日本のゲームミュージックの歴史を紐解く画期的なコンピレーション・アルバム『Diggin’ In The Carts』がHyperdubからリリースへ
80年代後期から90年代中期にかけて、日本のゲームミュージックが生んだ貴重かつ革命的な楽曲ばかりを集めたコンピレーション・アルバム『Diggin’ In The Carts』が、UKのレーベルHyperdubからリリースされる。
34曲もの楽曲を収録した本作は、レッドブル・ミュージック・アカデミーによるドキュメンタリー映像シリーズ『ディギン・イン・ザ・カーツ』が発端となり、エレクトロニック・ミュージックの発展を語る上で、欠かすことのできない日本のゲームミュージックが、如何に世界に影響を与えたかを紐解き、その歴史を探る内容となっている。
同ドキュメンタリー映像シリーズで監督を務めたニック・デュワイヤーとHyperdub主宰のKode9が研究を重ね、監修を務めて完成させた楽曲集は、今なお進化し続ける日本のゲームミュージック初期にあたるチップチューン黎明期を掘り下げた貴重なアーカイヴ作品となっている。
リリースアナウンスに合わせ、1993年に発売されたスーパーファミコン用ゲーム『The麻雀・闘牌伝』のために、ゲーム音楽家、細井聡司によって作曲された楽曲"Mister Diviner"が公開された。
今作に収録された音楽は、ファミコン、スーパーファミコン、PCエンジンといった日本のゲーム機や、MSX、MSXturboR、PC-8801といった8ビットパソコン、16ビットパソコンのために作曲されたもの。本作は、それらの楽曲を“ゲームのための音楽”としてだけではなく、電子音を駆使して日本から生まれた重要な音楽作品として捉えコンパイルした。
音楽ファンが、音楽ファンのために作った、ゲーム音楽のアルバム。それは1984年に生まれた世界初のゲーム音楽レコード『ビデオ・ゲーム・ミュージック』以来の試みだ。当時細野晴臣が担った役割を、ここではHYPERDUBが担っている。セレクターの醸し出す味わいまで含めて、ぜひともご堪能いただきたい。
hally (VORC)
1980年代から90年代にかけデジタル合成によって誕生した、耳にこびりついて離れない8ビットおよび16ビットのゲーム音楽は、小さな幼虫のように蠢きながら日本で繁殖。クラシック音楽や、ロック、レゲエ、初期シンセポップのメロディーをデジタルデータに変換しつつ、幾つもの群れとなって瞬く間に世界中に這い広がり、全世界のゲームプレイヤー達の“記憶装置”に寄生した。それは回路基板の中で増殖し、やがて活気溢れるチップチューン・クローンの亜種を生み出して、ヒップホップからテクノ、ハウス、グライム、ダブステップ、フットワークからその先に至るまで、エレクトロニック・ミュージックの様々なジャンルにおける多種多様な突然変異体に影響を及ぼしている。
Kode9
本作の完成に合わせ、『Diggin’ in the Carts』のライブイベントが、東京、ロンドン、ロサンゼルスで開催される。アルバムのリリース日となる11月17日(金) に、恵比寿リキッドルームにて開催されるレッドブル・ミュージック・フェスティバル主催の東京公演では、本作の監修も務めたKode9と、アートワークを手がけた森本晃司によるスペシャルなオーディオ・ヴィジュアル・ライブが披露されることも決定した。
Info
label: Hyperdub / Beat Records
artist: V.A.
title: DIGGIN IN THE CARTS
release date: 2017/11/17 FRI ON SALE
国内流通仕様CD BRHD038 定価 ¥2,200(+税)
hally (VORC)による解説 / オリジナルステッカー封入
[ ご予約はこちら ]
amazon: http://amzn.asia/hwxms4X
iTunes: http://apple.co/2ybCIk9
RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2017 presents
DIGGIN' IN THE CARTS
電子遊戯音楽祭
日 時:2017年11月17日(金)開場19:00/開演19:30~
場 所:LIQUIDROOM(恵比寿)
料 金:前売3,500円 *20歳未満は入場不可。顔写真付き身分証必須。
出 演:Kode 9 x Koji Morimoto AV, Chip Tanaka, Hally, Ken Ishii Presents Neo-Tokyo Techno ('90's Techno Set), Osamu Sato, Yuzo Koshiro x Motohiro Kawashima and more