を交わした。

Chance「この記事はワックだ。お前らはアーティストが成功するためにはレーベル、出版社、販売会社が必要って言いたいんだろ。そんなのは嘘だ」
DJ Booth「Chance、(アップルの)Carlも我々もそんなことは書いてない」
Chance「『彼がインディーズのアーティストを先導するなら、あのレベルの成功は全ての人にとって現実的なわけではないことを理解するべき』ってあなたの記事に書いてあるけど間違っている」
DJ Booth「不可能とは書いてない。非現実的だと書いたんだ。そしてそれは正しい。さもなければ今頃君のように大成功しているインディーズのアーティストがたくさんいるべきだからだ。しかし全くいない」

その後も議論は白熱。DJ Boothは「Chanceには同意だし、レーベルと契約せずに成功することは不可能とは言っていない」と、可能性は誰にでもあるが非現実的であることを伝えようとした。しかしChanceは「アルゴリズムで人の音楽の好みはわからないし、媒体のホームページやプレイリストどれぐらい目につきやすいかも関係ない。オーディエンスはアーティストの曲がどこで手に入れるかだけわかればいい。音楽を流通させたりプロモーションさせる新しい方法はたくさんあるのに、ひとつしか方法がないとお前らは言うんだ」と最後まで姿勢を変えなかった。

 

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