【Interview】日本一のNirvana Tシャツコレクターに聞く、バンドTシャツの世界

FEATURED  2016.10.14  Tetsuro Wada

Nirvanaの代表作『Nevermind』は今年2016年でリリースから25年となる。そして来年は故カート・コバーンの生誕50年の年で、バンドにとってのアニバーサリーイヤーが続いている。かたやファッション業界では現在ロックTシャツのブームが続いており、数あるバンドの中でも特にNirvanaの人気はすさまじいという。

そんな中FNMNLに1通の企画のメールが届いた。メールを送ってきたのは都内の古着屋に勤務する門畑明男。彼はNirvanaのTシャツのコレクターで100枚以上のTシャツを保有しており、NirvanaのTシャツコレクションを集めた本を作りたいとメールには書いてあった。ではなぜそこまでNirvanaやそのTシャツに魅了させられたのか、そしてバンドTシャツコレクターの世界とは?門畑に話を聞いた。

取材・構成 : 和田哲郎 撮影 : 横山純

- Tシャツを集めだした、きっかけはなんだったんですか?

門畑明男 - 元々は20歳前とかだと思うんですけど、なんの気なしにNirvanaのTシャツを古着で3000円とかで売っていて、新品もあったんですけどオリジナルで出してたものがよかったので、買ってたんですよね。ほんとに集める気とかなくて、ただNirvanaが好きで着て、別の日に古着屋に行ったら別のNirvanaのTシャツがあって買おうかなってくらいで。自分は20歳から古着屋で働いてるんですけど、そうすると他の店にも遊びに行って、見る機会も多いですよね。そこで買っていくたびに、Nirvanaを好きだっていうのを周りの人たちが認識し出して、「NirvanaのTシャツ入ったよ」とか、店行くだけで「これ入ったけど?」って勧められ、買った方がいいのかなって、それで買っていったんですよね。

当時もロックTブームがあったんですけど、その時はGrateful Deadとか、Rolling Stonesとか60~70年代のバンドが人気で、Nirvanaだと高いのでも5千円くらいだったんですよね。1回当時で7千円くらいのを見たことがあって、その時もそんな出さなくても、もっと安く買えるよとか言われたんですけど、その買ったTシャツは1~2年前に同じやつが知り合いの店に入ったんですけど、8万円になってましたね(笑)。自分がちょこちょこ買ってた10数年前と今で10倍くらい金額が変わってるんですよね。今から集めるのは難しいですけど、当時買っていたので、これくらい持てているって感じです。集めだしたきっかけは、ただバンドが好きで、それで安くて、あと周りの人に勧められたからです。

Nirvanaを好きになったのは高校生のときに、メロコアのブームがあって、山嵐とかBack Drom BombとかHi-Standardが流行ってて、嫌いじゃなかったんですけど、個人的にあまりしっくりこなくて。中学のときにThe BeatlesとかRolling Stonesとかを、父親の影響で聴いてたんですよね。でもパンクまでいかなくても、もっと激しいのが聞きたいなと思って、いろいろ調べてたら、多分タワレコに行ったときに、『Nevermind』っていつでも宣伝されてて、いつでも最高のポップが書いてあるじゃないですか。それとカート・コバーンが亡くなったのって僕が小学校6年生のときで、日本でもニュースになったんですよね。その記憶が、CDを見た瞬間によみがえって、そういえば昔ニュースで見たなって思い出して、買ってみようかなと思ったんですよね。それで初めて聴いて、やっぱり衝撃じゃないですか。ロック好きな人で『Nevermind』聴いた人は、みんな味わってると思うんですけど、そこからですかね。最初に買ったのはあんまり覚えてなくて、多分なんですけど王道のスマイルのTシャツだと思うんですよね。

Nirvana

- 音楽自体はもちろんいろいろ聴かれると思うんですが、TシャツをコレクションしてるのはNIrvanaだけですか?

門畑明男 - 今はそうですね。前はいろいろなバンドのTシャツを集めてて。Nirvanaの出身地であるシアトルのSub Popってレーベルに所属してるバンドのTシャツを集めてたんですよ。あとはカート・コバーンが死んでるので、死んだ人のTシャツを集めようと。ジミヘンだったり、ジョン・レノンだったりとかも集めてたんですけど、例えば自分がジミヘンのTシャツ着て歩いてると、ジミヘン好きなんだなって思われるじゃないですか。

もちろんジミヘンは好きなんですけど、でも心の中だとNirvanaの方が好きだしって葛藤があったんですよね(笑)「ジミヘン好きなんだね」って言われていちいち「Nirvanaの方が好きだけどね」とは言わないんですけど、でもNirvanaのTシャツを着てれば「Nirvana好きなんだ」「そうだよ」で葛藤なく終わるじゃないですか。その葛藤がなんか嫌で、ああ駄目だNirvanaだけにしようって。それで他のは全部手放しましたね。あとSub Popのバンドってマイナーなバンドが多いので、そういうの好きなお店に売っても7千円とかだったんですけど、今はそのバンドでも4~5万円はしますね。Sub PopのバンドTがストリートファッションで人気になってるんですよね。半分以上何のバンドかはわかってないでしょうけど。あくまでグラフィックが、かっこよくて今の時代に合ったデザインなのかなって。

- バンドTシャツブームがキてるなと気づいた瞬間っていつ頃ですか?

門畑明男 - NirvanaのTシャツ自体は、当時のバンドTブームが終わっても一人歩きして高騰していってたんですよね。バンドTシャツにすごい強いお店があって、そこでもNirvanaだけはずっと売れ続けてたんですけど、自分の働いてるお店とかでベタなんですけど、Rolling StonesのベロのTシャツあるじゃないですか。あれを探してる人がいたり、あれが売れたりとかするんですよ。あれってバンドTシャツの教科書みたいなものなので、普通は毛嫌いしたりとか遠ざかったりする人もいると思うんですけど、ここ数年でそういうのがなくなったんですよね。そういうときに、あ、もしかしたらなって思いましたね。

自分が働いてるお店はテイスト的にロックTシャツってあまり置いてなかったんですけど、年代絞って置き出したら、ジミヘンもビートルズも飛ぶように売れて、他のバンドTシャツが強いお店でも、NirvanaのTシャツが気づいたら10何万とかでも売れてるんですよ。芸能人の方が着たりとか、ブランドが作ったりするじゃないですか。海外のファッションスナップとかでもNirvanaじゃないにしろバンドTシャツを着てる写真が載ってたりしてたんで、ここからもう一段階くるのかなという感じはしますね。それに気づいたのが去年で、今年結構人気あって、もうちょっとしたらもっと人気が高まるのかなって。自分が働いてるお店はお客さんの年齢層が高めで、置いているバンドも古いバンドなので、そんなに若いお客さんっていないんですけど、知り合いがやってるお店とかだと、若い人たちが多いですかね。

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