音楽を聴いて鳥肌が立つのは特殊な脳の構造を持つ人だけが経験できるという研究結果

MUSIC  2017.11.28  FNMNL編集部

音楽を聴いて鳥肌が立つ、という体験をしたことがあるだろうか。もしあるならば、あなたはとてもラッキーな経験をしている。

南カリフォルニア大学の研究により、「音楽を聴いて鳥肌が立つ」経験をできるのは人口のごく一部しかいないことが明らかになった。ほとんどの人の脳ではニューロンと「音楽による鳥肌」がリンクしていないため、この現象を体験できないという。

ハーバード大学在学中からこの現象について研究を続けているMatthew Sachsによると、これを体験する人々の脳内の構造は特殊で、彼らの聴覚皮質と感情処理機能を接続する神経繊維は、一般のそれよりも密度が高いのだという。

現段階では、この高密度の神経繊維が存在する理由については未解明だが、これが存在するという発見自体が革新的なものであるとSachsは述べている。 彼は以下のように話している。

「私たちの発見は、報酬系への知覚アクセスにおける神経基盤が個々によって異なっていることの最初の証拠を提示しています。またこの発見により、外的事象と感情との聴覚を経由したコミュニケーションが音楽というものを人間にとっての審美的な報酬にしているという進化の原理が示唆されるのです。」

また、南カリフォルニア大学・Brain and Creativity Instituteの研究助手であるDer Sarkissianはこの「鳥肌」現象についてNeuroscience Newsで以下のように描写している。

「呼吸が曲のペースに合っているような感じがして、心臓の鼓動が遅くなり、曲にさらに集中している感覚になります。心も身体もその曲に反応している感じです。」

(ちなみに、ここでこの反応を誘発している曲は、Radioheadの"Nude"だったという。)

Sachsによると、この連動は感情回路自体の強いつながりを示しており、このような強い感情の反応は音楽だけに限られたものではないともしている。一方、多くの神経繊維を持っていたとしても他の報酬(金銭など)では反応を見せるものの音楽に対しては反応が出ないケースもあるという。

現在のところ人口の何パーセントがこのような高密度の神経繊維を持っているかは明らかになっていない。Sachsの準備段階の研究では調査対象の人数に制限があったことも理由の一つだ。現在、彼は南カリフォルニア大学でPhD課程の中で研究を続けているということなので、続報を待ちたい。

また、この発見が鬱病の治療にとっても重要な影響を与える可能性についてもSachsは言及している。鬱病はあらゆる物事における喜びを感じる機能を不全にするということから、音楽が患者の喜びの感情を開発する役割を担う可能性があるとしている。

Via: Social Cognitive and Affective Neuroscience , Digital Music News

(辻本秀太郎)

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