写真家・細倉真弓によるセクシャリティーやジェンダーなどの境界を揺さぶる個展『JJuubbiilleeeee』が開催


CULTURE  2017.11.26  FNMNL編集部

東京・恵比寿のG/P galleryで写真家の細倉真弓による展覧会『Jubilee』が、12/2から開催される。

静物やヌードのポートレートと東京郊外の風景を織り交ぜた作品で注目を浴び、近年では撮影範囲をアジアまで拡大しながらも一貫して被写体の繊細な美を力強く描き出してきた細倉は、今年9月に写真集『Jubilee』を発行。

shadows of summer (Y)_2012
《shadow of summer (Y)》 2012年、Type C Print、Edition of 3, 75 x 100 cm、Edition of 5, 40 x 60 cm ©Mayumi Hosokura, Courtesy of G/P gallery
line (Y)_2015_©︎Mayumi Hosokura, Courtesy of G:P gallery
line (Y) 2015 Type C Print ©︎Mayumi Hosokura, Courtesy of G/P gallery

同作は自らの原点であるポートレートによる表現に回帰しながらも、風景の中の文字、都会のかけら、若者の裸体、植物のテクスチャーなどが等しく 丁寧に撮影され、巧みに使い分ける自然光やカラーフィルターの元で被写体の沸点が捉えられている。

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ikebukuro bed(G) 2012 Type C Print ©︎Mayumi Hosokura, Courtesy of G/P gallery

展覧会は『Jubilee』からの写真作品と、数点の新作映像を交えたインスターレションで構成。細倉は初期の代表作『KAZAN』より、男性ヌードに取り組むだけでなく、男性か女性か判断しづらい中性的な若者を積極的にモデルに起用するなど、セクシャリティやジェンダーの問題について示唆しており、以降アジアの撮影を重ねていくなか、2015年よりはじめた月刊誌の連載「ルポ 川崎」取材で、在日外国人コミュニティで多重な文化を背景に暮らす若者にもカメラを向ける機会もあり、国と国の境界も、だんだんとなくなっていったと言う。

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Still from Dance (10 times extended EDM) 2017 HD video with sound ©︎Mayumi Hosokura, Courtesy of G/P gallery
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Still from Dance (10 times extended EDM) 2017 HD video with sound ©︎Mayumi Hosokura, Courtesy of G/P gallery

今回展示する中国の地方都市廈門で撮影された映像作品では、近景と遠景で捉えた踊る青年の姿が前後が変化を繰り返すように重ねられ、時間軸が10倍にも引き伸ばされている。きらめくクラブの多彩な光に反応して、青年、その周りで踊る他者、そして遠景に収められたもうひとつの青年の姿・輪郭がそれぞれ侵食しあうイメージは、踊っている瞬間に我々が憶える主体的な意識や感覚が、周囲と一体化しあやふやになっていく。空間内に配置されたイメージが交差しあう度、男性/女性、生物/無機物、静/動といった境界の曖昧さが増してゆき、そのカテゴリーのありようを疑うようにと鑑賞者を誘う。

<ステイトメント>
 私たちは新しい肌が必要だ。
それは毛皮のような蛇の鱗のような植物の産毛のような発光するガラスのようなものでもいい。
 遺伝子のひとつを操作することによって蛾の遺伝子を持ったトマトやカエルの遺伝子を持った羊が誕生するようにそれは私た
ちの今までのカテゴリーを曖昧にする。
 私は女であると同時に男で、獣でもあり、植物でもあり、あるいは無機物でもありうる。
 境界を曖昧にする新しい肌。
男と女、人と動物、生物と無機物。
 新しい肌は、遠くないそんな未来を夢想する「私」(あるいは「あなた」)を拡張するためのボディハックだ。
細倉真弓

Info

細倉真弓『JJuubbiilleeeee』
会期 : 2017年12月2日(土)- 1月28日(日)12:00-20:00 月曜休廊(最終日は17:00まで)
場所 : G/P gallery 150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 2F
オープニング・レセプション:12月2日(土)18:00-20:00

<関連企画> 会期中には作家を交えたトークイベントを開催予定。追って詳細を発表いたします。

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