オバマ元大統領が最もラップの歌詞に登場する大統領に

オバマ元大統領がラップ好きということは、今となっては周知の事実だろう。ホワイトハウスで開かれたパーティーにFrank OceanやChance The Rapperを招待し、今年初めに公開した2017年のお気に入りの楽曲リストには、Kendrick LamarやJay Zら多数のラッパー、シンガーの名前が挙げられている。そして、そんなラップシーンと親交の深い大統領だが、Billboardが2/19、歴代の大統領のなかで最も名前が歌詞に使われているのは、オバマ元大統領だと報じた。

この統計を算出したのは、歌詞のライセンスを取り扱うLyricfind。大統領の名前の歌詞が入った楽曲を数え、そのメンション数を計算した。その結果、最も多く楽曲に登場したのがオバマ元大統領で309曲。2位との倍以上の差をつけ、ラッパーからの熱い信頼が如実に表れた結果となった。

その2位は、ジョージ・W・ブッシュ元大統領で、116曲で2位に食い込んだ。主にYoung JezzyやLil Wayne、50 Centが歌詞に使用し、このような結果となった。ブッシュ元大統領は批判的に引用されることも多く、名前が登場するBeastie Boysの"In a World Gone Mad"では、サダム・フセインと一緒に名前を挙げられ、批判されている。

惜しくも次点には、105曲のビル・クリントン元大統領がランクインした。時にサックス奏者としての顔を持つ彼だが、その要素は名前に出ることはなかった。FugeesやWyclef Jeanにより、クリントン政権下について批判され、このような結果となった。

2011年にリリースされたMac Millerのシングル"Donald Trump"やYGの"FDT"で今最もラッパーから批判を浴びているドナルド・トランプ大統領。彼は、任期がまだ浅いためか5位にランクインし、33回曲いう結果となった。しかもその半数は、2016年の大統領選より前に書かれたもので、Mac Millerのシングル同様企業家としての人格について歌われたものとなっている。

今日、音楽はカルチャーに多大な影響を及ぼしている。政治的な問題が楽曲に反映されるのは当然のことだろう。黒人初の大統領としてオバマ元大統領の名前が最も多く頻出したが、その使われ方は他の歴代の人物と同じく様々だ。文脈によって肯定的にも批判的にも使用されている。

あらゆるジャンルの中でも最も大統領の名前が頻出するジャンルが、ヒップホップだった。Kendrick LamarやKanye West、Lil Wanyeらは社会問題を盛り込んだ楽曲をヒットチャートに送り込んできた。リスナーは、政治に関心を持ち、意識を高め、それが音楽的嗜好にも影響を及ぼすようになった。オバマ政権下でも自身の活動がラップシーンに遺産を残したことは間違いないだろう。

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